10.セーブポイント

「えぇえええええええええええ!?」


(っ……!?)


 ステラが大声をあげている。


(ステラがいる!?)


「ど、どうしたの? ステラ……」


 ヨジカが突如、大声をあげたステラを心配している。


 ルーファも周囲を確認する。


 それはトワキの洞穴……魔法陣があった祭壇であった。


「進んでる…………進んでるよぉおお!」


「……」


(確かに進んでる……! これはひょっとして……セーブポイントのようなものか……?)


 魔法陣を解放することができれば、ステラが死んだ時にそこから始めることができる。

 ルーファはそのように予想した。


(絶望的と思えたが、少し希望が見えて来たぞ……!)


「よし! ステラ! この洞穴をぶっ壊して、あっち側から出るぞ!」


「はい! そうしましょう!」


「え、なんでよ?」


 突飛な提案をするルーファとそれに嬉々として、賛同するステラにヨジカが怪訝そうな顔をする。


「え、えーと……」


 ステラは困ったような顔をする。


「って、あれ……? ルーファさんは何で?」


「え、えーと……」


(い、いや、そりゃあ魔王レイシアとの遭遇を避けるためではあるけど……し、しまった……嬉し過ぎて俺が知らないはずの前回の記憶を使ってしまった)


「ま、まぁ、あれですよ。時には奇想天外なことも必要かなと……」


「…………ん……?」


(……流石に厳しいか)


「そうですよね!」


 ステラはニコニコしながらルーファの回答を受け容れる。


(……あまり深く考えないタイプの子でよかった)


「……だが」


(だが、これで魔法陣を解放しながら、キアイダメイルさえ、探し出せば、この死に戻りからも解放されるはずだ……!)


「行くぞ……! ステラ、ヨダカ!」


「あ……はい! なんだかルーファさん、少し元気になりましたね!」


「……そうか?」


 ルーファは少し微笑む。


 ルーファとステラ達の旅は始まったばかりだ……!


 ============================

【あとがき】

 ここまでお読みいただき有難うございます!


 なかなか面白いテーマだと思ったのですが、残念ながら自力でランキングを登っていける程のパワーはありませんでした。

 自身の力不足を痛感しました。


 保留しておくことも考えたのですが、話のキリのいいところで、一旦、完結とさせていただきます。

 (黒い部屋のところが、におわせだけになっていたので、07話を追加しています)


 私の別作品がバズッたりすると、読みに来てくれる人がいたりするので、そういう流れで伸ばすことができたら再開するかもしれません。

 

 何はともあれ、読了有難うございます!



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強兵しすぎた悪役貴族、勇者の死に戻りに悩まされ、スパイ活動と称し、勇者が死なないようにパーティに潜入するも、なぜかめっちゃ崇められる 広路なゆる @kojinayuru

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