30話記念 過去編② 夏楓さんとの出会い

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 お久しぶりです。

 過去編①を読んでいない方、話の内容を復習したい方は以下からどうぞ! 

https://kakuyomu.jp/works/16817330668058348833/episodes/16818093075274800281


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 お昼休みが終わっても、僕の頭の中は先輩のことでいっぱいだった。


「麻倉夏楓センパイ……かぁ」


 あまり他学年の生徒と関係を持っていない僕でも何となく知っている。よくあるラブコメのようだが、容姿端麗&女神のような性格。当然のことながら惚れる男子は数知れず。うちのクラスでもまぁまぁ話題になっている。おまけにダンス部のセンター。控えめに言っても魅力的で完璧なステータスだ。


「まぁ、昨日うちの部室に来たのは偶然か」


 そんなこんなで、放課後。部活の前に借りていた本を返そうと図書室へ向かうと、新刊のコーナーに彼女がいた。


(なんでいるんだ……?)


 新刊コーナーと睨めっこしているし、本を借りるためだろうか。周りには誰もいないことを確認して、声を掛けてみる。


「あの、こんにちは先輩」

「あ、昨日の。やっほー」


 いきなりフレンドリーな挨拶。でも何故か「あざとさ」とかそういうのは全く感じなくて、純粋に綺麗な笑顔だなぁと思った。


「先輩はここで何をしているんですか?」

「見ての通り、恋愛小説を探しているのであります!」


 えっへん、と言いたげに先輩は胸を張る。


「なるほど……。先輩は恋愛小説が好きなんですか?」

「うーん。あんまり本を読んだこと無いからわかんないけど、キミの書いた恋愛小説を読んでから、すこし”お話”というものに興味がでたの」

「……そ、そうですか。そう言ってもらえるとなんだか照れますね……」

「えーなんでよぉー。ていうか、キミのおすすめの本教えてよ」

「及川でいいですよ。僕は及川奏音って言います。えっと、先輩は……?」

「私は麻倉夏楓。夏楓でいいよぉ」

「ええっと……麻倉先輩ですね。じゃあ先輩の好きそうな本を何冊か持ってきますよ」

「本当? ありがとう、奏音くん!」


!! いきなり下の名前……。噂通り距離の詰め方が早すぎる……。


 そんなことを思いながら僕は先輩の好きそうな本を探し始めるのだった。

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