第5話 不思議な男。

それから、2年が過ぎたある日のことだった。

帰宅をすると、黒いマントにフードを被った男がそこにいた。

「うわー!!びっくりした!……ってそこで何してるんですか!?まさか…!空き巣!?」


慌てふためく私にその男はこう言った。


「落ち着け。俺は空き巣ではない。ただ、お前に聞きたいことがありここにいる。」


落ち着いた優しさのある声。

なぜか焦っていた気持ちが落ち着いた。

不思議な気分だ。まるで声で心を撫でられたような包まれたような気分だった。


「聞きたいこと?」


「そうだ。お前に2つの選択肢を与える。1つは俺と一緒に来て、力を付け、お前の家族を殺した犯人を殺す。2つ目は、このまま何もせず変わらない毎日を送る。どれがいい?」


え?今、犯人を殺すって言った?てことは、犯人がわかっているってこと?いや、その前に怪しすぎだ。怪しすぎなんだけど、でも…。でも…。


犯人を殺したい!!!

「あいつを殺せるなら、騙されたと思ってその案に乗りたいところだけど、まずあんたが怪しすぎて、しかも話が唐突過ぎて、わけわからない。考える時間がほしい。」


そして、男は微笑み。

「わかった。考えが纏まったら、俺を呼べ。俺の名はレト。レト・フローレンスだ。」


そう言い、消えていった。


「レト・フローレンス…。不思議な奴だな…。」

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怪物になったら @ibuki115

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