フィンブルヴェトル シュピール様
【タイトル】 フィンブルヴェトル
【作者】 シュピール
【ジャンル】 現代ファンタジー
【執筆状況】 完結
【形式】 短編
https://kakuyomu.jp/works/16817330667190435271
深夜に隣の部屋から聞こえたノック音。それで目覚めた主人公は、壁越しに隣室の少女と話し、外の世界が凍り付いていることを知ります。
隣人の生活音が気になるという経験は頻度や大きさの違いはあれど、一度くらい経験がある人が多いのではないでしょうか。ドアや窓の開閉音で、隣に人がいるなと気づくことがあっても、顔を見たことはないという人も居ると思います。しかしながら、顔を見たこともない隣人と壁越しに会話するという体験をしたことがある人は、少数派なのではないでしょうか。
この作品はリアルと非現実感が良い感じにマッチしていると感じました。
私は読む時にジャンルをちゃんと確認しないし、あらすじも読まないというのは今まででも書いています。この作品も確認しないで読み始めたので、最初は現代が舞台で、隣人との交流を描いたお話なのかなと思いました。
その予想がまるで違うと気づくのは、主人公が隣人の声に導かれて窓を開けてからです。外の世界は凍り付いており、異常事態が起こっていると主人公は気づきます。それと同時に、これは現実を舞台にした作品ではなく、非現実的なことが起こっている、ファンタジー作品なのだと突きつけられました。
主人公と読者が驚きを共有できる構成は、読者を物語にのめり込ませる、強い力を発揮すると思います。全く共感できない主人公よりは共感できた方がいいですし、上手い作家さんは読者が「これが知りたい」と思ったタイミングで、情報を提示するそうです。
私も今知りたい情報を提示してくれる小説は読みやすく、違和感なく物語に没入出来ます。逆に、なかなか知りたい情報を出してくれない小説は読むのが遅くなります。
あえて情報を出さないという手法もありますが、あえて出さない場合においても、上手い方は「今は明かせないけど設定はちゃんとある」とそれとなく匂わせてくれます。読み進めていけばあなたの疑問は解消されると、約束してくれるわけです。細かいことですが、それがあると、ないとでは読み進めるにあたっての安心感が違います。
この作品は短編作品ですので、全ての謎はあかされません。
真相は別作品にて明かされるようです。それでも何かあるなと、別作品が気になるような構成と情報の開示をしてくれています。
コレクションにまとめられているので、おそらくこちらの作品だと思うのですが、違ったら訂正してください。
https://kakuyomu.jp/works/16817330665639889575
興味を持たれた方は、こちらも読んでみてはいかがでしょうか。
企画に参加いただきありがとうございました。
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