第11話 コーヒー

 自分はコーヒー党である。

 私はコリーナ。21歳といったところ。ここ王都で冒険者をしている。

 出会いは三年前、酒ばかり飲んでいたある日、たまには別のものをと思ってコーヒーを注文したのだ。


 黒い水に砂糖を入れ、ミルクを入れると茶色に染まる。


「うむ、美味しい」


 それはほろ苦くて、でも甘くて、なんだか優しい味だったのだ。

 問題は値段だ。

 酒は比較的高価だがこのコーヒーとかいう飲み物も値段がそれなりに高い。

 まずコーヒーが海を渡ってきた渡来品で、砂糖も同様だ。

 そして王都では高めのミルクも使用する。

 はっきりいって贅沢品だろう。


 だがそんなコーヒーにはなんだかロマンが詰まっているようで、私は惹き付けられるのだ。


「ほら、あんたらも飲んでみ、一杯だけおごるから」

「「「ありがとう、お姉さん」」」


 後輩の妹的な冒険者にも飲ませてみたりする。


「美味しいね」

「でも、高いよね」

「まあね、でもこれくらいすぐ稼げるようになるよ。頑張んな」

「「「はい」」」

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