高速道路 前編


 高速道路に来たのはいいものの、目的地まではここから歩いて2日ぐらいかかりそうでかからなそうな位置にある。


 車でスゥーと行けたら良いが、辺りには数えられないぐらいの破壊された車とぶちまけられた様々な物が道路を塞いでいる為、車が通れる訳が無く第一俺達はまだ車の免許を持っていないてゆうか持てない。


 ぶちまけられ物の中には医療品や食料品、毛布などの避難生活欠かせない物資類が、ありその中には損傷していなくまだ使える物もちらほらあった。


松田「よしまだ使える物を集めて有効活用でもするか」


大吾「だな」


 鼻歌でも交えながらまだ使える物を見極めて拾っていく。


真奈「おーい。落ちてる食料品は缶詰だけ拾った方がいいんじゃない?缶詰以外はなんか汚いし」


大吾「保存期間も長いしそうするか」


真奈「おっけー」


 しばらく拾い続け缶詰と医療品を何個かを集めることが出来た。


 やや寄り道をしたが、移動を始める。しばらく歩くと事故車ゾーンを抜けたのか、事故車や放棄された車が少なくなってきた。


真奈「はぁーかなり広くなったね」


大吾「結構、すぐ抜けれたな」


松田「意外とIC近くで事故りまくったのか」


 高速道路特有の景色を遮る壁も無く一関の全貌が見えた。


松田「何度観ても綺麗だ…」


 一関市内にはフオンに居た人達のようにまだ生き残っている人々は居るのだろうか?。


 それとも、もう避難したか。最悪の場合感染者になるのを恐れ、自らの手で……っていう人も居るかも知れない。


 建物が一部破壊、若しくは崩れていたり更には煙や火上がっていたりと見慣れたはずの景色はなんだが別の景色のように感じた。


松田 (平和だった一関市はもう見る影すら無いな…)


大吾「何、見とれてるんだ。早く行くぞ」


 ヴォオ゙オァア゙ァア゙


 ゴッキッ!ゴッゴッ!グチャッ!


真奈「早く行こッ広々となった代わりにここ結構見つかりやすいからッ!」


大吾「うぉ!だからどけって!」


 ガンッ!ザクッザッッ…ザシュッ


松田「悪ぃ行こう!」


 俺は、崩壊した一関市を後に走り出した。


大吾「まぁ分かるいい景色だよな。ほらあそこ僕が通ってた高校。」


 大吾はそう言い、遠くを指差す。しかし遠く過ぎで薄れている為よく見えない。


真奈「遠く過ぎて分かんないなーあそこの学校じゃないの?」


 真奈は高速道路からすぐ近くに見える学校を指差す。


大吾「ちげーよあそこは…確か工業高専だな」


 雑談を交えながら、歩いて行くこと10分。俺達はある風景を目の当たりにする。


松田「どうりでICの所にあるはずの警察車両が無いはずだ。」


 そこには、沢山の警察車両がバリケードを作っていて簡易的な検疫所みたいになっていた。


 しかし、もう既に人は居なく警察車両の一部も車が突っ込んで居たりボロボロに破壊されている。


真奈「なーんだ警察ゾンビは居ないんだ。

警棒とか拳銃とか欲しかったのになぁ〜」


大吾「いや居ない方がマシだろ。もし警察が感染者を殺すのは犯罪って考え方だったら?そしたら僕達は凶悪犯になるよ」


松田「感染者殺しても何とも思わないサイコ野郎になるってことか」


大吾「そうd──」「その心配は無い!」


松田「は?」真奈「誰かな?」


大吾「また………」


 突然、声がかかる。生存者だ検疫所のテントの中から聞こえるその声の持ち主は、ゆっくりとテントから出てきた。


大吾「あの遮らな──」


「さぁ!君達は?何名グループ!?かな!検疫所は初めて?ごめんね〜ちょっと体を調べるだけだからほら?ほら?」


大吾「………チッ」


真奈「え?キモ〜男じゃなくて女警官は居ないの?」


真奈はそう言う、すると突然警官は激昂し。


「そんなババア共居ねぇよ!」


と、俺達を怒鳴りつけた。大吾はビビりながらも警官と話をする。


大吾「あ、あの僕達、えっと通してくれませんか?検疫なんて」


「感染病を広める気かい?」


大吾「え?」


「君達!検疫を受けないとまだ感染が広まっていない宮城にまで感染がッ!」


この警官はおかしい。俺は瞬時にそう理解し警戒する、そして試しに宮城の現状を説いた。すると


松田「いや宮城はもうめちゃく──」


「黙れ!大人しく!検疫を!……いやもういい…ヒヒヒ…もう皆、死んだんだ!ふふふ!感染して!俺が殺したんだ!ハハハハハ」


と、突如発狂でもしたかのように笑いだし自身が感染した仲間を殺したことを打ち明けたかと思ったら。


「お前みたいな感染を隠して移動しようとする馬鹿のせいで馬鹿のせいで!俺は人をハハハハハハハハハハ!だから…な?お前らは俺みたいな警察に感謝して…いや違うな。俺の言うことを聞くべきなんだ」


警官はまた突然激昂し、全く意味不明なことを言い始めた。


松田「何を──」


俺は、再度質問をする。次の時───


 パンッッッ


 何かを破裂させたような乾いた音が鳴る。俺は顔を青ざめる。


松田「銃だ。マジで撃ちやがった!」


咄嗟に体を見た撃たれていない。


 しかし、


「お前らは……ふふふ…お前ら言う事を聞けよ……」


 頭のおかしい生き残りの警察がこちらに銃を向けていた。


「両手に手を挙げて武器は捨てろよ」


 真奈「ちょっと頭、おかしそうだね?人殺しに耐えきれなくなって狂った?」


 パンッッッ!


「黙れ!早く捨てろ!」


 俺達は急いで武器を捨てる。真奈も流石に武器を下ろしたようだ。


「そうだな…まずは女だ。……ふふふ身体を検査するだけだからこい……こい!!」


真奈「うわ……」


 真奈は仕方なさそうな顔をして連れてかれる。


大吾「お、おいやべよ」


大吾が焦っている。しかしこちら側にも勝率はある。


松田「いや…あいつ馬鹿だな。武器と男二人を残すなんて背後取られ放題じゃん」


 武器を拾うと俺達は、バレないよう音を立てずにテントに近づいた。


真奈「キモイよ。普通分からないの?」


「話を聞いとけば!お前ら!お前らは!そうやって…いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも!ふざけんなぁ!」


 パァンッ


 男は絶叫すると、真奈の頬を平手打ちで叩き付けた。肉を叩く痛そうな音が鳴り響く。


真奈「痛!…お前!ふざっ─は?辞めろ!触んな!マジで気持ち悪い!」


「ふふふふふふ…見た目どうりだな……」


 テントの中から聞こえてくる声を聞き俺達はあのやばい警官がナニをするか察した。急いで止めなければしかし、裏から隙をつかないと拳銃で──


大吾「早く行くぞ!突撃!突撃!」


松田「ちょっと待っ──」


 ダッッッ


 大吾はテントの中へ突入する。慌てて俺も中へ突入していく。


「な、なんだ!邪魔だっ!」


 大吾は警官に掴み掛かると警官を奥まで押し出した。警官は驚いた拍子に転倒しそうになり、かなりを隙を見せた。


大吾「辞めろぉぉぉおおお!!!!!!」


 その隙に大吾は警官を武器で殴りつける。

 が


「クソガキがっ!舐めんじゃねぇ!」


 ゴッ!ガッンッ!


 警官が放った拳が大吾の顔に当たり、大吾が殴り付けた武器も警官の頭に当たった。


大吾「ぐぇがっ… 」


「あ、ぁあ……」


 打ち所が悪かったのか警官の意識は無くなっていた。これらが突入から僅か3秒〜5秒間で起こり俺は一瞬過ぎて理解するのに時間がかかった。


真奈は無事だった。大吾が素早い突入をしたおかげなのかもしれない。


真奈「ありがとう助かったよ。今回の大吾凄かったねぇ流石、見込んだだけあるなぁ」


松田「すげぇよ大吾!マジで。なんかすまねぇ一緒に突入するはずが……」


大吾「いやこっちこそいきなり突入したのが悪いし…それより痛てぇあの警官やば過ぎ」


 大手柄を上げたのは良いが、あの時の相打ちで大吾の鼻からは、鼻血が出ていた。しかし顔は腫れていなく幸い傷も対して出来てなかった。


 真奈も身体を触られただけで済んだらしく本人も対して気にしてはなかった。


真奈「こいつが目を覚ます前に早く逃げようか〜」


松田「だな」大吾「賛成」


 大吾の顔の手当てが終わった後、テントを出ると警察車両を乗り越え走り出した。ここらへからは山ゾーンな為、感染者は少なく走れば逃げ切れる数だ。


 走るといっても、武器や荷物の重さも相まって対して早く走れない。


松田「早く…出来るだけ早くあのやばい奴から離れねぇと」


真奈「もう私はあんなことは懲り懲りかな〜」


大吾「じゃあ止まらずに走るしかないな」


 息が荒くなってくる。大吾は鼻血が出てるのに走ったせいで鼻血が止まらず逆に出血量が増えて来ている。


 後ろを見ても、警官は追ってきて居ない。俺達は一旦休憩をとることにし近くの影になっている所に身を潜めた。


大吾「すまん鼻血のせいで」


松田「いやこれは女性を守った名誉の傷だ。誇りを持て」


真奈「なんだよそれーw」


狂った警官への恐怖は一瞬にて消え気づけば雑談を楽しんでいた。


 ────────


 検疫所のテント内、未だ視界がボヤけ辺りが余り見えない。あのクソガキに頭を余程強く殴り付けられたようだ。


 しかし、机を見ると拳銃があった。盗まれてなかったようだ。


「ふふふ…ふふふふふふ。馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ!!拳銃を机に置いといたままにするなんて…ふふふ…余程俺に殺られたいようだな…いや、もう我慢出来ない …男の方も可愛かったな…殺る前に男女両方にあんなことやこんなことを…ふふふ楽しみだな………」


 男はそうブツブツと呟くと警察車両を乗り上げ頭を抑えながら歩いて行くのであった。

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終末日本 フワモコ @fluffymoco

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