茜色に染まる空の下で君と過ごした最高の思い出
@godetia0523
第1章
「よかった······すっかり元気みたいだね。」
地面で三角座りをしてぼーっとしていると、
突然ふわふわとした声が頭上に降ってきた。
空を見上げていた視線をゆっくりとその人に
向けると、
眼鏡が太陽に反射して顔ははっきりとは
見えなかったけど、骨格からして多分大学生
の女の人。
「ここ、眩しすぎてやんなっちゃうよね。
んと······あそこの木陰に移動しよっか。」
柔らかい手が、私の腕を掴んだ。
「·········ちょっと熱いかも。首、触らせてもらうね。」
「あー、やっぱり熱いね。水飲めそうなら
これ飲んで。」
私は水筒を前にして、初めて自分の喉が
乾いていることに気づいた。
名前も知らない女の人から水をひったくって
思いっきり飲んだ。
「ちょ、そんなにいきなり飲んだら咽ちゃうよ。
誰も取らないし、この水はあげるからゆっくり
飲みな。
飲みきったら私の家に案内するから、もう少し
だけ頑張ろうね。」
女の人はケラケラと笑いながら
私の頭を撫でてくれた。
全部を飲み干して、喉が潤ったときに
初めてみたその人の顔は、とても美しかった。
茜色に染まる空の下で君と過ごした最高の思い出 @godetia0523
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