そうですよね。革命を起こしたり専制国家から独立を果たしたりしてもなかなか後がうまくいかないのは、旧態依然とした政治体制を引き継いでしまうからなんですよね……。
八郎達の理想は実現出来るのか??
現代においても難しい課題だと思いますが、彼らの奮闘の行く末を見守りたいです。
作者からの返信
仰る通り、新しい国造りのためには、ただ旧体制を破壊するだけではダメで、新しい理念に基づく新たな政治機構の構築が不可欠ですよね。
それができなくて崩壊していったケースのなんと多いことか。
世界史的に言えば、フランス革命の直後の混乱からナポレオンの没落に至るまでの経緯なんかは典型的な失敗の例で、逆にアメリカの独立戦争なんかは「独立宣言」の理念に基づいた国の創造に比較的成功した例になるのかなあ。
今のフランスやアメリカがどんな国かっていうのとは別次元の話ですけど
既得権益を守りたい輩と新しい理想の衝突は、いつの時代でも現実に起こる難しい課題です。
そして新たな理想が敗北するケースの方が圧倒的に多い。
でも、そこはフィクションの強み!(笑)
せめて物語の中だけでも八郎たちには理想を存分に追求させ、なんとか成功させてやりたいと思います。
その一方で、これからすぐ、また大きな戦いが待っているんですけどね (^^;)
拝読致しました。
いきなり概念ごと柵をぶちこわして立て直す――言葉にすることはできても、実際にそれを為すのはあまりに遠い。
けれど、なるほど中国やその向こうにある国々を参考に出来たなら、それらを知悉する不遇の人材を仲間にできたなら、従来の概念とは異なる政治体制を構築できる、というロジックですね(^^)
そりゃ、坂東では無理ですが、この博多ならあるいは。
旧体制に巣食う妖狐と、新体制を生み出す若武者と。
そんな構図が見えて来るようです。
作者からの返信
いえいえ、坂東でもこの時代のちょっと後に鎌倉幕府がやっておりますよ。
あれは立派な旧体制の破壊と新秩序の構築でしょう。
ただ、独立国を宣言せず、朝廷から「征夷大将軍」に任命されて政治を委託されました、それで「幕府」を開きました、なんていう風に体裁を繕ったのが「いやらしいなあ、姑息だなあ」とは思いますけど。
「旧体制に巣食う妖狐と、新体制を生み出す若武者」の構図は言われてみれば確かにそうですね。
書いている本人も意識した訳じゃないけど、自然にそうなっちゃいました。
面白いですね。
物語の中のキャラクターとその行動を突き詰めていくと、いつの間にか必然の対立構造までが出来上がっていくなんて。
そういう意味でも八郎と玉藻は互いの生死と国家の浮沈をかけて戦う運命にあるんでしょうね。
単なる理想の国家像ではなく、平将門の乱の失敗を踏まえた新しい国造りという意味での「政」ですね。これだから本作を読むのは止められません。
あとカクコン10、頑張ってください!
作者からの返信
いつも応援・激励、ありがとうございます。
平将門の乱は後の「幕府」のような「朝廷から政治を委託された」なんて姑息な体裁を繕わず、堂々と独立を宣言したという意味で日本史上の快挙ですね。
でも、残念なことに後の統治のビジョンが無かった。
だから打ち上げ花火みたいに短期間で挫折してしまったんだと思います。
そのビジョンの欠落の内容は本文で述べた通りです。
八郎たちにはそのようになって欲しくない。
そんな気持ちでこのエピソードを書きました。
なんだか最近、作品や作中人物への没入感が我ながら凄くって……
自分の子供の幸福を祈る親みたいな気持ちです。
変でしょう? (^^;)
そんな訳で、八郎の物語のクオリティーを上げることに全力を尽くしたいと思います。
カクコン10に参加したことが、その後押しになってくれればいいんですけど (^_^)
コメント失礼します。引き込まれてしまうので、読むのに凄く力が必要でして。
新しい体制、痛快な話です。昔の大河ドラマで平清盛がやたらと新しい世新しい世といいながら、する事なす事、藤原氏のモノマネだろうがと思っていた私にとっては、我が意を得たりと拳を握ってしまいます。
作者からの返信
大河の平清盛は観ていないのですが(連れ合いがテレビドラマは大好きなくせに、歴史ものは苦手なので・笑)、平家の没落の原因はそこにあったと論じる方も多いですね。
せっかく武士が政権を握ったのに、やることは朝廷の要職に就いたり、一族を国司に任命したり、娘を天皇の后にして子供を産ませ、外戚の立場を狙ったり…… 全く藤原氏のモノマネばかり。
これでは武士の支持を得られるはずがない。
でも、過渡期の政権としては仕方が無かったのかも。
なにしろ先例が無いですから。
この先もう少ししたら本作でも話が出てきますが、奥州藤原氏も租税や黄金、毛皮などの財や特産物を京に献上して、押領使や陸奥守、鎮守府将軍に任命され、蝦夷の支配を認めてもらっています。
鎌倉幕府の初期も似たようなもので、受領や荘園の権力や権利は認めた上で年貢の徴収を代行する、いわば朝廷の出先機関としての働きを認めさせることから出発しています。
平家の失敗からも学び、幕府が本当の意味で武士のための政権になるのは、もう少し時代が下ってから、承久の変や御成敗式目の成立を経て、決定的なのは元寇以来のようですね。
でも本作はフィクションですから!
八郎にはそんな姑息なやり方はしてほしくない。
だから一足飛びに、「武士のため」どころか「万民のため」の政を目指してもらうことにしました。
そうでないと面白くないでしょう?
まあこれも一つは比叡山における善弘、後の法然上人と出会った影響というべきか。
なにしろ法然上人こそは、それまで主に貴族階級のものだった仏教を、真の意味で万民のものとしたと言われる鎌倉仏教の開祖ですから。
ところでその法然上人ですが、八郎が鎮西に渡って以来、出番がありませんけれど、近々また重要な役割で登場するかもです。
お楽しみに😊