LEVEL.23 鬼神との買い出し
“収穫祭”の2日目は、どうやら他国からの出店が多く存在していて1日目よりも沢山の人が出入りしていて活気が違う感じでロゼッタは目を輝かせていた。
「わぁ……」
「“収穫祭”の2日目は1日目と違うのは、1日目は自国での出店が多いんだが2日目は他国……言うて近くの同盟国が多いって感じだな」
「そうなんですねっ」
「まぁ、今年は同盟国以外にも少し離れた国の出店も来てくれているから余計に活気があるんだと思うけどな」
まだ“ギルド国家”というのは大陸外や“裂空界域”の先まで名は広まっておらず、この少し大きな大陸だけでしか名は広まっていない。
たからこそ、この“収穫祭”を他国の商人や冒険者に“ギルド国家”を広めてもらい世界全土に知り渡るようにしたいというのがレヴァンの考えでもある。
「ほら、“焼きそば”ってのがあるぞ」
「本当だっ」
「食べてみるか?」
「はいっ!」
「ははっ、わかった」
ロゼッタはシュヴァートと共に、滅多に見かけない変わった食べ物などを食べ歩きながらシンプルな髪用の装飾品を出している出店を見つける。
「あ、そういえば……リボン、少し破けたの忘れてた……」
「なら、ソレをプレゼントさせてもらえないか?」
「え?」
シュヴァートは青色のリボンと白黒の変わったヤツの2種類選んで買ってから、その2種類のリボンをロゼッタに手渡す。
「本当に、今回は申し訳なかった……これは、その謝罪の品だと思ってくれ」
「律儀ですよね、シュヴァートさんって」
「まぁ、この職に就いているからな」
「んー、なんというか……溜め込むタイプですよね?誰かに頼ったりとか、そういう事もしなさそうシュヴァートさんって」
「…………そう、だろうか」
ロゼッタは少しボロボロの青色のリボンを外してから、シュヴァートから貰った新しい青色のリボンを身に着ける。
「少しでも、その肩を固くせずに気楽にしません?此処には、沢山の仲間が居ますし」
「………ん、そうだな……アイツらに頼ってみるか、少しぐらいは」
「ふふっ、その方が肩にある重荷も減ると思うんですよ!ちゃんと、皆さんに話し合って少しでも楽にしなきゃ!じゃないと、今回みたいな事になるかもしれないし……下手したら、取り返しのつかない事にもなりかねないですよ!」
「取り返しのつかない、事……」
“もしも”今回のように中立な“何か”ならいいかもしれないが、これが“悪意のある何か”だった場合は最悪な場合は“仲間を殺してしまう”事になりかねない。
それこそ、謝罪どころではない。
“大切な仲間”を自分の手で喪い、それについて一生忘れる事もなく罪悪感と喪失感に襲われて自害を選んでいたかもしれない。
「そうだな、皆と話し合いをして皆にも少しは仕事をしてもらおうか」
「ですです!」
ロゼッタとシュヴァートは暫く楽しんでからギルド国家へと戻り、シュヴァートは皆を集めて“今後について”話をした事でロイド達も真面目に書類などを片付ける事を約束し、レヴァンも手が空いた時にはシュヴァートの手伝いをする事を決めた。
「~♪」
「ご機嫌だな、ロゼッタちゃん」
「あ、ロイドさん!今後は、ちゃんと書類は自分で書いて提出しましょうね?」
「おう、ちゃんとシュヴァートと約束したからな!これからは、ちゃんと自分の書類は自分でやるさ」
ロゼッタが少し怒った感じに言えばロイドは苦笑いを浮かべながらも答えると、ロゼッタは満足そうな表情をしていた。
「そういえば、カルマが操られた時………大丈夫だったか?」
「え?」
ロゼッタはロイドに言われて、操られてしまったカルマに捕まり、廃墟に連れてこられた際に操られたカルマにファーストキスでもあるのにディープキスをされた事を思い出しては顔を真っ赤にさせては、両手を顔の前に出しては勢いよく手を振っていた。
「べ、別に、な、何事もなかったですよ!?うん、全然っ!」
(あー、これは“なんか”あったんだろうな)
「なら、いいけど……助けられなくて、ごめんな?流石に、あのカルマを長く足止めするのって俺には無理だったから…気になっていて、さ」
「ロイドさん……」
「まぁ、無事だったなら良かった」
ロイドが満面な笑みを浮かべながらもロゼッタの頭を優しく撫でていると、建物の出入り口付近から歩いてくる黒い髪色で少し前髪がパッツンにさせたアホ毛のあるミディアムにしており、濃いめのピンク色の瞳色をした少しツリ目にパッチリ目をしている。
黒いタートルネックにオレンジのTシャツを着て、灰色の上着は腰に巻き付けている背の低い青年を見かける。
「お!帰ってきたんだな、カイト!」
「んあ?おー、ロイドやんけ!って、隣の女の子は…??」
「あー、新しい仲間のロゼッタだぜ」
「あ!!手紙に書いてあった女の子か!いやー、始めましてやな!ワテは、カイト!“自警団”に所属しとる“狩人”やで」
カイトが軽くはしゃぎながらもロゼッタの両手を掴んでは軽く上下させていると、ロゼッタは心の中で“ラヴィさんよりも、小さい人だ……”と思っていたなんて本人の前では言えないだろう。
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“視える”道具屋さんは、ひょんな事からギルド国家の城内暮らし!? ぬこちゃろ @NENEKO-word
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