第4話〜推理〜
残念なことに、第1志望の高校は落ちてしまった。かなり気に入っていた高校だったが、勉強する時期が少し遅すぎたらしい。
だがもう1つの第2志望だった高校には無事受かることが出来た。
第2志望のところは、家から遠かったので親戚の家の近くのアパートに住むことを条件に、一人暮らしをさせてもらった。
最初こそ、自炊や洗濯などに苦戦していたが、2ヶ月もすると、だんだんと慣れてきた。
これからこの順調な生活が続けばないいなと淡い期待をしながらも、その期待はたった今崩れてしまった。
「たしかコンビニのお姉さんですよね?」
「そう!よく覚えててくれたね!
嬉しい!!」
「でも何でお姉さんがこの家に
居るんですか?」
その時僕は最悪なことを想像して
しまった…。
「あの日僕をベッドまで運んだのってお姉さんですか?」
普通だったらありえないことを聞いてしまった。
「…………どうだろうね!?」
「僕に睡眠薬を飲ませてカバンの中にあった鍵で家に入りましたよね?」
そうでないことを確信したくて最悪な質問をしてしまった。
「…………んー。わかんない!」
「誤魔化さないでください。あの日あなたのご飯を食べて少し時間が経った時、急に眠くなりました。」
「それは勉強して疲れてたからじゃないかな??」
「…………たしかに。」
彼女の言うことはあながち間違いでは無いかもしれない。たしかにあの日はかなり勉強して疲れていた。
「たくさん勉強した後にいっぱい食べたらそりゃみんな眠くなっちゃうよ〜!笑」
「……………………。」
彼女がそんなことをして何かメリットがあるわけでもない…。でもそれなのに彼女がこの家にいるのはおかしい。
その時、彼女の部屋のクローゼットを思い出した。
「僕が部屋に入る前にこの拘束具をクローゼットに隠したんじゃないですか?」
「……。りょうまくんなかなか勘が鋭いね!笑」
そう言う彼女の瞳だけは笑っていなかった。
「もう探偵ごっこはやーめたっ!」
「……そうだよ!私がりょうまくんに睡眠薬を飲ませて家まで運んだんだ〜!ベッドまで運ぶの大変だったんだよ??」
「……なっ…」
自分の思考が当たった安堵感と最悪な思考が当たってしまった絶望感に戸惑いながら冷静になろうと深呼吸をした。
「なんで最初に聞いた時に違うって答えたんですか?」
「え〜?だって謎解きみたいで楽しそうだったんだもん!笑」
普通では無い彼女の思考回路について考えようとしたが、考えるだけ無駄だと判断してまた質問をした。
「なんで僕なんですか?なんで今なんですか?」
「まあまあそんな慌てないでゆっくり話そうよ〜!」
「いいから答えてください!」
この状況で悠々としている彼女にイラついてしまい、つい怒鳴ってしまった。
「怒った声なんてあの時以来だね!!怒ったりょうまくんも可愛いっ!」
やばい…。会話が通じない。そう思った時、イラつきが呆れに変わっていった。
「ごめんなさい。取り乱しました。なんで僕を狙ったんですか?」
「狙っただなんてそんな物騒なこと言わないでよ〜!笑」
「……私ね、あの時ひとりぼっちだったんだ〜笑」
――――そう笑いながら彼女はそれまでの悲惨な過去を話した…。
どうやら僕は家からでたら彼女にXXされてしまうらしい。 さうざん @southan
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