美人教師の飛鳥先生は、史上最も邪悪なサモナー(召喚士)らしい【１巻】

第31話

　コイツが討伐対象…？

　こんな化け物じみたやつが？？

　先生は一本の「剣」を取り出す。

　その刀身は禍々しく、鋭い。

　靄のような影が、沸々と湧き上がっていた。

　一見すると得体の知れないものだが、“それ“が何かはわかる。

　圧倒的な霊力。

　…まさか、先生は「執行官」なのか…？

　そんな予感が頭を掠めたのは、その異常な霊力の奔流が、先生の”周囲“にありありと立ち込めていたからだ。

　それに、あの「剣」は…

　「…ここは一時撤退といきましょうかね」

　「逃すと思う？」

　ザッ

　地面が揺れる。

　それは風の微かな揺らめきに違いはなかった。

　ほんのわずかな砂埃の軌跡。

　しかし確かな、実体の摂動——