第10話 薬の大量処方

某精神科に転院し、うつ病と診断され、薬を大量に処方されるようになりました。


一日三十錠くらい飲んでいたと思います。今は法律ができて、薬の処方の限度ができましたが、当時はありませんでした。


合わないと言えば変えられ、合わないと言えば変えられ。


もうなにをどれだけ飲んだでしょうか。


副作用でおかしくなります。まともな思考力が奪われていきます。もともと黒々としていた思考が、更に黒々としていきます。それでも薬しか頼れるものがありません。


薬の中には、自殺願望を増長する副作用もあります。


死にたいという思いが強くなっていきました。母もよく怒鳴ります。委縮しきっていました。


全てを忘れたい、眠りたい、死にたい、という思いが頭から消えず、オーバードーズを始めます。


丸一日寝ていました。丸三日寝ていたこともあります。


記憶にないのに起き出してカップラーメンとか食べていたようです。


リビングで意識を失っているのに、夜起きた父親は何もしなかったそうです。


この生活が二十六歳くらいまで続きます。


とにかく眠ったまま死にたい。その一心になっていきました。


ちょうどその頃、精神を病んでいた某ネットアイドルがいました。


故人となっていましたが、たびたび文章に救われ泣いていました。


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