それは……知性に変異した
@ramia294
知性
それは……
その星の創生より存在し
忌み嫌われる
それはいつの時代にも存在し
それはどんな場所にも存在する
それは全ての時間に存在し
それは星の全てを覆い尽くす
星
ある時
それを排除するため
それによく似た構造を生み出す
星が生み出したものは
生命は
海で繁栄し
やがて陸にあがる
それは進化する生命を静かに観察していた
やがて生命はある獣に進化する
それは太古の時代のその獣を見つけ
それは宿主にその獣を選ぶ
それの選択は成功し
それは繁栄を極める
それは凍てつく心を好み
それは他者を顧みない身勝手を好む
それの最も好む性質を持つその獣と共に
それは星を蝕んでいった
それは生物でなく
それは無生物でもなかった
それは血を糧とし
それは涙を糧とする
それは後の世でウイルスと呼ばれたが
遺伝子に深く食い込んだそれは
獣の一部になった
獣は爆炎に狂喜し
それは繁栄した
獣は残虐性に富み
それは繁栄した
それは無関心に侵入する
それは繋がりを嫌う
それは簡単に感染をする
獣の中の
獣と一体化した仲間と
手を繋ぐ
それは静かに広がる
それは星ひとつを覆い尽くす
それは世界を侵す
それはその獣の暴走を促し
獣は星を滅ぼす
原子の炎で焼かれた星
その名は地球
それの名はウィルス
それの名は戦争ウイルス
火炎の中
それは狂喜する
それは自らを焼き尽くす
戦争ウイルスは
この星の大地より消え去る
生命の種
海の底深く残る
その子孫たちは
陸に進出し
さらなる進化を
繰り返す
その生命に宿りし
平和な世界を求める心
その正体
その時
遠い未来
新しきその生命は
争いという言葉を
捨て去る事が出来るのだろうか?
海の底
残された僅かな戦争ウイルス
星の目を欺くため
自らを滅ぼさぬため
その姿を変える
進化させる
変異させる
遠い未来の
新たなる獣は
それを
知性と呼ぶ事になる
それは……知性に変異した @ramia294
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます