其ノ六 草の原
「あの、それで……。これはどなたからの文と、春庭様にお伝えしたら宜しいでしょうか?」
と私が姫君にお尋ね申し上げますと、一瞬、姫君の
「まあ、あの方のお名は、春庭様と仰るのね。春の、庭。何と素敵なお名前でしょう。まさしく、花の
とひとしきり感心されました。
姫君は愛らしく少し首を
「そうね、私の事は……。『草の原をば』とでも、春庭様にお伝え頂ければ」
と仰って、意味ありげに
私は、姫君の突然のお申し出に戸惑いながら、二の丸御殿の
明日に続く
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