第4話 募る恨み

状況が理解できないまま、立ち尽くす私の足元に紙が置かれていた。

『私が憎いか。その憎悪を忘れなければ会える。会える日を楽しみに待っているよ、きらさ。』


なぜ、私の名前を知っている?いや、まずなぜ父さんと母さんが狙われた?相手は私に何がしたかったの?様々な疑問や感情がこみ上げてきた。


「あ。警察に連絡しなきゃ。」

なぜだろう。頭は混乱しているのに、言葉は淡々と冷静に出てきた。


警察に事情聴取をされ、帰宅した。

リビングは、まだ汚れているのに私に映るのは色鮮やかな幸せな日々の映像。

自分の部屋に戻り天井を見上げる。

大切な家族が死んだはずなのに、涙が出ない。

何も考えられない。

でも、これだけは思った。




犯人を絶対に殺す。

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