第7話


 「彼が昨日どこにいたか、あなたは知っていたのですか?」


 「大輝が…?」


 「ええ」


 「知りません。何も…」



 知らないわけじゃない。


 大輝は昨日、川べりのそばで発見された。


 警報が発令された20時過ぎのことだ。


 彼がいないと、おばさんから連絡を受けたのは。



 「彼から電話は?」


 「電話…?」


 「あなたの所に連絡は来ていませんか?」



 その言葉に、すぐに返事ができなかった。


 電話はかかってきてた。


 19時12分。


 その時彼がどこにいたのか、なんのために電話をかけたのか、昨日の夜からずっと考えてた。


 眠れなかった。


 彼のスマホは、まだ発見されていないらしかった。

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