第440話 ペルマ迷宮冒険者組合にて
「よう。調子はどうだ?」
「問題ありません」
城門の前で落ち合った『オース組』の組長、ナルハイトさんは気軽に片手を上げて俺たちを迎えてくれた。
ちょっと緊張気味ではあるが、クラスの代表として
組長の背後には大剣を担いだフィスカーさんをはじめとした『黒剣隊』の六人もいて、笑顔で俺たちと挨拶を交わしていく。
同行してくれたスメスタさんとはここでお別れ。帰りは大使館まで俺たちだけで戻る予定になっている。どれくらい時間が前後するかわからないし、忙しいスメスタさんだって俺たちのいない時間帯を有効活用したいところだろう。
さあ、いよいよ迷宮だ。
「人がいっぱい!」
「アラウド迷宮とは大違いだね」
腰から胸にかけて布団にも使えるクッションを装備したロリっ娘な
開け放たれた巨大な城門は内市街のメインストリートからそのまま続くせいで、まるでアーケード街にでも入ったような気分だ。
けれども札幌に住んでいた頃に何度か行ったことのある狸なアレとは違い、いくら人が多いとはいえ城の中だけに店が並ぶわけもない。
石造りのアーチ構造になった巨大な通路は、天井付近に天窓が配置されているので意外と明るく、左右にはところどころで城の内部に続くだろう扉や分かれ道があるが、そちらにはそれぞれフルプレートの衛兵が警備として並んでいる。
「冒険者っぽい人、結構いるね」
「けど、お城の人の方が多くない?」
「あ、あれが『水汲み』かな。バケツ持ってるし」
ナルハイト組長と『黒剣隊』に先導されたクラスメイトたちは、心持ち小声だけど興奮した様子だ。もちろん俺も。
冒険者、兵士、城の文官、たぶん商人、荷運び、そして『水汲み』。本当に雑多な職種の集まりだな。
「アラウド迷宮とは大違いだな」
「そうね。あそこは騎士と兵士ばっかりだったし。わたしはこういう賑やかな方が好きかも」
「俺って、人混み苦手なんだよ」
「
並んで歩く
ところで綿原さんは俺のことをどう見ているのかな?
現在の時刻は五刻、朝の十時くらいで、冒険者や兵士が迷宮に入るピークは過ぎているらしい。
事前に聞いていた話ではあるが、この国では普通に朝から活動を始めて夜に眠る人が多い。とても当たり前に感じることだが、ここは迷宮が存在する世界だ。つまり二十四時間営業することで、狩場の調整が効きやすいのだけど、そういう文化はないらしい。迷宮内はずっと明るいのにな。
アラウド迷宮では魔獣の群れのせいで直近では昼夜の二交代だったけど、それでも夜番は少なめの人数だったし、やはり昼夜逆転は電気の灯りが無い世界では難しいのかもしれない。
ちなみにサコマはコンビニといっても夜には店を閉じて、早朝に開店する形態だ。綿原さん家のサイコーマート山士幌西は、たしか六時から二十三時だったかな。
俺たちとしても高校生らしく昼間に活動しようと予定はしているが、状況、とくに混雑具合次第では迷宮泊を含めた遅い時間帯へのシフトも考えていないわけではない。
【睡眠】もあるし夜更かし上等なんだよな、一年一組って。
「ありがとー」
「おう。頑張れよ!」
通りすがりに『水汲み』の子供たちに飴玉みたいなのを渡している冒険者の集団なんかもいる。
「ああいうのはアリなんだねぇ」
「どういうこと?」
チャラい
「ああいうのってさぁ、一人に渡したらわらわら~って寄ってきて、収拾がつかなくなるんじゃないかなぁ、って」
「そういうこともあるのね。けれどあの子たち」
「うん。そんなに痩せてもないし、不健康って程でもないっしょ」
異世界あるあるを知る疋さんと、日本の常識に生きる中宮さんの視点の違いってヤツか。
日本にいれば、ましてや山士幌に住んでいたら、極端な貧困層なんて見ることはまずないからな。
この世界に来てから一年一組が出会ったそういうのって、旅の途中で襲われた村くらいのものだ。イトル領とフェンタ領は貧しかったけど、それほど酷くはなかったし。
「いつかは渡せる側になってみたいかなぁ、ってね」
「稼げるようになってから考えましょう」
チャラいクセに殊勝なコトを言う疋さんを中宮さんが窘める。
俺たちがアウローニヤで渡されて、ここまで運んできた資金はまだまだ潤沢だ。
拠点半年分の家賃や家具の仕入れ、ついでに今日の現地指導料で一億以上を使ってしまったけれど、まだ数億が残されている。
ただしそれは貯金だ。将来のためというよりは、何かあった時を警戒して残しておこうということになっている。たとえば逃亡資金とかで。
なので俺たちは冒険者になったら、ちゃんと稼いで食べていけるようになろうと考えている。
バイトの小遣い稼ぎなどではなく、しっかりとした仕事としてやっていこうと。
とはいえ、一年一組の目標は強くなり迷宮を探ることで帰還のヒントを得ることだ。必然的に迷宮の頻度も上がるので、自動的に稼げるようになるだろうという算段でしかない。
ペルマ迷宮の四層で暴れまくれば、普通にトップクラスらしいし。
「じゃーねー!」
「おう」
バケツを片手に手を振りながら立ち去っていく子供を見送った冒険者が、『こちら側』に移動してきた。俺たちに向かってではなく、通路の左側に。
暗黙の了解なのかそれとも定められているのか、通路の中央部は荷車で外側を人間、しかも左側通行が徹底されているように見えるんだよなあ。
「ほんと、現場でないとわからないものよね」
「だな。不文律とかがたくさんありそうだ」
綿原さんがため息を吐くけれど、俺も同じようなものだ。
こうして城の通路を数分歩いただけでも、資料では得られなかった情報が押し寄せてくる。
外野として見て楽しんでいられるぶんには問題ないが、本格的に冒険者としてやっていくためには、こういうのに溶け込まなければならない。
「無意味なトラブルは勘弁だな」
「そうよね。わたしたちは善良な冒険者になるんだから」
「ほれ。着いたぞ」
この国で生きていくための常識を語る俺と綿原さんの会話に、ナルハイト組長の声が被った。
目の前にあるのは開かれたままの両開きの巨大な扉。実は城門をくぐった直後から見えていたのだけど、ここが施設としてのペルマ迷宮冒険者組合だ。
城に入ってから大体三百メートル。本当に真っすぐな通路を歩いた場所という位置取りそのものが、この国における冒険者組合の存在感を証明している。
「ここはスイングドアを期待してたんだけどなあ」
「僕も」
オタな
門の傍には衛兵の詰め所みたいな場所もあって、国ですらここを守っているのが誇示されている。
中からはざわめき声がここまで響き渡り、多くの人がいるのが音だけでわかってしまう。熱気が伝わってくるんだ。
「迷宮に比べりゃ大したモノでもない。行くぞ」
「はい!」
入り口でチェックがあるわけでもなく、組長の声に背中を押された一年一組は大扉を潜った。
◇◇◇
「でけぇ」
「お役所みたい」
「おっきい病院、とは違うか」
クラスメイトたちの声のとおり、冒険者組合の中は広かった。
視界が通るだけでも体育館が二個くらいありそうだし、いくつもある扉の先や階段まで含めれば、ちょっとした学校くらいの規模はあるかもしれない。
目立つところとしては、まず正面にある大きな扉だ。そちらもまた開きっぱなしになっているが、人の出入りが迷宮の入り口に続いているのを想像させる。
続いて気になるのは向かって左側にあるカウンターと思わしき場所だな。
一人か二人が会話できるような間仕切りがされているところもあれば、大人数用なのか、長椅子が置かれている場所もある。ブースには所謂受付のお姉さんが常駐しているわけではなさそうで、もしかしたら呼び出し形式なのかもしれない。いや、二か所だけ客が居ないのに職員さんがいるな。男の人と女の人。総合受付とかだろうか。
「よかった。本当に『冒険者の酒場』は無いんだな」
「うん。よかったねえ」
心の底から安堵したかのようなセリフを吐いたのは古韮で、横ではキラキラとした目で組合内部を眺める野来がうんうんと頷いている。
俺としても階段の上にテラスとかがあって、そこからジョッキを持った冒険者が新人を見下ろしていたりしないだろうかとチェックをしていたが、ここにそんな施設は見当たらない。
『飲み食いどころか酒なんて、城の中で平民がするわけないだろ』
という感じでナルハイト組長からは事前に教えてもらってはいたのだけど、応接でお茶くらいはあるかもしれないが、ここに飲食施設は存在していない。
ここに
とはいえ、代わりに大浴場はあるんだけどな。
アラウド迷宮の場合は地下から出てきたら真っすぐ詰め所、俺たちの場合なら離宮に戻れるので、魔獣の血にまみれていても素通りだったけど、ここでは違う。
なにしろ城門までの長い通路を歩いて、さらには内市街を通るのだ。そんな連中がたくさんいたらどうなるか。文化として受け入れるにしては血生臭すぎる。
なんか俺の想像する冒険者ギルドとの違いが多すぎて、リアルがどこにあるのか混乱してくるが、現実はこういうものらしい。
「あ、あれって依頼掲示板かなっ」
ちょっとアガった声でフロアの壁を指差したのは文学オタ少女の
異世界モノを知る彼女からしてみれば、冒険者ギルドイコール依頼掲示板は当然なんだろう。もちろん俺も同感だ。
そんな白石さんだけど、先日の買い出しでもさんざん異世界ショッピングを楽しんだらしい。とても羨ましいので、次回の買い出しには是非とも参加させてもらうと表明だけはしてある俺だったりする。
ちょうど入室してきた扉側の壁には巨大な掲示板らしきものが複数並んでいた。
圧巻なのは階層ごとに分かれたペルマ迷宮の巨大な地図が色分けされて貼られていることだ。ハザードマップとかではなく、区画ごとに色分けって感じだな。
そこに小さい木札がぶら下げられているのだけど、あれが話に聞く縄張りだろうか。
白石さんの言う依頼票については、実はそれほど多くない。
護衛やレベリングなんていうのは、大抵が指名依頼だからというのが理由だろう。良い言葉だよな、指名依頼。
それこそ今の俺たちこそ、『オース組』というコネを使って依頼票も出さずに一般人としてこの場にいる。これから組合立ち合いで指名依頼の契約が行われるのだ。
レベリングとかでもこういうケースは結構多いらしい。
「んじゃあ手続きだ」
お上りさんをやっていた俺たちを他所にカウンターに行っていた組長が、一人のお姉さんを連れて俺たちのところに戻ってきた。
茶色いジャケット風の上着を着た、いかにも事務って感じの人だな。組合の職員さんと見て間違いないだろう。
年のころは三十歳くらい。茶色い髪のすごく普通で温厚そうなお姉さんだ。髪の色も似ているものだから、アヴェステラさんを愛想よくしたような感じな人ってイメージかな。
「二十九名ですね。二階の七番会議室を使いましょう。わたしについてきてください」
俺たちに軽く頭を下げたお姉さんは、さっそうと身をひるがえし、石造りの階段へと歩き始めた。
◇◇◇
「冒険者として活動するための『推薦』を得るための最終確認、ですね」
「おう」
「はい」
マクターナと名乗ったお姉さんが、手にした書類と俺たちを見比べながら確認をしてくる。
同時に返事をしたのはナルハイト組長とウチの委員長だ。契約関連ともなれば当然代表は委員長となる。
五十人くらいは座ることのできそうな長方形のテーブルに、いつもとは違って今回は各人が適当に座っている格好だ。
組長なんかはマクターナさんの横に座っているし、出席番号順じゃないのは久しぶりかも。
今回俺たちが出す形になる指名依頼の内容はワリと特殊なケースに当たる。
護衛でもなくレベリングでもない、冒険者となるための推薦状を得たいという依頼だ。
普通の冒険者は伝手のある組を頼って一階位から育ててもらい、一層限界の四階位か二層で少し鍛えた五階位あたりで冒険者として登録される。その期間のレベリング代は持ち込みだったり組からの貸付だったりいろいろだ。
大抵の場合は育ててもらった組に入って、そのまま活躍することになる。そんな冒険者たちが後輩を同じように育てるという循環だな。
翻って俺たちだけど、アウローニヤから流れてきた、この若さで十階位と十一階位の集団。怪しさ爆発案件だぞ。
いちおうアウローニヤ系の『オース組』が請け負うと言っているので建前はなんとかなっているけれど、普通に素性はバレているんじゃないかなあ。組合にだって情報網くらいあるのだろうし。
というわけで、本来なら低階位から育て上げた面々の卒業的な意味合いを含む最終試験を、今回はよそ者がいきなりペルマ迷宮に所属する組に依頼するという形になってしまった。
「二層を巡回して戦闘や探索を確認。冒険者として活動できるかどうかを判断。一人頭で百万ですか。高額ですね」
それでも温厚な笑顔のままのマクターナさんは、淡々とまるで箇条書きのように依頼内容を確認していく。
「こいつら十階位と十一階位の集まりだ。どれだけ温く育てられたとしても、二層なら問題ない。美味しい依頼だろ? お互いに」
「まったくです」
ナルハイト組長とマクターナさんが笑い合うが、この場合のお互いというのは『オース組』と一年一組のことではない。
こんな場所で職員さんが確認しているように、冒険者組合を通した正式な依頼である以上、手数料が差し引かれるのだ。契約金額にもよるはずだけど、今回の場合は二割だとか。
ちなみに迷宮への出入りは厳重にチェックされているので、モグリの依頼は事実上不可能だ。
そういうわけで今回のケースでは四百四十万ペルマが冒険者組合に渡ることになる。
マクターナさんに日本で言うところの営業ノルマみたいなものがあるのかはわからないが、あの笑顔を見るに、美味しいんだろうなあ。
二年くらい前にウチで車を買って納車の時、ディーラーの人たちが総出で頭を下げて見送ってくれたけど、アレでちょうど四百万くらいだったっけ。
『高校を卒業したら
ああいかん。日本のコトを考えると精神が沼る。ここはアゲていかないと。
「お前らには感謝だよ。上々の『功績』になる」
悪い笑顔をした組長の声でなんとか心をこの場に引き戻すことができた。
冒険者組合は個人の冒険者、パーティとしての隊、組と呼ばれるクランのそれぞれにランク付けをしている。
今回のケースでは『オース組』に、結構な『貢献点』が加算されることになるのだ。
とはいえ俺たちはまだ冒険者ですらない。SSSランクがあればいいのになあ、とか考えるのは後日だな。
「アウローニヤ王国の政変については聞き及んでいます。さぞご苦労をなされたのでしょう」
「お気遣い、ありがとうございます」
とても取って付けたように、それでも優しく微笑むマクターナさんの言葉を受けて、こちらもまた必要以上の爽やかさで委員長が返す。
とりあえずの設定はアウローニヤの政変に敗れた没落貴族が家の金を持てるだけ持ってペルメッダに逃げ込んで、そこで冒険者としてやっていこうと考えた、ってところだけど、信用できないよな。
俺たちみたいな世代の貴族子息で十階位なんて、近衛騎士ですら……、むしろアウローニヤの制度上、近衛の方が怪しいか。
俺たちはよく知っているんだ。具体的にはチンピラから漂白されたハウーズとか。彼らはもうウニエラに旅立ったのかな、アーケラさんも。
俺たちが七階位ばっかりだったら、もうちょっと信憑性があったかなあ。
だけど俺たちの多くは黒髪黒目で、しかも半分は後衛職だ。こんなのペルメッダの冒険者業界ですら希少なのは確認が取れている。
「騎士が五名、【聖術】使いが四名、攻撃系術師が五名、弓士と投擲士が一名ずつで、斥候は専任が一名。文句のつけようがありませんね」
マクターナさんが書類に目を落としながら俺たちの情報を並べていく。
組合にも提出される契約書類には俺たちの名前と階位、簡単な役割が記載されているのだけど、もう茶番だな、ここまでくると。
「改めまして、ようこそペルマ迷宮冒険者組合へ。勇者のみなさんを迎えることができることを光栄に思います」
席から立ちあがり、俺たちに一礼をしてみせたマクターナさんの微笑み方は一切変わっていなかった。
◇◇◇
「そもそも、組合側ではアウローニヤに現れた勇者とされる人物の名を、全員分把握しています」
「偽名でも使えばよかったですかね」
弛緩した空気の中、マクターナさんと委員長が言葉を交わす。
組長を筆頭に、同席している『オース組』の人たちにも動揺した様子はない。事前にこうなると思っていたんだろうなあ。
アウローニヤの情報統制がザルなのは分かってはいたが、どうやら俺たちの名前と性別、神授職、ついでに外見までもがモロバレだったらしい。
だからといって情報を流したのが『オース組』でないことは確かだろう。こんなタイミングでネタバレをかます理由はどこにもない。
「それをしたところで、ですね。冒険者登録についてはご存じなのでしょう?」
「正式登録の時でいいかなと思っていたんです。驚かせたかったっていう意味じゃなくてですよ?」
「冒険者としてやっていけるだけの力を見せておきたかった、ですか」
「ええ、まあ。そうなります」
「心配はしていませんよ。【聖騎士】マコト・アイシロさん」
二人がしている含みのあるやり取りの意味するところは簡単だ。
正式に冒険者として登録される際に、俺たちは自己申告のほかに【神授認識】を受けることになる。
魔道具があるわけでもない世界だし、ステータスオープンをしたところでバレるのは神授職と階位だけだ。名前も年齢も性別だって表示されない。なので偽名は不可能じゃないんだ。
だけど俺たちの場合は──。
仮に委員長が偽名で、そうだな、初代勇者にちなんでアーサーを名乗ったとして、【聖騎士】のアーサーが冒険者登録をしようとすればどうなるか。
この五百年存在しなかった神授職を持つ者が、同じ時代に二人、アウローニヤとペルメッダに現れたことになる。そこに【聖導師】と【熱導師】なんてのが追加されるのだから、どう考えたってバレバレだ。
つまり一年一組は冒険者登録の段階で組合に勇者だとバレるのを前提として行動している。
そこに法的な障害は存在しない。なにしろ勇者が冒険者になってはいけない決まりなどないのだ。
そもそもアウローニヤが『勇者との約定』を解除した段階で、勇者は存在していないことになっているんだからな。アウローニヤの法律では、だけど。
「階位こそ公表しますが、神授職については自己申告です。正確な情報は組合の中だけに留められますのでご安心を。秘匿についてはそうですね、王国よりは自信を持てるとだけ」
「前にも言ったが、お前らが勇者かどうかなんて、そこらの連中にはわかりゃしないし、どうでもいいんだよ」
マクターナさんが組合自慢をして、ナルハイト組長はどうでもいいことだと笑ってのけた。
そういう程度で終わってくれれば万々歳なんだけどなあ。
「なにより力を見せておきたいという心がけがあるのはいいことだ。約束どおり、俺たちはお前らを勇者とか関係なく判断させてもらうぞ」
「はい。お願いします」
豪放な組長の言葉に委員長がキリっと返事をする。
茶番染みた勇者バレも終わり、やっと契約の話が進みそうだ。
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