現代日本は宗教に無関心な人が多いですが、この時代は仏教が政治にも関与していたのでしょうね
作者からの返信
それは宗派と僧によりけりでしょう。
「鎮護国家の仏教」と言われたように、日本では仏教の導入以来、国家の経営と仏教は密接に結び付いていて、奈良の東大寺の建設は、その代表的な例ですね。
この時代でも特に比叡山は政治との結び付きが強いのではないでしょうか。
親王や摂関家出身の人間が天台座主になったり、僧が有力な政治家の顧問のようなことをやったりしてますから。
朝廷が決めたことに不満があると強訴を起こしたりね。
ただ、本文に登場する皇円僧正は、その学識で知られた人で、政治との繋がりはそれほど強くはなかったようです。
宗派によっては政治にあまり関わらないところもあったでしょう。
実際、この少し後の鎌倉仏教の時代になると、親鸞や道元など、敢えて政治と関係することを避ける人も出てきます。
ただ、親鸞の浄土真宗の場合は、後の蓮如の時代からどんどん巨大化して、戦国期に入ると政治との関わりも大変なことになりますけど (^^;)
やはり、縁だわ。成長の構成の仕方が丁寧ですね。 いいなあ
作者からの返信
ありがとうございます。
法然上人は史実では為朝との接点は無いんですが、為朝の6歳年長で、実際にこの時、比叡山の功徳院で修行をしておられるんです。
そこで、八郎が源太が産着を両断したせいで比叡に追放され、そこで若き日の法然上人と出会うという流れにしてみました。
どうしてもこの二人を出会わせて、八郎に与える影響、変化を見てみたかったもので。
主人公や登場人物の成長を描けるのは長編を書く醍醐味ですよね。
この作品を書き進めていって、あらためて実感しました。
この後も、八郎に大きな影響を与える人物や仲間が続々と登場します。
だから、このあたりは八郎の成長をゆっくりと描く「序」の段階の一部です。
そんな中で八郎は成長を遂げ、後は急転直下、戦いに次ぐ戦い。
そして最後は…… お楽しみに (^_^)
"気持ちは分かるが、主家の恥になるようなことは軽々しく口にせぬ方が宜しかろう。どこぞから話が漏れて、そなたの御身に害が及ばぬとも限りませんぞ"
気を使う姿勢を見せつつも厄介払いはする……自分も相手も守れる経験豊富で実力を伺わせる気遣い……ちびれるくらいすこ
作者からの返信
皇円上人は当時では有名な比叡山の高僧で、しかも藤原家の生まれです。
この人の先祖が藤原道兼で、関白の地位についてから七日で、まだ30代なのに早死にしてしまったんですね。
そうでなかったら弟の道長の栄華はなかっただろうと言われています。
そういう背景を持つ人ですから、このぐらいの台詞は普通に言ってもらわないと (^_^)
また新たな導いてくれる方、善弘さんとの出会いがありましたね
僧侶としての道をこの時選んでいたらまたこの先がどんなだったんだろうと思いますが
とても大人しく読経してるような八郎ではないですよね
善弘さんについて検索してないので
どんな役割を果たしていくんだろうと気になります
作者からの返信
善弘さんは、その直前のエピソードの最後で述べたように、法然上人の若き日の姿です。
仏教を真に日本人のものにした鎌倉仏教の開祖と言われる熱い熱い御方ですね。
この頃は実際に比叡山の功徳院にて修行中だったので、そこで八郎と出会うという流れにしてみました。
生涯の兄弟子ともいうべき関係で、この後もいろんな意味で活躍して頂きます (^_^)
素晴らしい兄弟子に出会いましたね。ネタバレながら名前を検索して(悪い癖ですが)後の名を見て「なるほど!」と思いました。
作者からの返信
史実では法然上人と為朝は全く接点がないんですけどね。
そもそも為朝は比叡山になんて送られてないし (笑)
でも実際に6歳違いで、同世代なんです。
で、その頃に比叡山の東塔にある功徳院で修行しておられた。
それで、八郎の成長に大きな影響を与える人物のひとりとして設定させて頂きました。
これから先も再々登場して、重要な役割を果たしてもらう予定です。
玉藻前自体がそうなんですが、他にも何人も歴史上の有名人物が、為朝と接点はないけど、同世代か一世代の違いだったりするんですね。
拙作ではそういう人たちにもガンガン八郎に絡んでいってもらう予定です (^_^)
八郎の強い意志と善弘の深い学識が、比叡山の静寂な修行生活に美しく調和し、歴史と仏教の融合が魅力的で、比叡山での八郎と皇円阿闍梨、そして善弘の出会いには、運命的な引力を感じます。
作者からの返信
史実では為朝は比叡山には送られてませんけどね (笑)
善弘つまり後の法然上人は為朝の6歳上で、実際にこの当時、功徳院で修行をされてます。
本来は接点の無い二人ですが、私としてはどうしてもこの若き法然上人と八郎を会わせたかった。
それによって伝承にあるような豪放一辺倒の為朝像ではなくて、理知的な面も兼ね備えた新しい八郎為朝像が生まれるきっかけになると思いまして。
実はこの先、比叡山において八郎はこの物語における重要人物何人かと出会います。
それらの人々は、やはり史実では為朝と接点のない著名な人物の若き日の姿だったりします。
お楽しみに。
ちょっとネタバレでした (^^;)