六連星 🪼  

上月くるを

六連星 🪼 



霜の声小さく小さく顔洗ふ

沈黙で応へたつもり暖房音


高僧の法話のやすき京の冬

猛烈な寒さの後の眠さかな


雪の嶺したがへ里山なだらかに

梟にペーパーレスを告げにけり


風荒く言葉も荒くゆりかもめ

系図屋のこさへし系図冬の蜂


背筋のしなりやよしと霧氷林

冬の雲テラスも家の一部にて


木枯や喫茶かかしの窓灯り

色変へぬ松と枯木と宮の森


昼月を透かせて瑠璃や冬の空

呼び鈴はパンの商ひ冬の暮れ


太陽のにほひをはなつ冬林檎

透明なピアスきらりと冬林檎


何もなき一日の幸や室の花

寒灯に初めてのわれ発見す


ただ聴いて欲しいだけなの寒昴

ポケットの深き家着や月冴ゆる




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六連星 🪼   上月くるを @kurutan

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