第3話 ネクタイ
襟元に指を当て、あなたはネクタイの結び目を緩める。私の知らない手付きと初めて見る顔付き。見てはいけないものを見ているようで視線を逸らそうと思ったけれど、体は固く凍り付いて動かない。ネクタイはほどける。体は凍る。瞼だけは動いたので目を閉じる。闇の中に、あなたの気配をはっきり感じた。
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