最終話 最期のその時まで

放課後が過ぎていくと僕とカナリアは揃って電車に乗り込んだ。

一駅分を車内で過ごしていくと降車して揃って帰路に就く。

僕の家に二人で入っていくと自室に案内した。

「適当に座っていて。飲み物とかお菓子取ってくるから」

「うん。ありがとう」

階下に降りていくとキッチンのパントリーを開いて中からお菓子を取り出していた。

飲み物はオレンジジュースをコップに注いで自室に持って向かった。

テーブル上にそれらを置くと床に腰掛けてテレビの電源をつけた。

「何観る?映画とか?」

「うん。なんでも良いよ。侍のおすすめが観たいなっ♡」

「おすすめかぁ…」

そんな言葉を漏らしながら僕は適当にサブスクの動画配信サービスをテレビに出力すると何にしようかと選んでいた。

「う〜ん。じゃあこれかな」

僕が好きな実写映画を流すとカナリアは集中するようにテレビに視線を釘付けにしていた。

数時間の映画だったのだが、僕は画面を見ると言うよりも様々な可愛らしいリアクション取るカナリアの様子を眺めていた。

どれも可愛らしい表情に思えて思わず写真を撮るとカナリアはこちらを向く。

「ん?なんか可笑しかった?」

「全然。可愛いなって思って」

「可愛くなんて…」

「いいや。可愛いよ」

断定的な言葉を口にしてウンウンと頷いてみせるとカナリアは照れくさいのか僕の胸に顔を埋めて赤くなった顔を見せないようにしていた。

だが首元まで赤く染まっているその白い肌を目にして僕は興奮のような物を覚えていた。

だがこの欲望をぶつけるには僕らはまだ付き合って時間が浅い気がしていた。

しかし…。

どういうわけかカナリアから僕にキスをしてくれるとそのままの流れで僕らはベッドに誘われていく。

そのまま二人だけの甘い時間が流れていくと僕らはもしかしたら本当の意味で一つになっていったのかもしれない。

僕とカナリアの関係はいつまでも変わることは無いだろう。

僕もいつの日かカナリアの両親に挨拶をしに行くこととなるはずだ。

例え、カナリアの両親が向こうでは立場が上の存在だったとしても…。

僕はもう臆すること無くカナリアだけは手に入れたいとそんな事を思ってしまう。

幼い頃に尺寺院家の大人に怯えていた僕ではない。

もう僕は自分の手で勝ち取りたい人をちゃんと見つけたのだ。

必ず僕はいつの日かカナリアと結婚をして幸せに過ごす。

そう心に決め込むといつまでもカナリアを大事にしようと思うのであった。



そして月日は流れて僕らは大人になっていた。

僕は海外へと渡りカナリアの両親に挨拶をすることになる。

もちろん結婚の挨拶だ。

その為に僕は高校大学と英語をしっかりと習得した。

自分の言葉で直接会話をしてコミュニケーションを図りたかったのだ。

その想いが通じたのかカナリアの両親は結婚を了承してくれたのだ。

僕は海外で職に就きカナリアの生まれ故郷に家を建てた。

そこで僕とカナリアと未来の子供達といつまでも幸せに過ごすのであった。


                 完

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転校してきた銀髪美少女は僕を侍と呼んでロックオン。どうやら僕は君だけの侍らしい… ALC @AliceCarp

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