第12話 鍛冶職人
「なに、ミスリルじゃと!?」
バド・ウィルソン。どこにでもいるドワーフ鍛冶屋さ。
冒険者からミスリル鉱石がダンジョン内で発見されたと教えてもらった。
「いよいよワシの出番じゃな」
「そうですね、じっちゃん、頼んだぜ」
「おうよ」
ミスリルと言えば武器にしてヨシ、防具にしてヨシ、さらにアクセサリーにヨシときている。
しかしそれを扱う鍛冶は高度な技術を必要としていて、普通の鍛冶師ではとても扱えないとされる。
わしは長年生きてきた。昔は隣国から輸入されたミスリルがあり、それを使っていたのだ。
その輸入も途絶えて久しかった。
冒険者からもたらされたミスリル鉱石を集め、炉に入れていく。
そして出来たインゴットを今度は剣にしていくのだ。
カンカンカン。カンカンカン。
弟子と主に金槌で叩いていく。
リズムよく、場所を間違えないように、力を込めて。
カンカンカン。カンカンカン。
ミスリルは高熱を発し作業の中は蒸し風呂のようになる。
ワシの血も燃え上がり滾るというものじゃ。
400字の挑戦「異世界ファンタジー」 滝川 海老郎 @syuribox
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