一関IC


真奈「そういえば松田?」松田「何?」


真奈「フオンって今どうなってるのかな?」


松田「うーん?特に誰も居ないかな!」


真奈「へぇ〜じゃあさゾンビもどき《感染者》しか居ないんだ」


松田「うん、そうだよ」


真奈「じゃちょっと待ってて〜」


大吾「え?良いのか?あいつ行かせて」


松田「まぁいいでしょ」


 パリンッ


 何かが割れる音共に真奈が走ってくる。腰のベルトにあった火炎瓶が一つ無くなっていた。


松田 (あっこいつマジだ。まぁいいか清々した。)


大吾「おい!おい!投げたのか?…え?」


真奈「まぁいいでしょ〜それより早く逃げよ♪」


 灰色の煙を出し始めるフオンを横目に俺達は一関ICまで走り出した。


 途中、足音で何体かの感染者にバレたりもしたが


 ヴァガェア゙ヴァ゙ア゙ァ゙アア゙


松田「やべッバレてるって」


真奈「任せてぇ」


 真奈がそう言いながら感染者に向かって火炎瓶を投げつけた。


 パリンッ


 ガラスの割れる音を出したかと思えば感染者の体が一気に燃え上がった。


 ァ゙ァ゙ァァ゙ァァ゙゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ


 感染者は苦しそうな唸り声をあげると何体か倒れそのまま火に飲まれていった。


大吾「感染者って痛覚あるのかな」


真奈「知らないけど、まぁどっちでもいいんじゃない?どうせ殺すし」


 肉の焼けた匂いがする。いや正確には、人肉の焼けた匂いが鼻を包み込んだ。


松田「うわ気分最悪」


真奈「私はそう感じないな〜」


 マジで1ヶ月の間に何があったんだよ!こいつは!。


 そんな最悪な匂いも走り抜けるとしなくなり新鮮な空気が鼻を透き通って行った。


真奈「おぉ!着いたァ」


 一関IC、一関から他県、他地域に行くのによく使う高速道路の入口だ。


 入ってすぐに料金所があるが、何ヶ所も車が無理矢理突っ込んだ後がありめちゃくちゃに破壊されていた。


大吾「恐らくあの時、高速道路から逃げようとした人達の何人かが突っ込んだんだよ」


松田「そうとうなパニック状態だったんだろな無理も無い」


 料金所を抜けある程度進むと、交通警察隊の建物があるが警察の車は一つもなく建物も、燃えカスとなっていた。


 そして驚愕したのは、高速道路に出てからだ。


 高速道路に出て俺達が見た風景は、沢山の車が他の車と衝突して中からはグチャッとした人が見えたり、壁にぶつかり原型をとどめていないバイク運転手、両方から車が突っ込んだの中は、ペシャンコ何も見えず血痕しか見えない車。


 簡単に言い表すなら一関バイパス道路以上の地獄絵図だった。


 景色は確かに良かったとゆうか、俺は高速道路から見る景色が好きだ。でも……。


大吾「あぁ……この人首が──」


真奈「うわ〜多分衝突した時、運転席から吹き飛ばされたんだねー」


真奈「投げ出されて頭部損傷、事故車の中で骨折や内臓損傷は当たり前、でも助けはこず長く苦しんで死んだんだろうね〜」


大吾「オェ─」真奈「演技しなくていいよ」


松田「なぁフオンめっちゃ燃えてねぇか」


大吾「え?……マジやん」


真奈「ぁあ、寝具とか衣服コーナーに投げたが不味かったかな?まぁ、いいでしょ。中にはゾンビもどきしか居ないって、ねっ?松田?」


松田「あぁ……うん?うん、そうだね」


 ァア゙ヴァア゙アィ゙ガァ゙ァ゙アヴガァァ


 長く感染者の声が響く、遠くじゃない近いってゆうか目の前の事故者の山からだ。


大吾「なぁ…松田に真奈、俺なんで高速道路でこんなに事故が起きたのか分かったよ」


松田「そうだな──俺もだ」


 ァァ゙ァ゙ァァ゙ァ


真奈「雑談してる暇は無いよ、早く殺そうかッ!」


 ゴッ!


 ガァア゙ゥア゙


 真奈が、感染者に一番槍を仕掛ける。ハンマーが鳴り響く鈍い音がする。


大吾「邪魔だ!死ねぇぇぇ!」


 ドンッ!ガッ!ザクッ!ダシャッン!


 感染者を思いっきり蹴りつけ怯んだすきに、頭部を殴りつけた。その際、大吾が武器に付けていた釘が、感染者の頭部を破壊する。


 グチャッ!ベチャ…。


 脳みそや血肉が飛び散り感染者は動かなくなる。何度も言わなくていいが、もう慣れた。


真奈「松田!サボってんじゃねぇよ」


松田「あぁ!すまん!」


 ァヴァ゙ァガ゙ァァ゙ァ゙


 ドンッ!ガッガンッ!ガッガンッガンッゴッゴンッッッッッ!


 感染者の顔が変形、それか脳みそを飛び散らすまでパイプ武器で殴り付ける。相変わらず柔らかい、腐ってるからか?これだったら普通の大人でも勝てたと思うのに、何故?。


 疑問に思ったその時、もう一体の感染者が奥から出てくる。


 その感染者は、普通の感染者じゃ有り得ない速度でこちらに向かって来た。まるで元運動部の成人男性が本気で走ってきたかのようだった。


大吾「松田!前!」松田「おうよ!」


松田「オリャアッ!」


 ガンッ


松田「へ?……!?」


 違和感、相手は特別筋肉質でも無ければ通常の感染者と全く変わりは無いはずなのに…。


松田「え、え…なんで…こんなに…」


 硬いさっきまでの感染者と比べ対して怯まずそしてパイプ武器でさっきの感染者と同じ、思いっきり殴りつけたのに対し頭や体が全然損傷していない。


大吾「松田!?危ねぇ!」


松田「…う…ハッ!?」


 カジィッ!ギチィィィィイイイ……


 腕を掴まれたと思うと、抵抗しようと考える事すら出来ぬぐらいギチギチと力を入れられ腕に激痛が走る。


 従来の感染者とは思えないまるで成人男性に本気で掴まれたような感じとも言うべきなのか。


 痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


松田「あ、ぁあ…ガッ…あぃいだいだぃだァ」


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


大吾「はな……離せお前!」


 ゴガァッ!ゴッキッ!ガッ!


 大吾は感染者の頭部を後ろから集中して殴り付けた。鈍い音と、共に感染者は転倒しビクビクと痙攣を起こし始めた。


松田「腕が、ハァハァ…痛い痛い」


大吾「大丈夫か松田!」


 大吾がこちらに近寄り腕の様子を見る。


大吾「良かったな噛まれてねぇぞ」


真奈「え?はぁ?なんで頭何ともないんだよォ」


 真奈が驚いたような声を上げ真奈に目線を向ける。


大吾「真奈、声でかいよ」


真奈「うわ!まだ動く!」


 話を聞いていないそれよりもその感染者は再び動き出し立とうとする。 が


真奈「はぁ?お前さぁ、さっさと死ねよ!」


 ガンッ!


真奈「キモイんだよ!死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死───」


 ゴッ!ゴッ!ガッ!ゴンッ!ゴンッゴンッガッ


 グチャッグチョ…べシッガチャッベチャッ


 目の前で真奈のダンベルハンマーによる滅多打ちによりようやく頭が潰れた。


 惨い惨すぎるしそしてグロすぎる。でもそんなことを考えてるのは、おそらく顔を青ざめる大吾だけだろう。


(俺は今、腕の痛み事しか頭に無いし真奈はドーパミンドバドバでハイになってるだろう)


 その後しばらく、感染者の目に入りずらいところで休憩することにした。


松田「ふぅ……なぁそれにしてもあの感染者、なんだったんだ」


大吾「知らん特殊個体とか?」


松田「有り得る」


真奈「お前らアホかぁ全く違うと思うよ〜」


松田&大吾「?」


真奈「あいつの死体を漁ったら中から生存に不可欠な物資や食糧が出てきた。だからおそらくあいつは感染した生存者の成れの果て、つまりつい最近感染したんだよ」


松田「は?どうゆう」


真奈「だから〜私達が今まで対峙してたのは感染してからしばらく経った奴らって事だねー」


大吾「つまり腐敗し始めてる奴ら?」


真奈「そうだなぁ、まぁそうゆう奴らだね。でもあいつはまだ腐敗していなかっただから普通の人間と同じで硬いし筋力も感染前と同じってこと!」


松田「マジか…どうりで今まで違って硬くてなおかつ大人に本気で掴まれた感じがしたのか」


真奈「まぁ命拾いしたね。こんなやばい奴が居るんだ私も一人じゃなくて良かった〜

んん……しょっと、さて休憩はそろそろにして行こーか」


松田「そういえば、真奈の目的地は何処なんだ?」


大吾「あっそれぼくも──」


真奈「長者原だっけ?そこに行けば安全を確保して貰えるんだって。君達は?」


大吾「おい!人のはなs──」


松田「おお!同じだな。じゃあ目的地一致って事で」


大吾「もういいよ……」


真奈「そうだね〜それじゃこれからもよろしくぅ!」


 俺達は、事故車の山を通りぬけ高速道路を歩いて行く。


 目的地は三人一緒の長者原SA、全員で生存を目指して。

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