神様、私に勇気をください!
神崎ライ
第1話 勇気を……私に下さい!
私にはもう時間がない。
この思い、何とか伝えたいけれど……
物心ついた時からずっと一緒だった、
いつもと同じように一緒に帰宅した時、何となく様子がおかしかった。
その理由は、夕飯の時に明らかになった。
お母さんが一言、
「お隣の
と言った。その瞬間手にしていた茶碗が左手から滑り落ちていく。
遠くで、ぱりん、という音が聞こえた気がした。それを叱るお母さんの声も全く耳に入ってこない。
気付くと、部屋のベッドで泣き崩れていた。
(ずっと一緒にいるって言ったくせに……なんで? どうして?)
その夜は眠れなかった。翌朝、寝不足でぼーっとする頭で考えた。
(今日は会いたくないな)
私はいつもより早く家を出た。そのせいで昼休みに
心にぽっかりと穴が開いたように寂しさが吹き込んでくる。そんな時、隣のクラスの女子と仲良さそうに話している隆行の姿が目に入った。ズキリ、と胸が痛む。
(あんな笑顔見たことない。気にしたことなかったのに……私、こんなに好きだったんだ……)
初めて自覚した。
隣にいるのが当たり前で、居心地のいい関係が壊れるのが嫌で。自分に嘘をつき続けていたんだ。
次の日、昨日隆行と話していた女子が告白するという噂を聞いた。
どんなに困っていても笑顔で助けてくれた。悲しい時もずっとそばにいてくれた。いつだって隣にいて支えてくれていた。そんなアイツが他の誰かと並んで歩いているところなんて、絶対に見たくない。
強くそう思った。
隆行が転校するまで、残り3日。
何度も思いを伝えよう、と決意するけれど、いざ隆行を目の前にすると、うまく言葉が出てこない。
神様、お願いです。どうか「好き」と伝える勇気を……私に下さい!
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神様、私に勇気をください! 神崎ライ @rai1737
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