第18話


 茶色がかった髪に、だらしない格好。


 細い眉毛。


 耳に開いたピアス。




 …誰だ…これ…



 ガラスに映る「人間」を、今まで一度だって、見たことはなかった。


 ザ・田舎のヤンキーって感じで、すごく取っ付きにくそう



 いやいや、そんなことはどうでもいいんだ。


 慌てて手や足を動かしてみた。


 自分の体を調べたんだ。


 そこに映ってるのが、「私」なわけがなかったから。




 「…嘘…でしょ…!?」



 あり得ない


 …あり得ない


 ……あり……得ない…



 右手を挙げれば、ガラスに映るヤンキーが同じ動きをする。


 右足を上げる。


 ジャンプする。


 前屈み。


 屈伸。


 ほっぺハート。


 考える人のポーズ。


 



 …いやいやいや



 そんなわけない



 全部シンクロしてるんだけど…




 たまらず近づいてみた。


 

 ガラスの手前まで。


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