第3話 こんにちは絶望。

いつも通り、仕事をして帰り、『今日の夜ご飯は何かな…』なんて考えながら道を歩き、家の前にたどり着いた。


見た目は変わらない我が家の扉を開け、「ただいまー!」と声をかけると、いつもは「おかえりなさい!お疲れ様!」と笑顔で駆け寄って来るはずの母の姿が見当たらなかった。

「母さ~ん?いないの?」

そう声をかけリビングに向かい、扉を開けようとした瞬間だった。

明らかにいつもと違う匂いに、扉の取っ手に付いた赤い手形。

考えたくない。必死に自分の考えを否定し、開けた先には…。


もう、亡くなった母と父がいた。


こんにちは絶望。


そして、さようなら幸せ。

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