キラキラ

カンジ87

第1話 ある若者達のくだらない青春

ある20数年前の事

俺は女の下手くそな手で空を跳び

エロい仲間の隆二は左手を床とケツで挟んで痺れさせ1人で空を跳び、浅い春を遊んでた


隆二に俺は何度も言った


お前いいねー

男も女も楽しめてー


イヤーウォッホほっほっと

ヘタレなゴリラ隆二は

照れながら笑う


長渕剛ならクワエレるぜ!

エロゴリラ吠える


この男

頭そんなに悪くもないのにエロに関しては全くの幼いオツムお持ちのようで思った事は口に出さずにいれないセックス覚えたて中学生のようだった


あー

どこからか

やせっぽっち若いシンガーの英語混じりの流行歌が薄いエロゴリラのアパートの壁にぶつかり交わり消えた


バカかお前!

お前長渕ならクワエレるでなく

誰でもクワエルだろうが!


オッホオッホ

日本語をやめたかのようにエロゴリラ

吠えて

俺の視線から逃げる


まぁいい 

まぁいい

隆二よ

ところで


これから先

失ってくものについてどう思う?


ぼんやりした時の流れ

深夜の終わりかけ

エロゴリラのアパート

早朝新聞バイクの音が吠えてた


下手くそな手の女

明美が俺に言う

隆二君に何聞いてるの?

で何が聞きたいの?

そんな事聞いてどうするの?

色々この下手くそ女は俺にいつも色々聞いてくる


不器用な女は色々敢えて興味深いのだろう

人並みかそれとも全てが人並みにも満たないからなのか

周りをちゃんとみつめ目立たぬようはしゃがぬようひっそりと下手くそに生きる愛しい女だ


そんな事よりも出来れば何事も上手く俺を飛ばせて欲しいものだがそれもまた叶わぬ事と俺は俺自身の事より知っている


これから失ってくもの

お前は

それを何気に大切に意識して行くことが大切な事でそれをお前の猥褻な目で猥雑に淫らせて見ちゃあー

ダメってことなんだよ

わかるか?エロジ!


えー

そんな事より聞いてくれよー


市川本八幡のあの蚊を味噌汁にたまに入れてる定食屋のー

 

あー唐揚げ藪蚊定食ね!と明美

目をキラキラさせて話に割り込んでくる


そうあの微温い唐揚げ藪蚊定食屋のその隣の素ピンクと黄色がやたら下品に混じり合った見てるだけで気持ちの悪い廃屋サロンビルの隣のモスバーガーにー


おいおいエロジよ

そんなに巻くしたてないでくれないか?

もっとゆっくり話してくれよ?

お前のせっかちなすぐ突っ走る若い愚かな気持ちはわからない事でもない俺でいたい俺でいるが良くないぜー

本当に知的な奴ってのはエロジよ!もっとゆっくり簡素的がいいんだよな

早口な奴は頭の回転が早いように思われがちだが一概にはそうとは限らないものなんだ

近所のあの宮久保公園行ってみなー

小さなガキ達

だいたいが訳のわからぬ事叫び滑り台に鉄棒に砂場に吸い込まれるかのうに巻くしたててはしゃいでるだろ?

あんな感じさ

ベラベラ喋る奴は基本ガキの心をもち合わせ今でも公園ではしゃいでるガキのように無邪気でけむたがれる存在者なんだ

お前のやうに唾とヨダレを撒き散らしながら語ったりしたらさらに気持ち悪がられるっておまけもついてろくなことありゃしない



けど自分だって長々と訳のわかんない事ダラダラ語り意味不明あとはそっちで考えてねー

みたいなこっちに丸投げて芥川賞でも取りたいのかやや意味深さ込めて

ほくそ笑むけどあれってどうよ?


とエロジ哀願と愛嬌と哀愁をヨロシクかき混ぜてギロリ


そうよ!簡素的でないじゃん!と下手くそ明美は目をキラキラ


馬鹿どもよ!よく聞けよ

そうよく聞け


俺はそれを敢えて知っているのだよ

人並みの人生の儚さに破壊的セックスの下手くそさを織り交ぜて理解してるのだよ


ほらー

またはじまったー

訳のわからぬ事言ってトロイ私達を宇宙の風にでもさらそうって魂胆ね!

 

自分でトロイと認めてるお前もなかなか立派な奴だがつまりはそういうことなんだ

先週の日曜か確かー

競馬でマン馬券買いそこねて不貞腐れてる俺にまったくどうしてか欲情

シテしまい濡れ濡れ気持ちになって

一緒に競馬中継観てた俺の仲間に早口巻くしたて早くお家にかえったらー?あなたの彼女とずっと会ってないんだってー

女は相手してもらえないのはすごく寂しいものよー心配してるわよー

思ってもいない事丸ごと分かりの

思惑丸出しスケベな目付きで追い出し俺に素っ裸で乗っかかってって来たこと覚えてるか?


やめてよー!隆二君の前でそんな下品な事言うのー


馬鹿野郎!

お前は下手くそなくせに更に上品にでもお嬢様にでもなったつもりか?

この下品極まりないヨダレエロジになんか気取る必要も根拠もなく素のごく普通のスケベな素顔のままの女でいてくれりゃあいいんだよ


だいたいエロジ殿のこれからの講釈は多分ミニストップから出てきた女か男が乳がデカイかモッコリしてて跡をつけてたら日が暮れてしまった

その程度の話


えっなんでわかるのー

 

馬鹿野郎!お前の話のほとんど女の場合巨乳でさー背が高くてさー舐めたかったーー

と言うエロセンチな話ばかりじゃないか!

食欲、睡眠欲、性欲

人間3大欲求

お前の場合

食べたい眠たい交わりたいプラス舐め回したい

欲が深いってのは良くないぜー隆二殿よー

身を滅ぼすぜー


分かってるよ!

だから俺はそんなに食べ物にはこだわらないんだよー


あー

確かに隆二殿は!いつもパンの耳かロールパンだよねー

と下手くそ明美が横入り


いつも目をキラキラさせたこの女

話に加わらりたい加わりたいとクワエルのも下手くそなくせ

ワクワク待ち構えてやがる

たいして気の利いた事も泣ける事も笑かす事も出来ないのに待ち構えてやがる


あー

そろそろ時計は8時ちょい前

世界は動き初め食べて排泄して学んで働いて目にも映らぬ空間動き出す

あー我らニート3人には世界を突き動かす術も平和も争いも悲しみもありもしないのに



だいたいなんだーお前!

舐めるとかクワエルとか

お前親猫か?優しい気持ちかー?

それとも鳥にでもなって俺を何処か咥えて争いの無い国にでも連れてってでもくれるのか?

背が高くてさーって

お前チビッコ女子か?

まぁあの人種は仕方ないんだよ

守ってもらいたいし馬鹿にされたくないし

いつもストレスの中ビクビクいらいらしてるんだから

何か大きな者に抱かれついて行きたいんだよ

ところがお前はデカイじゃねえか!

そういう奴はチビッコ女子の需要に答えてやらなくちゃ

いや

偽善でもそうしてやってくれよ

人様の役に立つこれが我ら人間様の有りようですよ


いやだよ 俺は自分には嘘つきたくないんだよ

嫌なもんは嫌なんだよ

男も女もいけるけどー

チビは嫌なんだよー

だいたいなんだよ

俺達みたいな社会の底辺のニートがなぜに人の役にたてるんだ?

なわけねーだろ

俺はずっと社会のすれっからし

にもなれないひっそりと必ずや隠れてるバイセクシャルでいたいんだよ

チビをおしつけないでくれ!

 

おいおい興奮するなよ

確かに誰もが実は自由と理想の上では差別主義者なのは分かっているよ

ごめんよ

チビ嫌いなお前にチビチビと何度も連呼してもっとチビ嫌いにさせてしまったようだ

いつかちっこい身体が気持ちよく感じるまで俺は気長に待ってるよ!



馬鹿じゃないのー さっきからあなた達ー

チビチビチビとセコい立ち呑み屋で安い焼酎呑んでるみたいに連呼してー

だいたい舐めたりクワエタリ入れてもらったりしたい

隆二君に小さな穴の気持ち良さなんてー

永遠にわからないわよー


待ってましたわよと言わんばかりに

ヘタクソ明美の登場! 


さっきあなたが言ってた人間3大欲求だって

あれは

仏教を開いた釈迦様がブッタとなり悟りを開き

伝えた事で

さらに

生存欲(生きたい)

睡眠欲(眠りたい)

食欲(食べたい)

性欲(交わりたい)

怠惰欲(ラクをしたい)

感楽欲(音やビジュアルなどの感覚の快楽を味わいたい)

承認欲(認められたい)

って7つの欲求に分けたのよー


仕事したくなくてー

見た目のいい巨乳追いかけてたら日が暮れて

バイセクシャル隠して仲間のベッド潜り込んで知らぬ男のあそこ握りしめて

バレてどつかれ開き直って不貞腐れてでも認められたいのよー

そんなものよー

あなただってそう!

私の事

下手くそ下手くそと乱暴に言うけどあれだって嫌なもんよ!

なにか

否定された気持ち

哀しくなっちゃうわー


だから俺はお前をある意味認めてんじゃないかよ

ヘタクソを否定してんじゃない

それはそれで別にたいした事でないんだよ

よく考えろよ

こんなぬるーい時間

我ら

若者特有の四半世紀に満たない経験値における自惚れと甘えと絶望だけ

でうだうだ墜落感を味わって今を生きてるんだぜ

頑張れだの戦えだの

そんなの売れ線ミュージックの3流上等戯言なんだよ

その気になっちゃいけないよ


物事には裏と表がフラフラと回ってあってヘタクソって事は上手って事もどこかにあるんだよ

それを

俺みたいに要領よく手際のいいやつはその裏

実はなんにも自信なく臆病者なのかもしれない


そうだ!覚えてるか?道玄坂交番の真裏の街金ポスターがフラフラ風に揺られてボロボロにちぎれかかってたの?


あー深夜ロイヤルホストで冷めたスープとコーヒーとで3時間潰した時ね


そうあのポスター俺が笑いながら蹴飛ばしてふらついちゃって上覗いたらやたら渋谷のネオンがやたらキラキラしてて眩しくてー


あー

あの時あなた何も言わず突然猛ダッシュで走り出して本当びっくりしたわよー

車に轢かれるかと思ったー


そう

そうあの時俺は轢かれてもいいやと思って走りだしたんだよ

その時はその時さ

Maybe nobody knows


でも轢かれなかった

この先

もっと時間に押し流されおじさんおばさんと呼ばれる歳なっても頭の中はきっとスカスカの風が吹いてるだろうなー

思うよ!

そしてもっともっといろんな物無くして奪われて麻痺して

もう夕日もあの日の渋谷の街のネオンもトム・クルーズミッション・インポッシブルの新作もたいして興奮も感じなくなっち

まうんだろうなー

でもよ

よく聞け

皆よ

よく聞け


その時にはキラキラしたもの持って

ネックレスでも指輪でももっと言えばトイレの便器でもキラキラ磨けばいいさ

結婚とかして

生まれ来る子供でもこれから出来る仲間でもペットでもキラキラしたやつのそばにいて

そしたら時に反射して自分もキラキラって映るから

勘違いでも

キラキラって映るから 


そうそう

エロジよ!俺の話は長いか?聞いてるか?いや聞いてないなー眠りたいならまぁいいさ

眠りゃいいさー

お前のそのー

ヨダレ良くないなー

本当下品で良くないなー

ぽてりぽてりと牛みたいにこぼれおちちゃってー

きたねーなー

ヘタクソ明美のキラキラした目から反射して跳ね返ってーでも光ってるじゃないかよー


俺もヘタクソ明美もエロジのヨダレが神の雫みたいになってるのをぼっー見てた

悟ったふり諦めたふり

この先覚えて幼くとも嫉妬や争いから誰もが逃げ切れないのに神の雫みたいなってるのを俺とヘタクソ明美はずっと見てた。





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