第10評 灰の異端審問官~舞竹シュウ~

作品名:灰の異端審問官

https://kakuyomu.jp/works/16817330667631810050

作者:舞竹シュウ

https://kakuyomu.jp/users/Syu_Maitake02




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●一節プロローグ

冒頭が飛行船に囚われている場面から始まったのは面白かったです。無機質な飛行船の陰鬱さや少女の美しさが事細かに描写されていて良かったと思います。悪い組織に囚われて、研究施設をたらい回しにされている?のかな、とにかく絶望の淵に立たされている少女の元に誰かから手紙が届きます。その人は少女のことを救おうと一生懸命説得しますが、想いは伝わらず。今まで散々利用されてきた彼女がそう簡単に人を信じないというのは中々にリアルで良かったです。「私の行く道は私が決める」というセリフにあるように、誰かに縛られる人生から自分を解放するシーンは鳥肌が立ちました。そして飛行船の外に投げ出されてしまった彼女ですが、果たして彼女の生死はどうなるのかという所でプロローグは終わりました。物語の始まりにふさわしい感じがして良かったと思いました。




●一節1話

冒頭が「新門第二高等学校」の説明から始まりましたが、ここに少し違和感を持ちました。いきなり学校や組織あるいは機関の説明から入るのではなく、この世界はどうなっていて、どんな人達(種族)がいて~みたいに世界観を先に説明した方がいいと思います。小説の説明欄でもあるように「魔法がすべての世界」を冒頭で説明した方が、最初にこの物語がどの世界の話であるのかということを理解できるのでそっちの方がいいと思います。その後、主人公がいる国の説明、どんな人達がいてどんな職業が人気で、その職業に就くために学校で学ぶっていう風に持っていくと綺麗に繋がると思います。そして細かいようですが、「魔術」と「魔素」という用語もしっかり説明された方がいいと思いました。魔法を題材にしたテーマは多く存在しますが、物語によって魔術や魔素の解釈は変わると思うので、この世界では~いうものという詳しい説明が必要だと思いました。あと気になった部分は魔道具コンテストについてです。これはどのぐらいの規模の大会で、どのくらいの期間で開催されていて、どのくらいの賞金額が出るのでしょうか?主人公にとって多いに意味のある大会だと思うので、その辺りご解説お願いします。また主人公が三食パンの耳を食べていたとありますが、このような極貧生活をしていた背景が知りたいと思いました。あとの話で言及されているかもしれませんが、この時点で説明が欲しかったです。あと学校には「戦闘魔術科」と「魔術工学科」がありますがこの他にも何か学科があるのかその辺りの説明も欲しいです。あと1話に5000文字以上あって、これはかなり多いと思います。Web小説では相場は1000~3000くらいがちょうどいいと思います。この話も▲▼▲で区切られていますが、これより下は次の話に回した方がいいんじゃないかと思います。そうすれば文字数も話の区切り的にもちょうどいいと思います。主人公が魔法を使えなくても差別される訳ではなく、友人に恵まれているのは良かったと思いました。




●一節2話

仁には魔道具や武器作りの才能があるみたいですね。カレンも驚くほど高い技術を持ってるのが伺えます。そして彼の身に余る作品もできてしまったようで、これの存在が物語に大いに絡みそうな気がしてワクワクしました。また、主人公が魔法を使えないと自覚しているのに少しだけ魔法を使えないかと確かめてみたり……。少し悲しいですが、めげずに作業を続ける主人公の精神性は非常に高いと感じました。そして、プロローグで出てきた少女がここで登場しました。綺麗に物語が繋がったと思います。最初は怪異と疑っていた主人公が少女の「死にたくない」という言葉を聞いて、助けようとするのが感動しました。ここからどうやって物語が動いていくのか非常に楽しみです。




●総評

文書表現は的確で、物語の展開や世界観も申し分ないくらい良かったと思います。ただ、一節の1話での説明が足りてない部分が多いと思います。後の話で言及されているかもしれませんが、前提情報はできるだけ早く読者に知らせておいた方がいいと思います。作者さんが頭の中で分かっていても、こちらは分かってないことがあるのでそのギャップを埋める作業が必要だと思います。ただ、自分1人だけではどうしても難しいと思うので、オープンチャットを利用するのも1つの手だと思います。




◆◇以後作者さんインタビューです。◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――どこにでもいる普通の学生です。




2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――電撃大賞のページ数規定をオーバーしたもののカクヨム経由の文字数規定はセーフだったので。




3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――キャラクターが生きる姿を一番初めに見られること。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――太宰治『走れメロス』。この作品の心理描写を見て目覚めてしまったので。




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――ノリと計画性のバランスをとること、伏線はちゃんと張っておくこと。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――キャラ同士の対比、掛け合わせることでさらに味が出ること。メインヒロインは銀髪碧眼であること。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――もちろん全てですが、特に四話、九話、十三話、十九話です。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――もちろんです。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――作曲を澤野弘之氏、歌唱をAimerさんにお願いしたいです。主人公は梶裕貴さん、ヒロインは石川由依さんのイメージですね。

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