二 エロジジイが死んだ
今年、五月。
夜、仕事の帰り、近所の家の各部屋と玄関に煌々と明りが灯っていた。近くの空き地に車が四台駐車している。妻の由美は、
「死んだんじゃないの」
と呟いた。
翌日、仕事は私だけった。終って帰ると、例の家の玄関に提灯が灯っていた。家の主が亡くなった。そうじゃない。セクハラのクソエロジジイが死んだのである。
帰宅して話すと、あれから二年になるね、と由美は言った。
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