あらすじを読んでいる段階で興味が湧きました。
きりぎりすと恋人は別人?
私と、君と、君が好きな人がいて、
あなた達が一緒になって幸せになるまでは私がそばにいてあげる?
…とても気になりますね!
いざ本編を読んでみると、重要人物が四人いて…うわあ、いびつだ。
はたから見ると「縁を切ったほうが…」と思うのですが、本人は好きだから不満を誤魔化しながら許しています。もどかしいです。
甘い食べ物の描写が妙にきつくて、主人公の恋を暗示しているようです。とても不穏です。
この物語は哀しみが多めですが、描写の美しさや読み手を惹きつける主人公の独白のおかげで、読みにくさは感じられませんでした。
切なくて美しい文学です。