第424話 可哀想な侯爵令嬢
「侯爵家と話し合いはしたんですか?」
「一度だけ。大使館の騒乱が落ち着いた段階で、事情を説明に上がりました。四日前になりますね」
「その時には話が出なかったってことですか」
「はい。その時点ではこの国も女王陛下が戴冠式を行うという情報しか持ち得ていませんし、元第一王子殿下の処遇も見えていなかったはずですので」
「なんか僕たち、間が悪くてすみません」
「いえいえ、それはいいのです。僕などは先ほどの食事で現実から逃避していたくらいですから」
大使館の応接室では
さっきまでのカニパーティでスメスタさんは楽しそうにしていたけど、心中は複雑だったんだろうなあ。俺たちに合わせてくれていたって部分もあったのかもしれないし。
クーデターの成功や、資金や物資が届いて嬉しいという大使館の人たちの気持ちは本当だったと思う。思いがけず侯王様の方からペルメッダはアウローニヤに与するという書面を貰えて、その点でも喜んでいたはず。
だけど棘は残っていたと。
まさに現実逃避したかったんだろうなあ。心配事がある時に良いことがあれば、一時でもそちらに気を向けるのはわかるし、ちゃんとこうして現実に立ち返っているんだから。
さて、本来の話題は明日からの俺たちの予定と、さっき侯王様から持ち掛けられた『拠点』の話を受けるかどうかになるのだけど、会話の流れでアウローニヤの抱える苦境を語る感じになってしまっている。
とはいえ俺たちはアウローニヤに恩義があって今もこうして頼らせてもらっているし、この件はさっきの拠点の話と合わせると、一年一組に影響を及ぼしそうな気がするんだよな。
というか、スメスタさんがあえてリンパッティア様の話を持ち出したのも、俺たちに関わってくる可能性を感じているからだろう。
みんながこの話をどう思って聞いているかはそれぞれなんだろうけど、中にはニヤついているのまでいるのがなあ。
恋愛モノ好きな
「本日については、勇者のみなさんに会いたかったというのは侯王陛下の本音でしょう」
「たしかに僕たちのいるところで、その、リンパッティア様の話を持ち出すのは筋が通りませんね」
「そうなんです。ですが同じ理屈で我が国とペルメッダの友好をみなさんの前で宣言したのも、おかしな話になるでしょう?」
「なるほど。だからスメスタさんは『勇者の功績』なんて言ったんですね」
「申し訳ありません。アウローニヤとしても牽制しておく必要がありましたので」
スメスタさんと委員長のやり取りがややこしくなってきた。
ええっと、侯王様が勇者に興味があるっていうのは理解できる。実感もしたしな。
そんな場面でアウローニヤの外交が絡む話題を出すのは違うだろう、ってことか?
で『勇者の功績』のくだりについては本当にわからん。
アレっててっきり、スメスタさんが俺たちを持ち上げるための方便だと思ってたんだけど。
「ごめん
読めない状況に俺は綿原さんを頼ることにした。
横に座るミリオタな
「侯王様が『勇者に免じて』アウローニヤを認めてやるって言ったから、スメスタさんは『勇者は女王様と仲良し』だって返したってところかしら。たぶんだけど」
「……ややこしいよな。俺たちはモノじゃないのに」
「そうね」
お互い小声でのやり取りなわけだけど、綿原さんの解釈としては、要は両国が勇者を重視しているんだぞ、という意地の張り合いってところだ。
そういうヒントをもらえれば俺にもある程度が思いつく。
ペルメッダの侯王様は俺たちに会う理由としてアウローニヤの女王即位を認めた以上、口にしていなくても勇者のお陰と言っているのと変わらない。
それをスメスタさんはあえて言葉にすることで、勇者と女王様との絆を明確にしたってところか。
だから、ややこしいって。もうこういうのは委員長に任せよう。
あとで多数決とかになった時は、俺なりの感情で手を挙げさせてもらうことにするとして、黙ってこの場の流れを見届けることにするのだ。
これは逃げではなく、範疇の外だから。俺の役目とは違うはずだ。
「リンパッティア様と元第一王子殿下との婚姻を望んだのはアウローニヤ側です」
バツが悪そうにスメスタさんがリンパッティア様の件について説明を続けるけれど、最悪だろ、これは。
アウローニヤを治めるレムト王家はウニエラ公国の血を迎え入れている。あのイケメン第一王子はウニエラ公王の甥にあたるし、女王様は姪となる。
そこに新たにペルメッダの血をも受け入れたいと考えたのは、帝国に立ち向かうに当たりある意味当然の行動だったのかもしれない。
アウローニヤ王国にとっては決して敵に回したくない友好的なふたつの国だ。婚姻政策はこの手の話を異世界モノで知る俺からしてみれば普通の手段に思える。
ただそれが、ペルメッダ侯爵家として面白いものかどうかとなれば、話が変わる。イヤな感じしかしないぞ。
なにしろいつ帝国に呑み込まれてもおかしくないのがアウローニヤだ。しかも内部は腐りきっているときた。
それでもペルメッダはアウローニヤとの友好関係を継続したい。過去の遺恨はあれどもだ。
つまりリンパッティアという人は、友好を条件にペルメッダがアウローニヤに差し出した生贄。よくて人質か。
ウニエラ出身の王妃様がアウローニヤに来た頃は、まだハウハ王国が生き残っていたから帝国の圧もそれほどでもなかったはずなので、今回の婚約とはワケが違う。
酷い話だ。
たとえあの第一王子が現実の三倍くらい良い人だったとしても帝国はいなくならないし、宰相の黒さも消えたりはしない。
そんな魔境に娘さんを送り込む侯王様や次の侯王、つまりリンパッティア様のお兄さんと、なにより本人の心中を思うと、なんともやるせなくなる。
「予定では一年も経たぬうちに、元第一王子殿下が立太子するのに合わせ、婚姻の儀を執り行う予定でした」
スメスタさんの言葉が虚しく部屋に響き渡る。おかしいな、窓は開いていないのに風が吹き抜けたような。
俺たちが加担し、女王様が起こしたクーデターは様々な人々に影響を及ぼした。俺たちみたいな高校生ごときが想像もできない範囲にまで。
リンパッティア・シーン・ペルメッダ男爵というのが、その人の現時点における肩書だ。あの豪放な侯王様が思いやりなのか、それとも箔付けなのか、アウローニヤに送り出すに当たり男爵位を授けた侯爵家の長女。
そんな人の行く末が、今現在、完全に宙に浮いているのだ。
「ええっと、アウローニヤとしてはどうするつもりなんですか?」
居たたまれないと顔に字を書いたような表情で、委員長はスメスタさんに問いかける。
さっきの侯王様襲来の一幕で、委員長はこの話がいつ出てくるのかと身構えていたのかもしれない。
ゴメン。俺なんかは侯王様のお相手で手一杯だったし、そのあとのスメスタさんの外交談話とカニ騒動で、名前が出てくるまですっかりこの件を忘れていた。
「それはもう、ペルメッダ侯爵家の判断を仰ぐほかありません」
「そりゃ……、そうですよね」
乾き切った笑みでスメスタさんは当然の解答をしてきた。
委員長が代表して相槌を入れたが、この場の全員が同じ気持ちだろう。
「アウローニヤ側から持ち込んだ婚姻です。さすがに成されることはあり得ませんが、こちらから断りをいれるのは……」
「面子の問題ですか」
「そうなります。侯爵家からのお言葉を待つしかないというのが実情です」
スメスタさんの言葉を聞いて、委員長は面子という単語を使った。
まあ俺にも理解はできる。国同士の約束事が、代替わりしたらご破算なんていうのは、そうそう通ってもらっては困るし、無理をして持ち掛けたのはアウローニヤの側だ。
ペルメッダ側には怒る権利が……、ありすぎだな。
「先ほどの関税引き下げについても、アウローニヤから提案できる譲歩のひとつなのですが」
詫びに金を絡めるのは楽しくないけれど、スメスタさんの権限でできるのはそれくらいか。
しかも向こうからの出方を待っているという状況だ。関税下げますから婚約は無かったことで、なんて言い出しにくいだろうなあ。
いや待て。こんな話をこの場でスメスタさんがした理由を思い出せ。
「つまりスメスタさんは、侯王陛下が僕たち勇者に何かをしてきた場合、リンパッティア様を持ち出されるとアウローニヤとしては弱い、と言いたいんですね?」
「……全面的に折れるつもりはありませんが、やりにくいことにはなるでしょうね」
「それでさっきの『拠点』の話ってことですか。スメスタさんはどう考えます?」
委員長の言葉がやっと拠点に繋がった。
俺なんてリンパッティア様に同情していたくらいだけど、一年一組全体に影響が出るとなれば警戒しなければならないよな。
「はい。ですがお待ちください。大切なのはここからなのです。僕もやっと見えてきた気が……。すみませんがここで一度、お茶にでもしませんか」
さっきまでと同じく乾燥した笑みを浮かべるスメスタさんだけど、雰囲気が少し変わったような……。
そう、これまで何度か見てきた、スメスタさんが一芝居をする時の空気に。
お茶を用意するために立ち上がった職員さん二人も、どこか諦めた感じだけど、どういうことだ?
◇◇◇
「ここまでの話は、全て僕たちアウローニヤ大使館側から見た、常識的な内容です」
「はい?」
湯気を立てるカップを持ったスメスタさんが、疲れた表情を取り繕って、妙なことを言い出した。
同じくお茶の入ったカップを手にする委員長が間抜けた返事をする。
俺たちも似たようなものだ。なんでいまさらそういう話になるんだろう。
いや、スメスタさんの表情が変わってきている。そこにあるのはなんだ?
自嘲、諦め、呆れ?
「国と国との面子を賭けたやり取り。当然の駆け引きです。侯王陛下は商売に長けたお方ですから、抜かりなく攻めてくるはずでした」
「はず?」
さっきから委員長の返事が疑問形ばかりだな。相槌担当お疲れ様だ。
「唐突な訪問に、有無を言わせず国書を晒す。さらには僕たちの面前での勧誘紛い」
やはりスメスタさんの口調が変わっている。
ペルメッダの歴史を語っていた時の様に、どこか芝居がかった風に。
「たしかに侯王陛下らしくはあるのですが、普段よりアクが少々強かったんです」
あれを少々と表現するのはどうかと思うけど、たしかに押しは強かったとは思う。
「みなさんはリンパッティア様をどう思われましたか?」
「ど、どうって、結婚が無くなりそうで、可哀想かなって」
急に話題を変えたスメスタさんから、たまたま視線を投げかけられたメガネ忍者な
たしかに概ね、俺もそんな感じに受け止めているけど、会ったこともない人だからなあ。
「ねぇ、スメスタさん」
「なんでしょう、ヒキさん」
ここで口を挟んできたのはチャラ子の疋さんだ。
そういえばさっきから疋さん、みんなと違って、どこかニヤついていたよな。なにかに気付いてたとか?
「すっごく根っこなんだけど、聞いてもいいかなぁ? です?」
「ええ、もちろん。口調も普段のままで構いませんよ」
「そりゃ助かる。でねぇ、リンパッティア様? この婚約をどう思ってたのかなぁ、って」
「……とても嫌がっておられました」
ここに至って、スメスタさんの笑みが完全に質を変えた。乾いたものではなく、なんというか、諦めた感じの笑い方に。
「それって、どういう風に?」
「それはもう、アウローニヤでは贅沢三昧をして、帝国が手を伸ばしてくるようなことになれば、持てる限りの財貨を持ってペルメッダに戻る、と。とてもわかりやすくお怒りに」
「そういう人なんだねぇ。みんなさぁ、悲劇のお姫様って、決めつけすぎっしょ」
もはや悪口としか思えない内容でリンパッティア様を語るスメスタさんから視線を逸らし、疋さんはクラスメイトたちにケラケラと笑いかける。
「アタシ、なんとなくだけどさ、すぐに会えるような気がするんだよねぇ、お姫様に」
「すごいですね、ヒキさんは。僕もそんな気がしてきました」
「でもその方がスメスタさん、楽になるっしょ?」
席から立ちあがった疋さんは、スメスタさんに歩み寄り、ポンと肩に手を置いた。
「どちらかといえば、諦め、ですね」
そんな疋さんを見上げたスメスタさんは、泣き言っぽいことをこぼす始末だ。
髪を軽く茶色にしたチャラい女子に慰められるイケメンお兄さんの図か。なんともはや。
だけどああ、なんとなく俺にも見えてきた。
「全ては明日になってから、ですね。みなさん、今日はゆっくりお休みください。明日の午後は市街の案内をする予定です。夜には冒険者『オース組』との会合となりますが──」
急に打ち合わせを終了させにくるスメスタさんだけど、俺たちの誰もが異論をはさむことはできなかった。
スメスタさんはたぶん、なるようにしかならないと判断したのだろう。ついでに一年一組にも影響が及ぶかもしれないけれど、拠点の件も含めてイザとなれば自分が泥をかぶる覚悟を決めたというか。
だからこそここはひとつ、確認しておく必要がある。
◇◇◇
「……先触れすら無しですか。お通ししてください」
翌朝、食堂で朝食を終えてお茶の時間となったところで、顔色を悪くした職員さんがやってきて、スメスタさんに耳打ちした。
スメスタさんがため息を吐くように言ったセリフを聞いて、俺たちはいろいろと察したのだ。
「わたくしの名は、リンパッティア・シーン・ペルメッダ! ペルメッダ侯爵家が長女ですわっ!」
応接に移動する間すら設けさせずに食堂まで乗り込んできたその人は、高らかに名乗りを上げた。
この世界に呼ばれていくつか見てきたが、その中でも一番ド派手な深紅のドレス。元第二王女のベルサリア様が紺色のドレスを着ていたけれど、それをさらにゴージャスにした感じだ。
ドレスの形式なんて知らないから形容しにくいが、似合ってはいるんだと思う。
長く膨らんだスカートと、肘までの袖のせいで意外にも露出は少ない。ああいう真っ白で長い手袋ってなんていうんだっけ。右手には閉じた扇が白く輝いている。似合ってるなあ。
これまたベルサリア様との比較になるが、背は高い方だと思う。百七十ってところかな。
とてつもなく整った容貌をしているが、釣り上がった鋭い目には緑色の瞳が輝き、口元は邪悪さすら感じる程に歪んでいる。なるほど、たしかにイケオジだった侯王様にどこか似ているな。
そしてなによりの特徴は、見事に金色な髪が肩から前に二本、背中に二本。そう、巻き髪だ。俗に言うドリルヘアー。
「完璧な悪役令嬢じゃねぇか」
「間違いない。悪役令嬢だ。生粋の」
イケメンオタの
「ねえ、ですわって言ったよっ、ですわって」
「
文系オタの
ところで白石さん、素敵ってどういうことかね。
白石さんと真逆のタイプだろ、あの人。だから良いのか。
「いや~、ここまでとはねぇ。先生、良いって思うっしょ?」
「悔しいですが……、良いですね」
そして異世界モノを知る疋さんが話を振れば、なんと
先生……、本気ですか。
いや、俺も気持ちはわかるんだ。
だってなあ。モノホンの悪役令嬢なんだぞ。
集う異世界オタ組は、全員が全員、感動に身を震わせていた。
食堂の扉を潜り、立ち上がって出迎えた俺たちを睥睨しながら、リンパッティア様は当たり前のようにお誕生日席に向かう。カツカツとハイヒールが立てる音が心地いい。
歩くたびに揺れる四本のドリルがキラキラと煌めく。ああ、カッコいいなあ。
引きつった笑みで扉の傍に立ったままのスメスタさんとの対比が酷いのは、見なかったことにしておこう。
「はじめまして。お会いできて光栄です。俺はユズル・フルニラと申します。お見知りおきを」
「なかなか殊勝な態度ですわね。なるほどたしかに黒髪黒目。勇者ということですわね」
「ありがとうございます」
「ですが強さと気高さを示してこそ勇者ですわ。外見は二の次。活躍を期待していますわよ、フルニラ」
「はい!」
初手の挨拶は古韮の担当になった。一年一組から放つ様子見の一手。
お褒めの言葉と、ついでに勇者認定をいただいた古韮は、ガバっと頭を下げる。ノリノリだな。羨ましいぞ。
打ち合わせでもしたかのようなやり取りになっているのもすごい。
というか、いいこと言うよなあ、リンパッティア様。もしかしてこれは期待以上か?
昨日の夜のうちにスメスタさんからリンパッティア様の容貌と人となりを聞き出した俺たちは、話し合いの結果、古韮を先発させることにした。
というかアイツ、立候補しやがったのだ。自分から役目を背負いにいかないムーブを好む古韮にしては珍しいパターンに皆は驚き、そして一部は納得した。
一瞬だけ先生が名乗り出ようとしたのを俺の【観察】が察知していたが、それは置いておこう。
『侯王陛下を奔放にされたようなお方です。けっして無体はしませんが、言動が少々──』
スメスタさんによるリンパッティア様の人物評を受けて、俺たちは決意した。堂々と立ち向かうことを。
主に対応するメンバーは古韮、野来、白石さん、疋さん、俺、そして先生。異世界オタグループだ。
委員長は苦笑し、副委員長の
俺としてはオタ組のノリについていけなかった綿原さんがちょっと寂しそうだったのが無念だ。この手のテンプレパターンを雑談で教えてあげてはいたが、こういうのはやっぱり何本も読み込まないと実感できないのだろう。
日本に帰ったらお勧めを紹介するから、もうちょっと我慢していてほしいかな。
さて、なにも俺たちはテンプレなどを期待して、こうしているわけではない。
この世界は有りがちな異世界っぽい要素と、そうでない部分を持っている。オリジナリティだな。
目の前に仁王立ちしているリンパッティア様が、俺たちの想像どおりの悪役令嬢とは限らないのも重々承知している。
その上で立ち向かわなくてはならないと判断したのだ。昨日の侯王様襲来の時点で、この状況が推測できてしまったのだから。
テンプレだといいなあ、と思いつつもだけど。
昨夜俺たちとした会談の途中で、スメスタさんは侯王様の来訪と言動からリンパッティア様の影を察知した。
途中までの可哀想な令嬢っぽい話はなんだったんだろうな。最初っから人物像を教えてくれていれば、受け止め方も全然違っただろうに。
そして自分の力が及ばないと判断したスメスタさんは、結局俺たちに一任してきたのだ。
さて、ここからはテンプレに期待しつつもアドリブとなる。はたしてどんな展開に──。
「勇者たちとの挨拶を楽しみたいところですが、その前に。アウローニヤ外交官、スメスタ・ハキュバ」
「は、はい」
長テーブルの上座と下座に分かれたような立ち位置で、文字通りの上から目線でリンパッティア様がスメスタさんの名を呼んだ。
「わたくしリンパッティア・シーン・ペルメッダは、アウローニヤ王国元第一王子、バルバラット・フォーム・レムトとの婚約を破棄いたしますわ!」
世にも珍しい、悪役令嬢側から王子へ向けた婚約破棄宣言であった。
それとリンパッティア様、第一王子の名前を盛大に間違えてるんだけど、本当に眼中に無かったんだなあ。
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