其ノ九 道場棟
「あっ!」
ちょうどその時、城の方から火の粉が飛び火し、各流派の連なる
学問所の道場棟は、城に向かって横一列に並んでおり、
「ああ、私一人で一体どうすれば……。そうだ、城の
春庭様はあらんかぎりの大声を、腹の底から振り絞って、城壁の上の一段高い
「おおい! 誰か! こちらにも飛び火が! 道場が焼けてしまう」
その時に御座います。
「みう」
今にも焼け落ちそうな
明日に続く
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