第1話 霊視の最強フルコンボ
「あーあ、俺ってばなんて不運なんだろう」
もう口癖になった言葉を、ポツリと呟きながら歩く。
「わ、見て、
「奏先輩って、かっこいいけど怖いよね…」
女子たちがそうヒソヒソと
高二に上がってはや3ヶ月。
夏が『まだまだ俺はやるぜぇ!!』と言わんばかりに本気を出してきた。
平均より身長は低くとも、十分イケメンである少年…、
だが、告白しても
その上で謎の休みが多かった。
プリントを届けてもインターフォン
女子たちは
だが当の本人は
え、最初っからこんなんだったよ、何かあったの?と言わんばかりだ。
「げぇ、アイツらこんなことしやがって…」
簡単に言えば『友達つくろうぜ!』という意味だ。
奏の記憶によればこんなものは書いた覚えがない。
つまりはイタズラだ。
奏にはこんなことをする
その時、奏の耳に
『ヴルゥ…』
バッと振り向くと、そこにはドーベルマンのような犬がいた。
黒い霧を
「げぇぇ。」
先ほどと同じセリフで、
『ヴ…ユ…ルサ…、ア”、ア”ア”…ヴア”…』
「ちっ…」
少し迷うように視線を
犬の方を振り向き、すっと両手を広げて目を閉じた。
『ヴ…、ア”アアアア”ア”ア”!!!!!』
素早い動きでカナデに
代わりに奏がグッと
「っぅ…」
ほおをあせがつたり、校舎の
息を荒くして、先ほどまでが嘘のようにぐったりとしている奏。
そしてその時、奏の
『もうっ!奏ったら、また悪霊拾って!お人好しにも
「うっせ…」
腰に手を当てて人差し指を立て、めっ!と奏を
『それにしても…、うわ、重症。まさか中の中を拾ったの?』
「違う…、たぶん、そんなのじゃない…、中の、上…」
苦しそうにしながら奏は言う。
奏は生まれつき幽霊が見える・触れる・喋れるの
かれこれ奏は今、体に善霊悪霊それぞれ300体ちょっと、
奏の謎の休みの理由はこれだった。
人は霊に
先ほどの犬は悪霊だ。
奏は
なのでああいうひとりの幽霊を見つけるとたとえ悪霊でも放っておけないのだ。
『中の上!?なんてもの拾ってるのよ、バカ!おんなじ
「う…」
奏は、同じ
霊は大きく分けて善霊と悪霊、それらを
下から下の下、下の中、下の上、中の下、中の中、中の上、上の下、上の中、上の上、最上位の
例えば下の中の悪霊に
「なんとかなる…」
『な・ら・な・い!!!』
スタッカートのかかりまくった
「あー……、教室、戻る、から、早く…戻ってくれ…」
『もー!まっすぐ戻ってよ!?道草食わないでね!?』
「あー…うん…、はいはい」
適当にあしらわれ、
奏の中に戻ったのだ。
ちなみに、幽霊は
つまり少しぐらい道草食っても
これは奏のよく使う
ー→↑↓←*→↓↑←ー
「うわ、今日は
いくら悪霊に憑かれたからといって、生まれてからずっと憑かれてるので体調が崩れるなんて
10分ちょっとすればいつもの奏である。見た目は。
気合いで抑えているだけなので、激しい運動もダメだし、無理してやればすぐに倒れるだろう。
奏は弁当を食べ終わり、買ったパックのカフェオレに刺したストローからずぞぞっ、とお行儀悪く音を立てて飲みながら外を見ていた。
奏の学年の2年生の教室がある三階は、運動場が
この間の席替えで
悲しいかな、ほとんどぼっち!
だが、今日は少し違った。
アストラルが来た。
アストラルとは、奏と同じように霊を見ることができる人、
何かしらの能力が
本来ならば奏も霊能力者なのでアストラルに入るべきなのだが、奏はこの
もちろん大量の霊に憑かれているのだ、霊士たちは当然奏に気づき、悪に
そこで奏は、オーラ?的なやつを善霊たちと
(なお、悪霊は協力なんざしない。)
そして
だから、今奏はさきほどの悪霊の件でバランスが
あっからさまにやべぇドス黒いオーラをバンバンに放つ奏を見れば、霊士たちはさぞ
ただでさえ霊を見ることができない人たちが感知するほどの強い
それを霊を見ることができる人が見たら?
結果はわかりきっている。
悪霊に成り
ほぼ100%。
「どうしよ…」
見つかれば悪霊として攻撃される。
ならば見つからなければいい?
そんなに甘くはない。
霊士たちの表向きの立場は点検業者だ。
だから
逃げ場など存在しない。
奏はもう一度呟いた。
「どうしよ…」
元夜の神も、猫のように固まることだってあるのだ。……………たぶん。
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平均よりちょーーーっと下の身長(本人談であり事実は真なる低身長)。
プラスイケメン(ちょいショタ気味?中間?)というどっかの
これでも細マッチョであり、まぁまぁ力持ち。
遠いご先祖が
幽霊が見える・触れる・喋れるの三拍子フルコンボが決まった上にプラスワンと言わんばかりに霊媒体質な少年。
めっちゃ幽霊に憑かれていて、精神的な負荷が常にかかっているためへこたれにくい。
元というか前世は夜の神で、最高神であり、姉でもある陽の神の秘書的なことをしていた。
姉との思い出、白いゼラニウムの花畑を興味本位で燃やされたことで危うく邪神に堕ちかける。
寸前で自制できたものの、消耗が激しすぎたので、人間になって力を回復している。
必殺技は『スーパー無知ショタスマイル』。
別名『営業スマイル』ともいう。
属性は主に闇。
正確に言えばオールラウンダーなのだが、なんせ元は夜の神であり、なりかけとはいえ邪神なので、どうしても闇に傾く。
能力は後日説明。
ちなみに余談だが、姉との思い出の場の花園に咲き誇っていたのはゼラニウムではなく、『
紫の
白の
なお、白のゼラニウムの花言葉は「偽り」「私はあなたの愛を信じない」とされている。
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やぁ。作者こと天音だよ。
興味本位で初めて見たはいいものの、なんか自分の執筆の腕が落ちている気がするんだ。
最近、朝の出来事も思い出せないし、立ち上がったら何をしようとしたのか忘れたり…。
そこで、天音は思ったんですよ。
────はっ!まさか…!これが、『老化』!?!?
いやいやいや、私まだピッチピチの十二才で…、そ、そう言えば最近体重計乗ってない…。
脇腹に駄肉が…、せ、鮮度が落ちてる!!?!
ちょうどいいダイエットの方法ってありませんかね?
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