其ノ九 芥子
その時、何かを
「先生、これは一体、何の匂いでしょう?」
と私が聞くと、
「これは……。
と先生が仰り、一同が辺りを見回すと、
「いや、お婆さん、だからお産は
と先生が言いかけた、その時にございます。
その場に居る誰の声にも似て居ない、低い、しかし上品な女の人の声で、夕顔の白い小さな花の様に可憐で愛らしかったこの家の女主人が、同じ人とはとても思えない、人ならぬものの様な
「
と、声も絶え絶えに我々に訴えかけて来たのでございます。
明日に続く
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