第5話 青春正義感続行暴走男、又の名をクズ。
ごふっ…、んぁ?なに?あ、────。
この前の話の続き?
よりによって人が気持ちよく昼寝してる時に来る?
ちょっとまって、何その
ごめんって、話すから。
えーっとねぇ、じゃー、これは?
『霊が見える人を集めた組織』の話。
あ、興味ある?
えっとね、組織名は『アストラル』っていうんだが…。
え、漢字??
しらねぇよ。
いや笑うなし!!
知ってるよ、あれだろ、えーっと…、
って!! い う な よ !!
知ってたし!知ってたんだからな!?
『星幽』だろ!?
あぁ知ってましたとも!!
誰が負け
「んー、これはぁ…、中の下?違うんだよなぁ」
指抜きのグローブ越しに霊結晶を
ちなみに指先が結晶に触れているが、霊結晶は大抵が、えーーーっと、縦に細長いトランプのダイヤのような形をしている。
中心部分の模様のとこに触れなければ憑かれはしない…、っていうのが一般的だがら指先だけちょっと先っちょに触れたり、
霊結晶に入った霊と憑く・憑かれるの契約関係になる方法はもうひとつあるっちゃあるが…、ほぼ俺と仲間しか知らないだろう。
と、その時、ふわっと欠けていた体の一部が戻ってくるような感覚がした。
んぁ?帰ってきた??誰?
「今帰ってきたの誰だってばよ」
『僕だね』
ぽんっ、と出てきたユイジアは心なしか髪色がくすみ、瞳からハイライトが消えているような気がするが…、俺から言えることは、いい気味♡ってことだけだな。
「どうしたんだよ、いきなり。」
『どうしたんだ、じゃないよ!アストラルに
「お前もう死んでるじゃん」
『そうだけどそうじゃない…って、違う違う、とにかく奏、逃げて!』
「は?」
なにやらただならぬ様子のユイジア。
なに?なんで逃げないといけな…
「おいッ!おまえ!!逃げろ!!」
ファッ?
え、なに、高身長?なんでここに??
ってちょぉっ!
「ふぉわあぁぁっ!!」
黄色い閃光…、じゃない、雷の霊の力借りて突撃してきたやつだコレーっ!!
慌てて突進を
こっちくんな!
えーっと、多分状況わかってないよね?
まずね、たぶん雷の善霊を憑けたヤツ…、えーっと、仮名で『カミナリさん』で。
そのカミナリさんが俺をぶちころ…、ん”ん”ッ、倒しにやってきたのはわかるね?
俺としては、ターゲットに適切な
俺の見立てでは、善霊くんの
だから、およそ40分で切れる見込みだった。
今はおよそ45分。
これでも切れないということは、おそらく善霊くんのランクは中の中。
読み違えたァ!
そして、おそらくウチのユイジアくんがカミナリさんにヤられちゃったんだろう。
『なんだって!?!?』
という
で、やられる
っていうね。
それで、なんでかお仲間のはずの高身長男が俺に逃げろって叫んできたの。
意味不明だよねー。
うん。
…………うん。
うん、カオス!!!!
脳内で『かぉす…』『かぉす…』『ぉす…』『す…』
とエコーするのを聴きつつ、とりま走る。
チラチラと振り返りつつも走る。
こわ。こっっっっわ。
なんならオマエ
時速約80キロオーバー、
ある意味高性能!嬉しくないですねェ!!!(シャウト)
「シトリン、加速!」
『あいさ』
ギリギリ小声に入る入らないぐらいの声を出し、シトリンを呼び出す。
ごめんね、今日いっぱい呼び出して!
またシュークリームあげるから許して!
心の中で
と、その時。
「っ、ぅあっ…!」
どくん、と心臓がなった。
あぁ、まずい。
ふらりと体がいうことを聞かなくなり、勝手に
『ッ、あるじ!』
「し…とりん…、もどれ…!」
『でもっ…!』
「はやく…っ!」
みるみるまに
シトリンは泣きながらも俺に戻ってくれた。
そして俺は屋根の上にどさっと音を立てて倒れた。
視界が黒くかすむ。
ちっ、逃げ切れなかったか…。
まぁいいや、次目が覚めた時にどうにかして逃げよう…
言い合う声と、俺のことを持ち上げる手を感じる。
これは…、カミナリさんか高身長男か…、ま、どっちでもいいか。
俺の意識はふっ、と
ー→↑↓←*→↓↑←ー
この時、奏の危機に気づいた相棒霊たち、その他単独行動をとっていた霊たちが
奏の仲間はなかなかにチートですぅぱぁぱわぁの持ち主だったりする。
そして、奏の異能がそれを
『自分に憑いた霊の力を自分も使うことができる』。
約七百体もの霊を身に宿す奏にとってこれ以上
もちろん、
歌っている間しか使えないのだ。
歌がうまければ上手いほど能力は
ここにもうひとつ縛り。
霊が
例えるのであればラムだ。
ラムは、
といっても、『タンスの角に小指ぶつけちゃえ!』とか、『一日中静電気起きちゃえ!』とか、ささやかな(?)ものだ。
それを、歌っている間だけ使うことができるのだ。
なんならカスタム可能。
えっ、それって歌が上手くなったらさいきょーじゃない?
と、思ったそこのアナタ!!
せい・かい・デス!!
そう、コチラ実質最強なのだ。
その上でなんなのか、この
死んだそいつらがどんっどん奏に憑いてくる。
異能マシマシ、
奏ってば実はめちゃクソにヤヴァイヤツになっていたし、これからもなる予定なヤツだった。
まぁ、これ以外にも色々と
それはまた、別の機会に────。
ー→↑↓←*→↓↑←ー
「オイッ、清河!こいつは敵じゃないって言っただろ!」
「いいや、上から
念のために捕まえておかないと。」
「そういったって…!!」
清河の腕の中でぐったりしている子供。
こんなに小さな子供が大きな鎌を
さらりとした黒髪を一つに
こんなに
子供を清河から受け取り、素早く縄を解く。
俺はこいつを危険だとは思わないからな。
清河から守るように子供を抱きしめた。
元から俺と清河は性格が合わないのだ。
すると、ふわりと風が吹き、白い
『奏を離して。』
「は…?」
憑いた霊が主を案じるなんてことは今までなかった。
霊は主から霊力を吸い取り、使うだけであり、主がどうなろうと
だからこんな…、霊が主を離すようにいうのは
「奏…?こいつは奏っていうのか?」
『そう。でもどうでもいい。さっさと奏を離して。さもなくば…!』
霊の少女が右手をあげると、ずるっと右足が滑った。
「ッ!?」
『あなたに呪いをかけた。奏を離さなければあなたはこれから一日中足が
「いやしょっ…」
ッッッッッッッッッボ!!!!!!
と思ったが、
そっと子供…、奏を離して(滑りつつ)一、二歩下がると、少女が手を下げて奏に駆け寄る。
それとともに足が滑るのも止まった。
『奏。奏、大丈夫?シトリンが泣きながらこっちにきたよ。すぐにルーが中の上、連れてきてくれるからね!』
「う…」
げほげほっ、と咳き込む子供。
「辛そうだが、どうしたんだ?昼は普通にしていただろう。」
『あれはもはや気合いで
その上で今日は予想外が起きすぎている。
いや、俺に会話の相手が
って、それどころじゃない。
黒憑き?
悪霊憑きのことか?
そうだとしても、ここまで苦しむのはおかしい。
せいぜい普通は顔が少し青い程度だ。
その時、はっと少女が顔をあげ、叫んだ。
『避けて!!』
「は…?」
視界が暗転した。
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灰色図鑑!
清河
上からの命令に忠実…、という名のヒーローごっこが大好きなやつ。
そしてついたあだ名が
その名に
奏の引き渡し中に会話に参加してこなかったのは、ラムの呪いで声が出せなくなって動けなくなっていたから。
ラムを怒らせると怖いというのは、奏の仲間内で結構有名なのに。
属性は風の派生で『雷』。
異能はない。
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やぁ。作者こと
今回出てきた清河なんだけどさ、天音歴代キャラの中でもあの甥っ子たちに次ぐクズっぷりだよね。
こう…、『上からの命令に逆らわず、忠実に達成する僕って神!』みたいなことを思ってる感じ?
クズだよね。
サポートキャラにしようとしてたんだけど、もうちょっと、クビにしようかと思うんだ。
もう二度と出てこないよ。
我ながらクズなキャラを作ってしまった…。
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