第20評 灰眼の刑事、そして花言葉~U.N Owen~

作品名:灰眼の刑事、そして花言葉

https://kakuyomu.jp/works/16817330654146395546/episodes/16817330654192155211

作者:U.N Owen

https://kakuyomu.jp/users/1921310




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

冬という季節に漂う哀愁がにじみ出てて良かったと思います。文章は程よく改行されており読みやすかったです。ただ、少しだけ気になる部分がありました。「永澤は必死に捜査した。優子ちゃんの父親として、警察官として。しかし優子ちゃんは遺体で発見された。鬼と化した永澤は不眠不休で犯人を追走し、その手で犯人を二人とも逮捕した。彼は悲劇のヒーローとしてマスコミに報道され、それに押される形で異例の大昇級が行われた。」という文がありますが、何と言いますか伊藤優子ちゃんの父親=永澤であるという情報はこの物語の核となる部分ですので、サラッと語るよりかは、もっと物語が大きく動き出しそうな部分において開示されると深みが増すのではないかと感じます。永澤の怒りの描写、犯人を逮捕するまでの流れは省略せずに丁寧に書くべきだと思います。あと1話の流れとして、妻との出会いや子煩悩な永澤のシーンの方を殺人事件よりも先に書いた方がいいと思います。その方が時系列順に物語が進むので、読者の取っ掛かりも良くなると思われます。細かい疑問点を上げるとキリがないですが、2つほど例示すると、伊藤と永澤の名字が違うのと、異例の大昇級というフレーズに違和感を感じました。




●2話

「お前が百年に一人の天才だとすると、奴は千年に一人の秀才だ。だからこそトラウマなんてとっとと克服してもらわないといけない。見とけ。奴がうちのエースだ」というフレーズに違和感を感じました。主人公にとって娘を失ったのは、耐えがたい事であると思われますが、警視の発言はあまりにもひどいと感じてしまいました。もうちょっと別の言い方があるんじゃないかと考えてしまいます。あと任務とありますが、何か異世界のギルドの任務っぽい言い方で警察がこんな風に言うのかなとも感じたりします。事件でいいよういな気もしますが。永澤が名字だと思ったら、名前だったのは面白かったです。「ホームランの匂いがしてくるわ」は良く分かりませんでした。無事に事件を解決できたようで、永澤の手腕が伺える回でした。




●3話

「そこには京子が立っていた。少女の名前は清水和子と言い、今は母と二人きりで暮らしている。母の名前は清水久美子、そして1DKのアパートに住んでいる。リビングの真ん中には小さめのテーブルが一つあり、俺は今そこに座っている。」という文章を読んで、永澤の親族かなと思ったら、そうではなかったので、ややこしい表現は避けた方がよいと思われます。久美子さんが突然感情を露わにしたのも良く分からなかったです。もうちょっとそこまで行くのに必要な段階を踏まれた方が良いと感じました。久美子さんの夫が私立探偵をやってたというのは少々意外な展開でした。




●総評

全体的に粗さを感じたので、もう少しプロットを煮詰められてはいかがでしょうか。テンポ感優先で、物語の深みが減退しているような気がしました。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る