其ノ十七 形見
「ああ、すっかり君の事を忘れて居たね。」
何度か猫をお飼いになった事のある春庭様は、慣れた手付きで、
そのご様子を、夢見る様な眼差しで見つめていらっしゃった有明の姫君は、
「さと姫は普段、見知らぬ方にこの様に大人しく抱かれる様な子では無いのですよ……」
と春庭様に小声で話しかけると、また
「あ、そうそう。あなた様に、これを」
姫君は、せめて今日のご縁の何かの形見にと、
明日に続く
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