第17話 再起動

ゆっくりと再び


歯車は稼働を始めます。


とある何処かの最終局面で、

名探偵はさてと言う。


「私は西宮玖。断定する」


「私は雷草子。拒否しよう」



剣呑。

これは剣呑だ。


能面の作務衣を着た女と、

般若の面をした浴衣男。


これは画的に時代錯誤も錯誤。映像化には覚悟が必要だなあと、その傍らでぼんやりと物思うワタクシ。


呑気でせうか?

いえいえ、私は存じて居るのみ。

もはやこの男女は、生き死に賭けた争い等という、壮絶な領域の虚しさがわからぬところには居りませぬ。住む世界が、違います。


元はと言えば、そういう類いのお話だったのです。何の因果か、過ちか。いつかの空想、恋する少女は思います。


「どうして、この少女の命は失われてしまつたのだろう?」


そして少女は思い付きます。

幸福な世界が存在しないのならば。

作ってしまえば良いのだと。


けれど現実は厳しい。物語を書いた事の無い少女の処女作…つまりは今あなたが読んでいるこのお話は、とある女性の痛みに満ちたものでした。

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