第4話 孫と私


星は、お金になって何十年か経った。

人々は、星をお金として見るようになった。

人々の言葉は、星をお金として意味するようになった。


ある時、私は聞いた。

「何故人は星になりたいと願ったか分かるか?」

宇宙金融学科の学生は言った。

「それは、食べるのに困らないようになりたかったんでしょう。」

宇宙金融学科の学生は、経済の話ばかりで、惑星としての星に興味がなさそうだ。


そして遂には、子供に星の歌を歌わせる事を禁止した。

子供を守銭奴にしてほしくないという意見が多かった。

私は、反対をしても結局何もできなかった。

その頃には、私の心身はボロボロだった。


孫が病院に見舞いに来てくれた。

「おじいちゃん、あれなあーに?」

「流れ星だ。」

「きれいだねー。」

私は、ハッとした。

「そうだな・・」

私は、ゆっくり目を閉じた。


今日も地球は回ってる。

宇宙のロマンを何処かに漂わせながら。

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星の概念が崩れたら 葉月煉瓦 @renga_suugaku

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