ODD NUMBER BOM

 レモンって漢字で書けるか?

「無理」

 ドクロって漢字で書けるか?

「無理。何が言いたいの?」

 漢字書き取りテストってエンタメにならないかな。

「スマホで調べりゃいいじゃんが加速するだけね」

 なーるほど。

 世の中やっぱり、テクロノジーについて来れてないんだな。


 +


 恋愛が嘘っぱちだと証明されたのよ。

「はあ。まとめサイト?」

 そう。

 恋愛って嘘だったのよ。

「まあね。識者は薄々」

 でしょうね。

 あんなもの。

「真に受ける方がどうかしてら」

 本当にね。

 恋?

 愛?

 これギャグなの。

「まったくだ」

 頭おかしい。

「まったくだよな」

 他人に人生預けるだとか。

「怖くて出来ない」

 本当、それ。

 世の中、実力勝負よ。

 異性を捕まえるのは、わたくし事。

 国が補填してやる義務ないわ。


 +


 あのさ。

「なーに」

 どういう男が嫌い。

「全てが敵よ。男も女も」

 流石、我が姉だ。

 だよな。

 人を好きになる?

 裏切られたらどうする。

「まったくよ」

 頭おかしいな。恋愛主義者。

「なのよ」

 ソロプレイの方が経験値入るな。

「なのよ」

 難しいことに挑戦しろ。

「当然ね」

 で、こういうことを言ってると――

「皆がお前になったらどうすると言い出す馬鹿が出て来る」

 それ。

「出て来るわけないでしょう。こっちは『上』なのよ」

 本当、それ。

 身の程知って欲しいよな。たかが会社の部長クラスで天下獲った気になってるおっさん。てめえの人生は間違ってるんだよ。

「どうしようもないわね」

 何でソロで生きるのが怖いんだ。

 裏切られる心配がなくて最高じゃないか。

「フリーライダーだからよ」

 はあん。寄生虫か。

 そうかそうか。

 寄生虫どもにはお一人様が流行ってもらっちゃ困るわな。

「無用の心配だけどね」

 そうともよ。選ばれた者だけの特権だよ。

「お前らみたいなの相手にしてないのに」

 本当、困る。

 自意識過剰の豚。


 +


 幸せになりたいというのが理解出来ない。

「ああ。幸せってデマゴーグだしな」

 なのよ。抽象語なのよ。

 具体的に何それ?

「何でもない」

 なのよ。

 どこにもないという意味のユートピアと同じ概念なのよ。

「どうしてデマを真に受けるんだろう」

 響きがいいから。

「はあ?」

 響きのいい言葉は「いい意味の言葉」なのよ。

 猿にとっては。

「せめて大衆と言ってやれ」

 ふーん。

 お前、優しいわね。ボイロック。

「大衆を騙すために、いい響きにしてるのになあ」

 ねー。

「何でこんな簡単なからくりに気付かない?」

 甘えん坊なの。

「ああ。40過ぎたら人生詰み」

 仕方ないわね。馬鹿だから。

「ああ。馬鹿には消えてもらわないと示しがつかない」

 どうしようもないわ。

 愛してたわ。人々を。

 だけど、40過ぎてもこれなのか。

 ないわー。


 +


 子供のしたことだから仕方ない。

 これって大人になってからツケ払わされるんだよなあ。

「なのよね」

 悪いことをしたら殴られる方が幸せなのに。

「そうね」

 幸せか。

 報いのある世界。

「それね」

 頑張った頑張ったうるせえクソは沈めてえな。

「許可」

 どうでもいいんだよな。お前の頑張りなんて。

「そうよ。必要なのは成果」

 当たり前。

「頑張りを評価? 全員『頑張った』って言うに決まってるわ」

 当たり前。

 目に見える成果で差をつけろ。

「なのよね」


 +


 どうして大衆は甘ったれなの。

「王様だからさ」

 民主主義か。

「批判されることはないと思ってる」

 どうしようもないわね。

 そろそろ国が滅ぶかしら。

「まあ、俺たちには関係ないし」

 本当ね。

 まったく以ってどうでもいい。

 日常系?

 こんな安楽お気楽な生活が永遠に続くと思うわけ?

「報いは受けろ」

 まったくね。

「戦に備えないのが悪い」

 なのよね。

 戦か。

 これね。

 一般人を大量処分する大チャンスなのよ。

「それそれ」

 まったく。


 +


 犬猫ですら。

「なのよね。可哀想」

 人間なんて。

「まったくよ」

 可哀想にな。動物。

「そうね。自然が破壊されちゃって」

 人間は何人死んでもどうでもいい。

「お前の【ビースト・ハンター】で狩る?」

 はん!

 もったいない。

 銃で充分。

「そうなのか」

 まったくよう。

「私はどうでもいいわね。あーあ。これ自分には効かないのよ」

 どうしような。


 +


 どうして人間を価値ある物と思うのかしら。

「我田引水」

 そうね。

 情けないったら。

「謙遜しろよ」

 まったくだわ。


 +


 キリスト教では自然は人間に奉仕するために作られたんだと。

「ああ、知ってる」

 どう思う?

「逆だと思うわ」

 なのか。姉貴。

「人間なんて3万年後には滅んでるわよ」

 ひでえこと言うな。

「別に。関係ないし」

 まあね。

 10万年くらい栄華を味わえば充分だよな。


 +


 幸せって何だと思う。

「馬鹿を観察すること」

 あー。

 あー。

 あちゃー。

 困ったことに同感なのよ。

 でも、ちょっと違うわね。

 馬鹿は怖いわ。

「まあな」

 アイツら何と言うか。

「口をくちゃくちゃさせてるよな」

 牛なのかしら。

「遺伝子レベルで違うと思う」

 それはないと思うけど。

「やたらと威嚇して来る」

 それはある。

 達人は戦闘を避けるんだけど。

「多分職場で役職がないんだろ」

 ああ。

 納得行った。


 +


 万年平かどうかくらい入社1年目で気付けよ。

「きついこと言うわね」

 先輩20人いるじゃねえか。係長は10人くらいじゃねえか。

「ふうん」

 昇進神話を信じるな。

「神話なのか」

 神話だよ。あり得ねえ。

 リアリティのないこと。

「まあ、言える」

 会社は株主の物だ。

「なのね」

 金を出してる奴が偉い。

 当たり前の原則だ。

「ぶれないなー」

 数百万ぶっ込んでるんだぞ。

 サボったら殺す。

「なのか」

 株式会社は社員を「守らない」のが義務だ。

「それね」

 お客様は株主様だからだよ。

「言えるわ」

 自分の給料がどこから出て来るか分からない馬鹿社員は切れ。

 購買層を大事にする社員は35くらいまで置いてやってもいい。

「そうなるのねー」


 +


 まあ、お金がお金を産むのよね。

「鉄はタダでは買えない」

 名言だわ。

「この仕事しくじったら、いくら賠償していただけるので?」

 それよね。

 素寒貧がやる気だけあっても意味ないのよ。

「賠償金をいくら払えるか。これが『社会的信用』だ」

 ふぅん。

 そのために家買うのか。

「家な」

 欲しい?

「どうでも」

 うん。

「でも、本は買いたいな。ゲームも」

 ふぅん。

「倉庫が欲しい。家はボロ家でいい」

 うーん。

 清貧ねえ。

「憧れる」

 そっか。

「欲深い女を切り捨てる。ああ、俺って美しい」

 それね。

 あー。

 女は冷え性なのよ。

「ほう?」

 隙間風吹く家は困るわ。

「はー。それは新説」

 ボロ家の方がいいの?

「俺の心が美しいと証明出来る」

 あー。

 困った弟だわ。


 +


 うーんとさ。

 スノッブになりたくねえんだよ。

「俗物に?」

 ああ。

 これで終わるんだ。俺の言いたいことは。

 何ちゃらの金時計とか。外車とか。

 下品な成金御用達じゃねーか。

「マスコミの逆をやりたいの? お前」

 あー。

 ある。

 それはある。

 だって醜いんだもん。アイツら。

 どうしようもねえ。テレビ好きー。

「うーん」

 何であんなガラクタに金落とす気になるの?

「試してみたの?」

 経験則で知ってる。

 CMのアレとアレとかショボいって。

「うん。まあね」

 期待外れもはなはだしい。

 CMを打つとは、黙っていては誰も買わないってことだ。

「相変わらず」

 おう。俺は美しい。

 まったくよー。

 何で懲りないんだ。

「それね」

 普通は2・3品買ったらマスコミを疑い始めるだろ。

「生活レベルが低いんだと思う」

 はあん。

 アレとかアレとかがマジで美味しいと思える味覚なのか。

「可哀想よ」

 本音は。

「下民の前でそんなこと言っちゃ駄目よ」

 言わねえよ。

 俺ら2人とも幽霊じゃねえか。まだ。


 +


 マスコミが王様かなあ。

「民衆が王様。マスコミは悪の宰相」

 はー。

 宰相か。なるほど。

 いざとなったら、バックレて逃げるのね。

「それそれ」

 ふーん。

 あー。

 バックラーとかあったなあ。

「労働はつらい」

 まあね。

 バイト初体験か。

 ニートにはショックでしょうねえ。

 職場でモンハントとかの話をするつもりだったのよ。きっと。

「言えてら」

 友達作りに来ないで欲しいわ。

 ああいう連中、本当迷惑。

「まったく」

 友達なんて自然消滅するのが当たり前よ。

 受験頑張ってない奴らは、社会人になってから気付くのね。

「あー」

 本当。学生時代ってランクが出るわ。

 ようやるわ。友達ね。

 笑い飛ばしたいのよ。

 いい歳こいて友達友達。

「まあね」

 友達に連帯保証人にさせられたとか定型句じゃない。

 頭おかしいにも程がある。

「まったく」

 あー。

 小説批判に戻る?

「どっちでもいい」


 +


 小説な。

 友達関係なんか書かれても困るんだよな。

 くっつかねえのかよ。

「それ」

 男女がくっつけば、子供が出来て続編チャンス。

「なのよ。商業展開的に同性の友情って間違ってるのよ」

 百合は駄目か。

「BLの周回遅れね」

 はあん。そうか。

 BLを嗜むお姉様は、百合豚だったのか。

「まあね」

 男のいない世界。

「ある意味、尊敬はするわ」

 百合かあ。

「しないわよ?」

 いや、どっちでもいいけど。

 姉貴の家系なんかどうでもいいよ。

「でしょうね」

 

 +


 で、あっという間にネタがなくなったわ。

 しり取り大喜利。

 面白いルールを考えて。

「えー」

 私から。

 ピを使ってはいけない。

「それ意味あるのか」

 パピプペポにしましょうか。

「あー。やってみるか」

 私から。

 コールドゲーム。

「ムスク」

 クマゲラ。

「乱獲」

 楠木。

「麒麟児」

 人格。

「くらげ」

 げっ歯類。

「陰謀」

 裏表。

「天才」

 微妙ね。

 お前もルール1つ付け加えて。

「はあ」

 何がいい。

「あいうえお禁止」

 天才からなんだけど……。

 仕切り直し?

「ああ」

 えーと。

 お前から。

「豚肉」

 栗。

「リバース」

 伸ばす音はありか。

 砂。

「情け」

 蹴鞠。

「力士」

 調べる。

「ルノワール」

 ルール。

「ルックス」

 酢昆布。

 駄目ね。

 制限時間いるわ。

「まあな」

 何?

「5つしり取りとかどうよ?」

 5つ?

「単語5つを言う。被ったらアウト」

 うわ。

 遠慮しておく。

 人間の記憶力ってそこまで優秀じゃないわ。

「まあな」

 実験。

 軒下。

 太陽。

 馬。

 マントヒヒ。

 ヒール。

「ルール。ルノワール。ルビー。ビール。ルックス」

 うーん。

 砂肝。

 盛り蕎麦。

 バトンタッチ。

 チリペッパー。

 パートタイマー。

「はあ」

 きつい。これ。

「マーメイド。毒。蜘蛛。モロヘイヤ。ヤンバルクイナ」

 やめましょう。

 本当、きつい。これ。

「まったくだ」


 +


 友達って欲しいか?

「お金たかられるだけだわ」

 なんだよな。

 大人になったら子供にお金使えよ。

「なのよ」

 作る予定ないけど。

「ないわね」

 いい相手とかいないのか。

「死んでる」

 まあね。

「本当にどうでもいいわ。日本人。いい加減テレビの洗脳から覚めなさいよ。インターネットもテレビ2号よ」

 馬鹿芸人がぎゃあぎゃあしてた頃が面白かったな。

「本当。目立ちたがりって、いつの間にか消えちゃった」

 アイツらどこ行ったんだろう。

「別にどこでも」

 刑務所でもいいやと言いたげだな。

「まあ、どっちでもいいわ」

 まあね。

 本当にな。

 ようやる。面白いけど。

 面白さには2種類あるんだよな。

 無料の面白さと金払いたくなる面白さ。

 芸能人って格下だよな。あらゆる業種より。

「ま、1つの識見ね」

 どうも。姉ちゃん。


 +


 5つしり取りか。

 これ必勝法あるかな?

 うっかり「ん」を言いそうになるのよ。これ。

 3秒詰まったらアウトとかのルール要るわ。

「どうでもいい」

 そう。

 興味ないのか。

 話題がないのよ。この弟と。


 +


 話題な。

 話題がないならゲームでもやってりゃいいよ。

 これ創作論。

 オリジナルのクソゲーを作るんだ。

「この弟は……」

 本当に話題がねえな。たかが姉弟。

 男女の話題なんて、子供のことしかねえんだよ。

「まあね」

 誤魔化してもしょうがねえんだよ。

 人間と人間は敵なんだ。

 たとえ親子だろうがだ。

「まったくね」

 敵同士の会話?

 これマウント合戦つーか。

 ふむ?

 日本人ようやく戦争に目覚めたらしいな。

 マウントなんて言葉が生まれたからには。

「そう来るか」

 外交な。

 武力の優位を見せつける。

 これどうなんだろう。

「殺すつもりはないわ」

 はあん。

 だな。

 隠す。殺す気なら。

「やっぱり温いのね。お人好しだから死んでいいのよ。日本人」

 まあな。

 お人好しってソイツの人格を認めてないってことなんだ。

 相手は前科10犯かも知れないだろう。どうして優しくする。

 身元も確かでない人間に。

「なのよ。2代目って馬鹿だから、『外』の人間に『内』の人間の対応をするの」

 はあん。

 親の猿真似か。

「なのよ。で、親も親で馬鹿だから、ウチの子供の友達なら身元は確かだろうと、寝言をほざくの」

 親子2代で馬鹿なのか。

 てか、寄生虫なのか。

「なのよ。寄生虫って馴れ馴れしいの」

 だろうなあ。原理的に。


 +


 寄生虫かあ。

 まあ、文章見てると大した奴じゃないのが分かる。

「駄目な作家って?」

 そうね。

 情景描写が過大な作家。

 プロは「俺は死んだ」から入るわ。

「はあ」

 何が言いたい。

「タイトルは?」

 はあ。

 タイトル?

 あー。

 難しい。

 そうね。

 少なくとも投稿サイトのタイトルは商業では通用しないわ。

「だろうなあ」

 そうね。ゲームをしましょう。

 悪役令嬢に転生した俺が第1王子に転生した実の姉貴にファーストキスを奪われた。

「おい」

 これを商業で通用するようにしてみて。

「いや、通用すると思う」

 ほう。

「てか、いじりようがねえよ」

 はあ。

「ただし、キスシーンで読者はもう読むのをやめる」

 あ。

 そうかそうか。

 どうすればいいのかしら。

「姉貴が主人公だろう」

 困った。

「RPGの王様のごとく進捗の報告を待ってるだけだ」

 あー。

 それか。

 それだったのか。

 言いたかったことを言ってくれてすっきりした。

 専業主婦って王様なんだな。

 どうしようもない。

 魂の成長のためだ。

 日本よ。どんどん貧困国になれ。

「マイシスター戦記とか」

 妹が12人でもおかしくないわ。

「マイシスター王子様」

 あ、それなら通用する。

 でも、買わない。

「買わねえな」

 そっちからお題ない?

「そこまで読み込んでない。素人小説」

 はあ。

 うーん。

 悪役令嬢に転生したけど公爵家の重みが庶民に分かって?

「傑作だ」

 ありがとう。

 ただしアレね。

「悪役だな」

 うん。

 悪役をヒーローにするか。難題だな。

「悪役令嬢 VS 戦隊ヒーロー」

 幹部なのか。

「うん。お互い正体に気付いてない」

 中世ロマンスだからいいのよ。

「あー」

 それにしても古代中華物は薬師多いわね。

「漢方の本場だからな」

 効くのかしら。アレ。

「鰯の頭も何とやら」

 あーあ。

「俺に言わせりゃ、薬師の女の子? エロゲにいるよ。超有名な子が」

 あ、あれか。

 主人公がラスボスのアレ。

「それ」

 なるほどな。

 どうでもいいわけだ。

 やっぱり小説ってエロゲの周回遅れなのか。


 +


 あー。

 古いエロゲを買い直してえ。

 数千円に目がくらんで売るんじゃなかった。

 ストーリーは大体覚えてるんだけどさ。

「ねえ」

 はい。

「ラノベのストーリーって憶えてる?」

 あー。

 キャラの登場シーンは憶えてる。

「なのよね」

 何が言いたいんですか。お姉様。

「ラノベって『名言集』なのよ」

 はあ。

 まあね。

 台詞だけは威勢がいい。

 スペックはプーだけど。

「まったく」

 スペックはプーなんだよ。

 だから、決め台詞が輝くんだ。

「本当に弱いのよね。主人公たち」

 まあな。

 強かったら苦戦しないし。

 宿痾では?

「甘えてる」

 そうですか。

 どうしろと?

「強い奴ほど勝てない敵を出すの。つまり民衆が敵」

 いやー。

 無茶苦茶言うなあ。ウチの姉ちゃん。

 民衆と敵対かあ。

 まあ、やらないで批判するのもアレだから書いてみるか。

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