メタリア退治⑤

フロッギュの肉を堪能した後、ヘッジさんたちは引き続き発電所内のメタリア退治を行なった。

メタリアに遭遇しては倒しを繰り返した結果、施設内にいたメタリアは全滅したのか.....数時間後にはその姿をほとんど見なくなり、メタリアが全滅したことを確認した僕達は発電所内を出て、ギルドにメタリア討伐の証拠として核を提出して報酬を受け取った。

そして


「う〜ん....美味しい!!」


僕達はその報酬を使って、焼肉屋のような店で豪華なディナーを食べている。


「地球の焼肉も好きだけど、こっちの焼肉も好きです!!」

「フルル!!」


焼肉を食べながら、そう言う僕とテン。

あぁ....フロッギュの肉も美味しかったけど、こっちの肉も美味しいなぁ。


「プハッ!!酒も美味いわ〜」

「やっぱ一仕事終えた後の焼肉は美味い!!」


酒を飲んだり肉を食べたりしながら、そう言うミミットさんとネモさん。

一方、ヘッジさんは


「ミミット、ネモ、あまりはしゃぐな」


そう言った後、肉を葉野菜のようなもので包んで食べていた。


「リューセー、肉だけじゃなくて野菜も食べた方が良いッスよ」


そう言うと、焼き台の上でちょうど良い感じに焼けている野菜を僕の皿のところに置くランドさん。


「あ、ありがとうございます!!」


僕はランドさんに対してそう言うと、皿の上に乗っていた野菜を一口食べた。


「美味しい!!」


見た目が水玉模様の茄子っぽいから、どんな味なのか分からなかったけど.....これ、めちゃくちゃ美味しい!!

何というか、見た目は茄子なのに歯応えが分厚いベーコンみたいなんだよな。

しかも加工肉っぽい味もするし....恐るべし、宇宙の野菜。


「これ、とっても美味しいです!!」


ランドさんに向けて、僕がそう言うと


「それなら良かったッス」


ランドさんはニッと笑いながら、僕に向けてそう言った。


「ここの店って、肉だけじゃなくて野菜もこだわってるから美味いんだよな」

「ね〜」


そう言った後、カラフルな野菜を口を入れるネモさんとミミットさん。

と、ちょうどその時.....僕達の席に店員さんが来たかと思えば


「お待たせしました、クトゥルーでございます」


テーブルの上にウネウネと動く触手入りの壺が置かれるのだった。


「あの、ネモさん。これは.......?」

「これか?これはクトゥルーっていう食べ物で、宇宙じゃよく食べられる生き物なんだよ」


....クトゥルーってアレだよな、クトゥルフ神話に登場するあのクトゥルーだよな。

てか、クトゥルーって実在するんだ.....


「それじゃ、切るわよ〜」

「え」


呆然としている僕を尻目に、ハサミらしきモノでクトゥルーの触手を切った後、それを焼き台の上に置くミミットさん。

するとその瞬間、触手はさっき以上にウネウネ動き......良い感じの焼き目が付く頃には、ピクピクと痙攣するような動きに変わるのだった。


「......良い感じに焼けたな」

「でしょ?」


そう言った後、クトゥルーの触手をタレの入った皿に入れるミミットさん。


「ハイ、これがリューセーのやつね」

「あ、は、はい!!」


そう言った後、クトゥルーをタレをつけて食べる僕。

......肝心のクトゥルーの味はめちゃくちゃ美味しかった。

タコとかイカとかの味を想像してたけど....これはアレだ、カルビの味だ。

しかもただのカルビじゃない。

和牛の方のカルビの味だ。

タコとかイカとかの歯応えはあるけど、味はカルビだ。


「クトゥルーってこんなに美味しいんだ.......」

「フルル!!」

「ま、その気持ちは分かるッス」


そう言った後、クトゥルーをサンチュらしき葉野菜で包んで食べたかと思えば、お酒を飲むランドさん。


「ん〜!!クトゥルー最高!!」

「やっぱ焼肉と言えばクトゥルーだよな!!」


そう言いながらクトゥルーを食べては酒を飲むを繰り返すミミットさんとネモさん。


「そういえば.....ギャラル発電所みたいに廃棄された発電所ってあるんですか?」


焼肉を堪能しながら、僕がそう尋ねると....ヘッジさんはこう答えた。


「あるにはある。だが....」

「だが?」

「廃棄した発電所から漏れ出たエネルギーが周辺の惑星を汚染するという問題が起こり始めてからは、廃棄された発電所をどうするのかで議論が起きているらしい」


.....やっぱり、そういう問題は宇宙でも起きているのか。

そう思いながら宇宙産のお米を食べる僕。


「フルル~」

「テン、美味しい?」

「フルル‼︎」


美味しい!!と言うように声を上げるテン。

.....可愛いなぁ。


「あ!!それ私が育ててた肉!!」

「お前の肉じゃなくてみんなの肉な」

「ミミット、ネモ、騒ぐのも程々にしておけ」

「野菜美味っ!!」


......何はともあれ、みんなで無事にご飯が食べれて良かった。

そう思いながら、焼肉を堪能する僕なのだった。

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SF飯 @marumarumarumori

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