第2話


 目を覚ましてよ。



 いつもみたいに笑って、「なんでもない」って言ってよ。



 なんで寝てんの?



 なんで、返事をしてくれないの?



 握りしめた手は冷たかった。



 ゴツゴツした豆だらけの手が、教えてくれた。



 本当は頑張ってたってこと。



 なんとかしようとしてたんだってこと。



 時間を戻せるなら、キミに言いたいんだ。



 「大丈夫」



 だって。



 「なんとかなる」



 って。



 そんな簡単なことも言えずに、態度に出てしまう自分がいた。



 手遅れだってわかってても、もう——


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