20話記念 過去編① この感情は……何だろう。
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祝20話! いつもありがとうございますぅぅぅぅ!
今回は、20話記念ということで、本編から離れて、奏音と夏楓の付き合う前のお話です!
では、過去編へGO!
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昨日、急に部室にやってきたあの綺麗な女の人は誰だろう。
今日の奏音の頭はそれで持ちきりだった。苦手な数学の授業でも、いつもならしっかり授業を聞いているところを今日は心ここにあらずといった感じだった。
四時間目の授業が終わり、湊音と萌がいつものごとく僕の席に集まってくる。
「おい、奏音。どうした。朝からずっと変だぞ」
「奏音くん、珍しく授業聞いてなさそうだったし」
ちゃっかり近くの席の椅子を借りてきて、僕の机の上に弁当箱を広げる萌と、購買のパンにかじりつく湊音。
「うん? いや、昨日ちょっとな」
「? なんかあったのか」
萌の弁当箱から卵焼きを一つ横取りしながら湊音が言う。……卵焼き勝手に取っていいのかよ()
「ああ、昨日部室でパソコンいじってたら、急に綺麗な女の先輩が来て、その人僕が前に書いた恋愛小説を読んでくれてたみたいで、めっちゃ褒められた。あと、これからも僕の作品読みたいって言ってくれた。なんかそれがめっちゃ嬉しくて。……でも、結局誰だったんだろうあの人」
「へー。感想言うためにわざわざ部室に来るなんて珍しい人もいるもんだな」
「どんな人だったの?」
「うーん。黒髪ロングの清楚を極めたような美人さん。多分先輩だと思う」
「あーなんかそれっぽい人聞いたことあるかも。二年生でめっちゃ美人がいるとか」
「……待って、私その人知ってるかも。うちのダンス部の先輩かも」
「……確かに、言われてみればあの時制服じゃなくて体操着着てたな
「お。ちなみに萌の言うそのダンス部の先輩の名前は?」
「麻倉夏楓先輩。めちゃくちゃ綺麗な人だよ。スタイルもいいし、性格もいいの。部活の時にたまに飲み物買ってきてくれるんだよ。成績は普通みたいだけど。二年生の男子からめっちゃ人気って聞いた」
「あーそうだ、オレが聞いた人の名前、麻倉先輩だ。もしかして奏音が昨日会ったって人その人じゃない?」
「……かもな」
麻倉夏楓先輩。容姿も綺麗だったけれど、名前も可愛らしいな……。ってあれ、何考えているんだ僕は。たった一度会っただけの人のことを朝からずっと考えているなんて。でもなぜか、あの人のこととか、昨日のあの人との会話を想像すると、心が熱くなるというか、でも少し焦るような感じがする。僕の小説を初めて素敵だと褒めてくれた人だからだろうか。それもちょっと違うような気がする……。といった感じの今までに感じたことのない感情が僕の心に押し寄せてくる。
この感情は……何だろう。
「でさ、もしかして奏音くん、その人に惚れちゃってたり……?」
萌が僕の目を見ながら核心を突くような爆弾を投下してくる。それを聞いて、何故か僕の胸は大きく高鳴ったのだった。
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過去編の続きは、30話記念の時を予定しています。お楽しみに!
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