アメリカでは『金髪=バカ&びっち』という認識。古事記にも書いている。

どうもその風潮は、アメリカ開闢からだとか、金髪に染められるようになった近代から……というものではないらしい。


ローマ帝国時代まで遡り、そういう風潮を脈々と今に引き継いだそうだ。


もともと金髪は、産まれてまもないころの西洋人の子供が持っている特徴で、純粋さを意味していた。だがその純粋さを、娼婦がマネして金髪に染め上げことにより、意味がまったく逆転してしまったのである。











以下引用元。


『ウーマンウォッチング the naked woman』著:デズモンド・モリス 訳:常盤新平 2007 小学館 p46,47より



ローマ時代でもブロンドの魅力は、穢れのない処女の魅力をとどめるとは限らなかった。カツラや染髪の不自然さは、髪を薄い色にする象徴的な価値を下げた。ある時代には、ブロンドは、無垢な女らしさではなく、娼婦の性行動と同義語になった。それは売春婦のしるしになったのである。

 古代ローマの売春婦は入念に組織されていた。免許と納税が義務づけられ、ブロンドの髪にすることが法律で決められていた。クラウディウス皇帝の第三夫人だった奔放なニンフォマニアのメッサリーナは、見知らぬ男と出合いがしらの獣のようなセックスを思うだけで興奮し、夜間に売春婦のカツラをかぶってこっそり抜け出し、街をうろついた。彼女の性行為はあまりに激しかったので、噂ではしばしばブロンドのカツラをはずして、すぐに本人だとわかる格好で宮殿に戻ってきたという。

 上流社会の女性たちはまもなく彼女をまねて、立法者たちはこの風潮を食いとめるのに無力だった。ブロンドのカツラを売春婦に義務づける法律は廃れたが、今やブロンドから連想される淫らやふしだらの要素は何世紀にもわたって生き残り、金髪の処女の無垢と対照をなす反対の要素として何度も再浮上した。通常、本物のブロンドは天使で、にせのブロンドはふしだらだという対比がなされた。

 ブロンドのカツラをかぶった女性たちが欲望をそそるように見せるのに労をいとわなかったという事実は、彼女たちがセックスしか考えていないことを意味した。行きすぎて、それゆえににせもののブロンドは、典型的なプレイガール、ブロンドの娼婦、スウィンガー、かわいこちゃん(ドリー・バード)、莫連女になった。どの時代にも彼女の呼び名があり、どの時代にもスーパー・ブロンドがいた。

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