第4話 毒

二人で毒を舐め合っている。苦くもなく甘くもない。救いようのない人生の嫌なところを煮詰めたような味。どうせ誰も見ていないなら、月も光らぬ夜の片隅で悪事の一つでも働けばよい。体を巡る血も凍えてしまえ。この毒に味はないはずなのに、なぜ君の舌先は甘いのか。意味深に笑って、また毒を舐める。

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