再開
フオンに向かって走る。どう見てもあれは生存者だ、感染者では無い。
俺は、まだ生き残りが居たことの喜びを抑えつつも、何故逃げたのかという疑問を抱えた。
フオン一関店内に入ると生存者は、何処かに行ってしまった。周りを見渡すと2階に繋がる階段がシャッターで閉鎖されていた。
ゴンゴン……
松田「すいません!もしかして生き残りですか?」
淡い希望を抱いてシャッターの向こうに話しかける。すると返事が、返ってきた。
松田「やった!お願いします助けてくだ─」
「黙れ!どうせお前も!あの女の仲間だろ!こっちには生存者が沢山居るんだ!帰れ!そして二度と来るな!」
声からしてその男はかなり怒っているようだ。あの女?この男性は男女関係を拗らせでもしたのか?。
松田「すいません?何を言ってるのか?僕はその女?とやらを知りませんし、逆に助けて欲しいんですけど」
「ふざけるのも大概にしろ!どうせまたそうやって俺達を騙して物資を奪う気だろ!なんだ!次は物資ではなく俺達の命か?死ね!死んでしまえ!クソ野郎!」
ドンドンドンドンガシャンガシャンガシャンガシャン!。
男は、散々怒鳴り散らし暴言を吐き捨てた後、感染者を呼び寄せるかのようにシャッターを叩きまくった。
松田「え…ぇはぁ!?テメェがふざけんじゃねぇ!女性関係を拗らせたのか知らねぇけど違うつってんだろ!テメェが感染者に喰い殺されろよ!」
「ハハハハハ残念だったなクソガキこっちはシャッターが守ってくれてんだよ!何度も言わせんな!二度と来んな!」
松田「クソ野郎がッ!!」
シャッターに向かって中指を立てながら俺は逃げた。幸い感染者が来る前に店を出れたが、何体かは追ってきた。
ァヴァア゙ア゙ア゙アゥア゙ア
松田「クソがっよ!」
ガンッ!ゴッンッ!
怒りに任せ感染者を殴り付ける。
ゴン!ゴッ!ゴッ!
松田「オッラッ死ね!死ね!死ね!!」
ガンッガンッブチャッ! !
グチャッ!グチャッ……グチャッ……
松田「はぁ…はぁはぁ……はぁ清々した」
かなり血が制服にかかったが、怒りは収まった。
でもせっかく会えた生存者の集まりがこれとは希望も木っ端微塵になり逆に絶望が大きくなった。
松田「はぁ…大吾とは離れるし…生存者はアホだし終わった……」
フオンの前で頭を抱え俺はしゃがみこんでいた。
───────
同時刻|ドラッグストア、楽王道
真奈「へぇ〜ここはもう探索したんだ。先越されてたねぇ」
大吾「ハイ…ソウデス」
真奈「ふざけてる?」
ドンッ!
大吾「違う!違います!」
真奈「はぁ…まぁいいや早く行くよ」
大吾「はいぃ……」
どうしてこうなった…僕はただホームセンターに身を隠しながら松田を待つはずだったのに、こんな奴に……。
逃げたいでも、もし捕まったら感染者と同じ生きたまま頭をグチャッ……嫌だ嫌だ嫌だ。
頼みます神様…死にたくないです。死ぬとしたら寿命か安楽死がいいです。お願いします痛いのは嫌です……。
真奈「二手に別れてるね、どっちが一関ICに近い?」
大吾「右です」真奈「おっけー」
僕達は、右に曲がり歩き続ける。するとフオンが見えてきた。かと思えば真奈がボソッ口に出した。
真奈「うわ…最悪…」
大吾「えっなんで…」
真奈「いや?何も?」
何かあるしかしこれ以上追求したらミンチ…
マジで嫌だぁぁぁ。!?。
ある人影が見えた。僕は、一瞬驚いたが同時に安堵した。
そこ…いやフオンの入口に驚いたような顔で松田が立っていた。
────
10分前
頭を悩ませていた。大吾とははぐれ生存者からは冤罪によって仲違い。これはもう詰んだんでは無いかと。
松田「もう終わりだぁ…ふふ…もういっそのこと大吾置いて1人で行くか?そうだなそうするか…?」
そうしばらく独り言をブツブツいいながらしゃがみこんでいると誰かの声が聞こえる。
一瞬で分かった。
松田「大吾やんけ!マジ!こんなことある?」
しかし、もう一人声が聞こえる。
松田「えっ…この声ってもしかして!真奈?」
俺は、立ち上がると真奈と大吾がこちら側に来ているのが分かり驚いた顔を隠せずにいた。
────
通常視点。
松田「おぉ!大吾!久しぶりだな〜!」
大吾「松田!ふざけんなハハハ!まだ2時間ぐらいしか立ってねぇよ!ハハハ……」
大吾の顔が青ざめている。何かやばいことでもあるのだろうか。
すると大吾がハグする振りをしながら小声で何かを語りかけてくる。
大吾「松田気をつけろ…あの真奈って女、平気で人の物資を奪ったり足を殴り付けるサイコパスだ」
何を言っているんだ。真奈はそんな奴じゃ…。
真奈を見ると何故かある大量の物資に服には返り血だろうか、大量の血がかかっていた。
真奈「ん?松田?……ふぅん松田じゃん久しぶり元気かな?」
大吾「え?は?知り合い?」
松田「…………知らない…知らないです…」
真奈「へぇ〜ふざけない方がいいよ松田〜ほら私だって君1ヶ月で忘れるの?馬鹿だねぇ」
知らねぇよマジで誰だよお前!俺の知ってる真奈は、もっと明るいしこんなことしねぇしサイコパスでもねぇよ!。マジでどうしたんだこいつ!?。
真奈「あれ?もしかして大吾って松田の知り合い?」
松田「そうだよ!何してんだよお前!」
真奈「うわマジか…名前なんだっけそこの〜」
大吾「佐々木大吾っす…ス」
真奈「あぁ……大吾ごめんね〜許してくれるよねッ?」
大吾「あ、あぁはぃ…はい!許します」
松田「マジでどうしちまったんだよ」
松田がどうしちまったって言ってることは、こいつ前はもっとまともだったのか?。
まぁ〜それはそうとマジで助かった〜♪。
真奈「んーじゃあさ君達に着いて来ていい?」
松田「ん?………まぁええで」
は?。
ふざけんのも大群しろよ!松田!クソっそうだこいつは童貞…女に堕ちやすいのか…。
いや待て落ち着くんだ僕。余りにも衝撃がデカ過ぎでキャラが壊れ始め…そういえば僕ってどんなキャラだっけ。
真奈「〜♪」
松田「てゆうかなんで俺達に着いて来るんだ?男2人女1人そしてここは感染者が蔓延るびっくりするほどディストピア普通警戒するだろ」
真奈「あぁ〜ね?いやいや大丈夫だよ。君達1人か2人が性欲の塊になって襲って来ても勝つ自信あるから」
真奈はそう言いながらダンベルで作った簡易ハンマーと服を捲り綺麗に割れた腹筋を見せつける。
松田「うわ……」
真奈「うわってそんなに羨ましい?筋トレをしばらくすれば簡単に手に入るよ?」
大吾 (いやそう簡単じゃないだろ)
真奈「話を戻すと私、大吾を助けたんだよねぇ…そして大吾に助けたお礼として一関ICまで仲間で居てもらうって条件を呑ませたの。」
真奈「でも、ここで別れたらまた1人になってだるいし、ちょうど知り合いの
松田「へぇ〜」
真奈「まぁ興味無いよね?さぁ長話は終わりにして行こう一関ICに」
大吾「はぁ…マジかよぉ」
松田「まぁ仕方ねぇよ大吾これから多分長い付き合いになるから水に流すしかないな」
大吾「はぁ〜わかったよ」
松田「ところで大吾お前走って逃げなくてよかったな。あいつ陸上部だから多分お前逃げても追いつかれてたぞ」
大吾「マジかよぉぉぉ」
真奈は1ヶ月前とは見違える程変わっていたが、とりあえず真奈を迎え入れ俺達は三人グループになった。
大吾とも合流出来たし、向かうは長者原SA
こっからクソ長いが多分何とかなるだろう多分……。
一瞬不安になりながらも俺達は、目標に向かい進み出した。
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