PEACH PIE POEM

 宇宙怪獣を倒した!

「おい、このビル弁償しろ!」

 む。

 ならば、ファイトマネーを出せ。

「そんなこと頼んじゃいねえよ!」

「そうだそうだ!」

 むぅ!

 飛空!

「逃げるな、おらー!」


 +


 はあ。リアリティがねえな。

 大衆か。

 俺の書き方が変なのかな。それとも特撮ヒーローにリアリティがねえのかな。

 うーん。

 はあ。

 まあ、いいや。手慰みだし。

 姉貴は、どこか行っちまった。


 +


 暇だな。あー。

 どうしよう。

 俺なー。別になー。

 金が欲しいんであって、名誉はどうでもいいな。

 あー。

 抜けてるんだろうな。

 有名にならないと金は入らないのか。面倒臭え。

 あー。正義のヒーローか。

 採算取れねえ。

 だから、リアリティがねえんだよ。


 +


 人間は金のために生きている。

 当たり前の認識だ。

 金儲けより大切なことなどない。

 文学は嘘をついているんだ。お前に、おもちゃの光線銃を買わせるためにな。

 俺は嘘に飽きた。

 もっと面白い嘘をついてみろ。

 嘘をつくのが仕事だろう。

 たった1種類の嘘しかつけないとは何事だ。

 おら。歌ってみろ。

 何かやれ。何か言え。

 俺が金を出したくなるようなホラ話をしてみせろ。


 +


 大冒険とか要らねえんだよ。

 どうせ死ぬ。

 当たり前の話だ。

 故郷を飛び出るような奴は、ろくでなしだ。決まってるんだ。

 計画性がないから野垂れ死ぬ。

 冒険は、もう書くな。

 何だ。このキラーグレートモンキーって。

 どの程度強いのか分からないんだよ。オリジナルモンスター。

 これ強いの? 弱いの?

 それが分からないから、お前の主人公強いのかどうか分かんない。

 いいか。

 西遊記なんか誰も知らん。

 封神演義も誰も読まん。

 しかし、三国志は読まれてる。

 戦争物だからだ。

 殴り合いはどうでもいい。


 +


 いいか。

 小説とはノウハウ本だ。

 漫画は小説の書き方のノウハウ本だ。

 小説はリアル社会のノウハウ本だ。いや、違うな。

 小説はショートショートを書くためのノウハウ本だ。

 小説を売り付けるべき相手はSNSユーザーだ。

 投稿サイトもSNSだ。


 +


 西遊記と封神演義か。

 これな。最強キャラの使いパシリなんだよな。

 てか、勝敗が決まってる。と言うか、皆、知ってる。

 三蔵法師はお経を持って帰ったし、周は殷に勝った。

 あー。

 歴史的に見れば大したことないんだよな。

 中国に仏教根付かなかったし。

 孫悟空はハヌマーンのパクリだし。

 周って何年で滅びたっけ?

 紂王レベルの悪王、その後の時代でも、ごろごろ出たし。

 大したことない。殷周革命。

 同じ穴の狢だったで終わるんだよな。

 そう。

 人間なんて偉くない。

 金を持てば腐敗する。

 貧民も別に偉くない。

 喰うために必死に働いてるだけ。

 金を持てば酒池肉林。

 大した奴なんて、いない。

 歴史が証明してるんだ。

 人間はゴミだ。

 人間の素晴らしさ?

 それはホラだ。

 まあ、ホラをホラと分かって楽しむのは別にいいんだけどな。

 けどなー。

 ガチで人間は素晴らしいとか、ほざく奴がいたら笑うわ。

 お前、歴史の時間、寝てたのかって。

 人間礼賛の時代は終わりだ。インターネットが終わらせた。

 さあ。サーティーンちゃんねるを見に行こう。

 あそこにいるのが君の隣人だよ。


 +


 人間を信用するな。

 100円貸してくれ。

 120円にして返してやろう。

 1000円貸してくれ。

 1200円にして返してやろう。

 1兆円貸してくれ。

 1兆2000億円にして返してやろう。

 けっけっけ。


 +


 信用とは何か。

 ギャンブラーの誤謬だ。

 信頼に応えた。信頼に応えた。信頼に応えた。

 次も信頼に応えてくれるに違いない?

 のろま!

 そろそろ裏切る頃合いだと疑え。

 人間関係は騙し合いだ。


 +


 いいか。

 人間は生物の頂点だ。

 隣のオッサンは、ライオンよりも手強い敵だ。

 豹よりも。虎よりもだ。

 苛政は虎よりも何だっけか。

 日本は民主主義国家だ。

 支配者は人民だ。

 お前が貧乏なのは、隣のオッサンのせいなんだ。


 +


 更に言おうか。

 支配者は失政したら死ね。

 日本は民主主義国家だ。

 政治に失敗したら死ね。

 誰も責任を取らなくていい体制?

 逆だ。

 皆殺しだ。

 失政したらな。民衆をだ。

 選挙で選ばれただけの奴らは、どうなるんだろうな。


 +


 人生なんて、どうでもいいんだよな。

 つまり小説も、どうでもいいんだ。

 面白いのは戦争だ。

 生き残る文学は戦争文学だけだ。

 イリアス、ベイオウルフ、シャルルマーニュ伝説、三国志、平家物語。

 恋愛かよ。どうしようもねえな。

 いいか。

 周りの連中は「お前ら」なんだよ。

 平和な世界なんて、作れるわけねえだろ。


 +


 戦争は何故起こるのか。

 選挙に勝つためだ。

 独裁国家でも選挙はあるんだ。

 民主選挙でないだけだ。

 エリート選挙なんだ。

 生き残るためには戦果が要る。

 戦争は必要悪かどうか?

 そういう「青い」話題には興味ない。

 もう戦争は起きている。

 どうなるんだろうな。


 +


 独裁者だって人の子だ。

 そりゃ死にたくないだろうな。

 独裁者以外に仕事がなかっただけだ。

 元独裁者なんて、どこの会社でも雇わねえよ。

 給料いくら出さないといけないんだ。

 あーあ。

 彼らにギロチンにかかれと強制する権利はねえ。


 +


 いいか。充分恩恵受けただろう。

 お前の小汚い祖父母に年金払ってくれたのは誰だ。

 おかげで、お前は大学行けただろうが。

 祖父母の年金分だけは働け。

 特殊スキルがないならマシンガンを習え。ボーイ。


 +


 あー。不謹慎だな。

 と言うか、テレビを観ないから何がどうなってるのか分からん。

 小説の極意?

 寝ぼけるな。

 世界は刻一刻と変わる。

 必要とされる小説は変わる。

 小説か。

 さて。

 本なんて必要かな。これからの時代。


 +


 ゲームが無限にある世界。

 何と言うか、こんなにつまらないとは思わなかった。

 どれも作業。

 退屈。

 そう。

 RPGのミニゲームじゃないと面白くないんだよ。

 勝つと最強アイテムが手に入る。

 これに慣れ過ぎた。

 パズル? 検索すればいい。

 チェス? コンピュータの方が強いよ。

 いいか。チェスに強いことは強くない。

 チェスを極めようとした奴は、人生を遊びで生きていたんだ。

 断罪。

 スポーツも遊びだよ。


 +


 ハクスラか。RPGの本質はそれだった。

 面白いゲームだった。

 そう。ゲームだった。

 現実に、そんなものはない。

 婚活アプリ?

 これも宝探しだ。

 理想の異性を探してるんだ。

 あるわけねーだろ。


 +


 金か。

 紙切れに変わる日が楽しみだ。

 働く人間が偉い。

 それを歪めてはいけない。

 年金暮らし?

 政府が死ねと言ったら死ね。

 貯金?

 国が潰れないことに人生BETするんだね?

 OK。賽は投げられた。

 どんな目が出ても恨むなよ。


 +


 人生は博打だ。

 負け分を返して欲しい? それは他の人の「勝ち分」なんだ。

 負けを踏み倒そうとするのは「強盗」だ。

 強盗犯は、その場で射殺していい。


 +


 この世は賭場だ。

 勝った奴だけが次のステージに進める。

 負けたら退場。

 ごねてるんじゃねーよ。

 賭博はビジネスとは違うんだ。

 今後の友好関係とかねーんだよ。

 負けた奴は人間じゃねえ。

 獣と社交パーティーする奴はいねえ。臭いが移る。

 賭博は神聖なんだ。

 この世はギャンブルだからこそ「人生は尊い」んだ。

 イカサマは神への冒涜だ。

 正々堂々戦え。

 言い直そう。

 この世はコロッセウムだ。

 俺たちはグラディエーターだ。

 ただし、戦う相手は「お客様」だ。

 お客様が「要らない」と言ったら、それは神の声だ。

 黙って死ね。


 +


 博打は正義だ。

 勝ったら勝ち分を保証してくれるからだ。

 ごねる負け犬は、胴元が殺してくれるからだ。

 博打は正しい。

 負けたら死ね。

 死ぬのは怖いさ。

 だけど、生きるのは疲れた。

 人生が楽しい?

 こんなに不幸な人がいるのにか?

 俺は負け犬には同情しない。

 だけど、いつか自分が負けるんだという想像力はある。

 一寸先は闇。明日は我が身。

 勝った金で酒なんか飲めるかよ。

 勝負、勝負、また勝負。

 負けてもいいように、普段から節約は怠らない。

 金?

 これは残りライフなんだ。

 残機を減らしたくない。

 なるべくならノーミスクリアを。

 まあ、初見ゲームだから無理だけどな。

 ただし、インターネットアフターだ。

 アルバイターの末路は皆知ってる。

 同情はされない。

 ネットで記事を見ていないのが悪いんだ。

 情弱乙 VS 金貸してください。

 今はこういう時代なんだよ。OK?


 +


 勇者って、ただの魔法戦士なんだよな。

 中途半端な奴だから、プロフェッショナルの仲間が要るんだよ。

 便利だけどね。勇者。

 あー。

 脳筋でもないし魔法型でもないから、魔法戦士がパーティーリーダーには向いているんだろうな。RPG世界では。


 +


 魔法戦士か。

 回復魔法が使えりゃ充分なんだよな。移動中に。

 戦闘は殴れ。

 魔法戦士は殴り要員だ。

 バフ?

 ターン数がもったいない。

 ただし、敵を視認してからバトルまでにタイムラグがあるゲームは別。

 便利魔法を、いくつか憶えていてもいい。

 あー。

 タクティカル型RPGって言えば分かるか。

 攻撃魔法は要らないが、筋力アップ魔法は鍛えていい。

 ソロなら魔法使い一択だと思うがね。全体攻撃出来るから。

 敵がソロでしか出て来ないRPGなら、逆に戦士一択だ。


 +


 えーとな。

 MP回復アイテムはあるか?

 ないなら魔法使いは要らない。弱っちいだけだ。

 道中の雑魚モンスターを蹴散らすのが魔法使いの仕事だ。

 ボス戦ではお荷物。

 MP回復アイテムがないなら、神官が2人いた方がいいな。


 +


 常識を疑え。経験を信じろ。

 ただし、試行錯誤した後にだ。

 経験値の少ない奴は、何をやっても駄目だ。

 こんな言葉がある。

 下手の考え、休むに似たり。

 潔く負けろ。

 賭けなければいいんだ。

 勉強して再戦するも良し。才能がないと諦めるも良し。

 いいか。

 難しいことに挑戦するな。

 それは絶対に「チーム」に負ける。

 逆も言おう。

 簡単なことは1人でやれ。

 チームを作るな。

 チキン野郎と思われる。

 この程度のお使いも1人で出来ないのかってな。


 +


 いいか。

 チキンと思われたら人生は終わりだ。

 ただし、情報を仕入れたせいで尻込みするのはいいんだ。

 剃刀を持ったオランウータンがいる? これは外出する方がおかしい。

 しかし、犯人不明だったら?

 まあ、どうせ怨恨だろう。自分が狙われることはない。

 これが「普通」だ。

「独特ですわね」

 帰って来たのか。姉ちゃん。

 話すネタなんかねえぞ。

「そうね。死にフラグを立ててもらわないと話が転がらないわ」

 そうか。変な所に同意をもらえたな。

「人間は楽天的な生き物よ」

 はあ。言える。

「どうすればいいかしらね」

 腹案はないのか。

 はあ。

 俺がアイディアを出すと「楽観」してるな。

「ああ、そうね。言える」

 ふんふん。

 確かにアイディアを出しちまった。

 なんだよな。

 銃弾飛び交う戦場でもあるまいし。

 次の行動なんて、カラオケ行くか行かないかくらいのノリで決めるよな。人間は。

「まじそれ」

 はあん。

 あー。

 ピンチになりそうでピンチになったら、普通だな。

「はあ」

 何ともない日常なのにピンチにならないと、意外性がない。

「そうね。でもね。ボイロック」

 うん。

「意外性って本当に必要?」

 ほう。

「顧客って温いのかしら」

 あー。

 俺はレベルの低い客は切りたい。

 味の分かる客とだけ真剣勝負したいな。

「板前ねえ」

 しがないコックさ。

「それじゃ駄目なの。俗物が最大多数派なの。金を出さない俗物は切っていいけど」

 はあん。深いな。


 +


 ――ピンチになりそうでピンチになったら普通だな。

 ボイロック。

 これね。

 阿呆だなと言うべきだわ。

「あ」

 なの。

 ピンチになりそうだったら、もっと非道いピンチにするのよ。

 でないと駄目。

 と言うか。

 バトルは古い。

 誰でも書ける。

 頭使わないからね。

 先読み。

 危険を避けるのが戦いになるの。

「ほう」

 読み合いなのよ。

 ピンチが起きてから「何ぃ!」とか言ってる奴、要らねえの。

「はあはあ」

 温いのよ。

 あー。

 作戦会議小説。

 これなら会話を一杯書ける。

「はあん。いや、しかしだな」

 何。

「作戦会議なんて、リアルでやらないよ」

 まあね。

 お父様の母校でもあるまいし。

「ふうん。姉ちゃん、親父好き?」

 愛してる。

 国家を信用しなくなったお父様、美しいわ。


 +


 国家って人間のことなんだよ。姉ちゃん。

「まあね」

 俺、大ポカしたんだわ。だから、自分が信じられない。

「いいことだわ」

 俺より努力してない格下のゴミクズどもは、もっともっと信じられない。

「ふうん」

 俺より格下が圧倒的に多いから、俺は人類を信じない。

 人間の集合体である国家のことも信じない。

 国家? 所詮は1人1人の人間だ。

「なのね」

 なんだよ。

 俺は自惚れてないんだよ。

 そして平等主義者なんだよ。

 他人も信用してないんだよ。

 だから、国家を信用してないんだ。

 俺は平等主義者だから国家を信用しないんだ。

 偉大な総統様なんて、いるわけねーだろ。

 この努力家の俺ですら、へまをするのに。

「立派」

 何だ。その反応は。

「そうね。人間どうせ、へまするわ」

 そうそう。

 それに――老いる。

「それね」

 人は老いる。

 どんどん能力値が下がってく。

 信用ならんと言うか。

「そうなるのね」


 +


 あー。

 勇者が魔法戦士か。合っているな。

 あー。

 うーん。

 魔法ね。

 中途半端な魔法しかないわけよ。

 優秀な魔法か。

 あー。

 全体攻撃魔法なのよ。

 それ以外は物理でいいのよね。

 敵が全体攻撃魔法を使って来る。

 先手打って魔法で殺す。

 これね。

 リアルでは距離を取っているの。

 至近距離で爆撃魔法撃ち合う馬鹿はいないわ。

 だからねー。小説の魔法使いって不遇。

 あり得るわけないのよ。魔法戦なんて。

 火の玉喰らうだけで人間致命傷よ。

 皮膚移植が必要になるのよ。

 魔法ってオーバーキルなの。リアルに考えると。

 壁1つ吹っ飛ばす魔法?

 ねーわ。

 先に詠唱した者勝ち。

 先手必勝ゲームなの。


 +


 ボイロックだ。

 戦士か。

 はあ。

 これな。

 レベル1加入が当たり前だと思うんだよな。

 実戦経験ないとレベルなんて上がらないだろう。

 何考えてるんだろうな。温い修業で剣聖とか。

 乗っかるなよ。否定しろよ。

 魔物と命のやり取りを3日くらい続けて、ようやくレベル3だ。


 +


 サクリファイスです。

 剣聖ね。

 肩書きは噛ませ。

 以上。

 Sランク冒険者とかにも言えるわ。

 全滅エンドでしょうね。

 最期まで読む必要ないわ。


 +


 姉ちゃんはきっついな。

 同感だけどよ。

 スローライフってのもあったな。

 殺人鬼が襲って来ないと嘘だ。

 チェーンソー、チェーンソー。


 +


 他に何があるかしら。悪役令嬢?

 はあ。ゲーム世界転生か。

 はあ。

 転生させた神様が黒幕でしょう?

 神様をやっつけないと、ハッピーエンドの直後に、また最初からリトライさせられるわよ。しかも、難易度が一段階上がって。

「あ、賛同」


 +


 なんだよな。

 特殊スキルとか、悪魔との契約に決まってるし。

 ゲーム世界のパロディって、悪魔の見せてる幻覚としか思えないんだよなあ。

『無双したいという夢が叶ったでしょう? さあ、魂をちょうだいします』

 これ以外のオチってあるのか。

「はあ。1票」


 +


 ねえ、悪魔に魂を取られるって、どういうことだと思う?

「拷問される」

 それよね。

「痛いんだろうな」

 八つ裂きかしら。

「水責めかなあ」

 鉄の処女かしら。

 あーあ。

 うーん。

 悪魔との契約ね。チート無双。

 それ以外のオチないわ。

「おあとがよろしいようで」

 まだ、もうちょっと待って。

 あー。

 オッサン主人公ブームをどう思う?

「安直」

 安直?

「ラノベ読者の高齢化が進んでるから、オッサンを主人公にしてみよう」

 はあん。

「主人公はティーンだよ。20になったら子供いないと」

 ふーん。

 そうなのね。やっぱり小説って、ティーン向けなのね。

 私は英霊サクリファイス。

 生前の名はミネルヴァ=グーテンベルクと言ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

BOY BE BOY アレクラルク=ネレイア=CMC @alecralk_n_cmc

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ