さわる

@i_i0727

返して

???「あぁ~!ごめんなさい~!」


最初は気づかなかった。

君があの時の???なんて。


あの時、太陽にすら勝る君の艶やかな"髪"に強く惹かれた。でも、どうしてだろう、どこか懐かしいような気がした。



「新入生代表、田中うんこ」

新しい春が始まろうとしていた。


女a「田中君すごいね!首席なんでしょ!?」

女b「天才って本当に羨ましいんだけど~!」

男a「いいよなお前、オールマイティは格が違うぜ」


気持ち悪い、この場から逃げ出したい。


うんこ「ありがとう(汗)でも誇れるほどすごくないよ~(汗)」

男a「はー、謙虚気取りですかー俺もしてみてぇな」

うんこ「違うよ。あっ、ちょ、ちょっとトイレ行くね」


(放尿音)ジョロロロロ


うんこ「っち、アイツら本当になんなんだよ。(涙ポロリ)」

???「...どう?...したの?大丈夫?」


その瞬間、僕は、僕達は、大きく目を見開いた。


うんこ「君は!どっかで会ったような!!!」

???「うーん、?人違いじゃないのかな?」

うんこ「そうかもしれないです。ごめんなさい、急に叫んだりして...」

???「全然大丈夫だよ!ところで君は大丈夫??泣いてたみたいだけど...?」

うんこ「ッッあ、(恥ずかしい...)」

???「じゃ、わたし次体育だから急ぐね!(フサ~)」


うんこ「...はい」


(でもなんだろう、あの既視感...名前くらい聞けばよかったな...)


???「なんで分かったんだろう」



男c「お、おい!お前なんで???と一緒に居たんだよ!?どの手を使った!?なにを話した!?クゥーーーお前はイケメンだからな~、仕方ないか」

うんこ「ちょっと待ってよ、どういうこと??」

男c「知らないのかよ!あの髪の明媚さと比例して容姿端麗なお方だよ。昨日お前と???が話しているところを男aが見かけたって、皆に広めているらしいよ」


この時、彼の言う???が僕にはモザイクがかって聞こえた


とりあえず、僕は男aを探していた


???「どういうことよ」

男a「あれ?うんこと付き合ってんじゃねーのってwwwwその綺麗な髪で誘惑してよ~このクソビッチ」

???「あんな噂まだ信じてんの...」

男a「噂?事実の間違えじゃねーのかよ」

???「酷い」

そう言って、彼女は階段を力強く踏みながら走った


うんこ「あの、大丈夫ですか」

???「うんこくん..."また"助けてくれたのね」


その時僕は彼女の言葉の意味に気づいた。


あの日、白血病で抗がん剤の副作用により髪が全て抜けてしまった君に僕はドナーとして毛母細胞を君に移植したよね。


高い金に目がいった僕の親は、僕のことを考えもせずに、僕を治療室へと差し出した。


僕は望んでいなかった


望んでいなかったのに


お前のせいだ。















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