「早乙女萌のその後、後編 FINAL 」
「ランタナ新人オーディション1人目は〜」
5人のうち私が4番目で
「No.1番のマリです!私は昔から
今ここにいる人も配信で見てる人にもずっと部活でやっていたバレエを見せたいと思います!」
「No.2番のアスカと言います〜よろしくお願いします!!私は元々アイドルユニットのXYZZに所属してましたが自分の限界を知りたくてこのオーディションに参加しました。
もっともっと上を目指したいので最後まで応援よろしく〜
アイドルなのでアイドルらしく歌とダンスを披露しようと思います!」
「No.3番のレイです。昔から歌手が夢でした。踊りは得意ではありませんが、子供も頃からずっとずっと歌ってきたので一曲歌わせてください‥。
お願いします。」
バレエやアイドルに歌手など多種多様の人が最終選考に残っていた。
正直、みんなを事務所に入れても良いんじゃないかと思うぐらいみんなのレベルが高かった。
「次、私か‥」
珍しくものすごく緊張していた。
そして、なぜか文化祭の事を思い出していた。
本当は
失恋、溺愛、自惚れ、嫉妬‥
全部が私で私のようじゃない一瞬、一瞬が楽しかった。
過去には戻れないし、本当は未だに夢に優希が出てくる。
起きた時はやっぱりちょっとどころかすごく切ないし、たまに連絡もしそうになってしまう自分が弱くも辛かった。
でも、もう大丈夫だと何度も何度も言い聞かせた。
「
「
「あの、ライバルですけど頑張ってください!
あの声、あの歌、全部見せてください!!」
「もちろん!お互いベストを尽くそうね!」
「それでは、次はこちら!!」
「No.4番!早乙女萌です。どうしても自分を変えたくて、どうしても忘れられない気持ちがあって、どうしても越えたい人がいて‥
どうにもならない感情をこのオーディションにぶつける為に来ました!!!!
自分で作詞作曲した大切な大切な唄を一曲やります。
見てる人みんなに向けて‥
“”自分の気持ちに蓋をしないように””
ダイスキ
.
.
.
「ありがとうございました。早乙女萌でした。」
パチパチパチ!!!
拍手喝采だった
涙が出そうになったけど、グッと堪えた自分がいた。
「ありがとうございました〜それでは、最終先行の最後は〜‥」
「こ、こんにちは‥あ、あの
あの、昔から何をするにも脇役で、なにをするにも引っ込み思案で‥それでも!変わりたくてこのオーディションを受けました。
さっきまで出てた早乙女萌さんは私の話を親身になって聞いてくれたり‥でも!ここまで残ったからには誰にも負けたくないです。
誰よりも才能がある訳でもセンスがある訳でもないけど!!それでも!全力でやらせていただきます。」
そうして彼女のダンスが始まった。
独創的で多分上手いとかそういう一言では言い切れないほど魅力的だった。
そこにいた人、配信を見てた人みんなが釘付けになったと思う。
「ハァ‥ハァ‥ハァ。ありがとうございました。」
全身全霊の彼女のパフォーマンスは一瞬にしてその場を彼女のステージにしてしまったと思う。
そうして投票の時間になった。
「早乙女さ〜ん!!」
「萌ちゃん!お疲れ様!今までで1番すごいパフォーマンスだったよ!!」
「やりきりました‥。あの日、早乙女さんが私に一緒に頑張ろうって言ってくれたおかげで今日まで乗り切れましたよ〜」
「誰が合格するか分からないけど楽しかったな〜」
「そうですね!本当に楽しかったです。」
「すいません!これから発表が始まりますので皆様、ステージにお願いします!!」
ついにこの中から1人が決まる時がきた。
ずっと頑張ってきた音楽、好きになればなるほど嫌いになってそれでもやっぱり自分の中で1番大事なもの‥
「大変お待たせしました〜!ここからは私、
「1万人以上の応募の中からランタナの新人オーディションを勝ち取ったのは‥」
もし神がいるなら欲しいものの一つぐらい‥
「No.5!!
ダメだった‥
今日まで沢山沢山やってきたのに‥
「前へどうぞ〜」
「あ、あ、あ、ありがとうございまずぅ‥」
「ほらほら泣かないで〜」
「頑張って良かったです。私なんかがってずっと思ってましたが、今日だけは私がなってみせるって気持ちで挑んでよかったです‥」
.
.
.
気がついたらオーディションも終わっていた。
確かに色々あった、自分の中で100%出せてなかったような気もするし‥
最終まで残っただけ私は幸せなのかな‥
でも、でも‥
酷いよ、神様‥私には何もくれないんだ
「あの、ちょっといいかな?」
「はい?」
.
.
.
__数ヶ月後
【衝撃デビュー】ランタナ新人オーディションの最終選考、早乙女萌がPONYからメジャーデビュー!!
【新時代歌姫到来】PONYから儚くも狂気的なシンガーの早乙女萌、堂々デビュー!!
「おはよう、
「まさか、あのサブカル女‥デビューするとは‥」
.
.
.
そう、私はなんとあのオーディションの後に大手音楽事務所のPONYから声がかかったのであった。
正直その時の事はあまりにも衝撃的すぎて覚えていない‥
しかし話はあっという間に進んで高2になった4月にメジャーデビューする事になった。
結果的に萌音ちゃんの反響も勿論だが、配信中に私の歌を聴いて色んな事務所が私を狙ったとか狙ってなかったとか‥
「夢みたい‥」
渋谷駅にはデカデカと私の広告のポスターが並べてあった。
「本当に私デビューするんだな‥」
「おはよ!有名人!」
「桃花ちゃん!!」
「同じ事務所になれなかったのは本当に残念だけど、でも‥おめでとう!」
「ありがとう!本当に私今でも信じれなくて‥」
「あんたそれ毎日3回は聞いてるわよ。」
「だ、だって〜」
メジャーデビューはゴールじゃないし、まだまだ私にはやらなきゃいけない事が残ってるからこそ‥
「絶対に全部越えてやる!!見てろよ〜!!!!!!!バカヤロー!!!!!」
「ちょっとあんた!」
「あれ!モデルの桃花にシンガーの早乙女萌だ!」
「本当だ!!」
「凄い!!」
「ちょっと、萌!走るわよ!」
「うん!!」
私の物語はこれから走り出す事になったのだった。
ありがとう。みんな。
ー終ー
「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。あなざーすとーりー」 はっけよいのこっ太郎 @hakkeyoi_nokottalow
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