二章 祈りと呪い
一 訪問者
私の仕事場に男が訪ねてきた。
「ここで始末の依頼を引き受けると聞いて来た」
男のピンストライプのスーツから、糊の効いたワイシャツの襟が男の首を被っている。首は日焼けしていない。かといって陽のあたらぬ空間をうごめいて美食に走っているようにも見えない。顔に贅肉はない。どうやら室内施設で身体を鍛えているらしい。正当な職業についているのだろうか?男の全身から漂い出る何かから、ふとそんな思いが湧いた。
「依頼を聞く前に、私の話を聞いて欲しい。こちらに座ってください」
私は、庭を見渡せるテラスの椅子に男を座らせた。
「よかろう」
男の承諾を得て私は話した。
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